ゴーゴリ「死せる魂」1-2 | 世界文学登攀行

世界文学登攀行

世界文学の最高峰を登攀したいという気概でこんなブログのタイトルにしましたが、最近、本当の壁ものぼるようになりました。

P70-167


「名手ゴーゴリ」という言葉が頭に浮かんだ。


登場人物がみな個性的な、退屈しない人たちで、挙動の一つ一つが、また、会話の一つ一つが、とても面白い。
物語を盛り上げるために、あえて用意した人物だというのはわかる。
しかし、それが冷徹な人間観察に基づくものだからだと思うが、作為的に感じられず、こういう人、身の回りにいそうだなあと思う。なにより、ピリッとからい批評には、自分にも心当たりの部分があるからむずがゆくもなる。
ゴーゴリさん、とても上手だと思う。


ストーリーもどこに向かうのかよくわからないまま、軽四輪馬車(ブリーチカ)の歩みのようにカポカポと進んでいく。
読みはじめると、没頭してしまって、わくわくしながら読み進めている。