「シャクンタラー姫」(カーリダーサ)ー3 | 世界文学登攀行

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世界文学の最高峰を登攀したいという気概でこんなブログのタイトルにしましたが、最近、本当の壁ものぼるようになりました。


第五幕・第六幕(P105-159)


読みやすくはないのだけれど、読みやすくないことがかえってこの劇に美しさを添えている。
そんなことがあるのだろうか。
原作者の言葉が美しいのは当然のこととして、その言葉の美しさに魅せられた訳者の苦心が輝いているからだろうか。
不思議な本である。


読んでいる間は、なんともいえない充実がある。
構成、セリフ、表現に、目新しいものはなく、もはや使い古された技法ばかりなのかもしれないが、ぐいぐい読ませる。引き込まれる。
技術ってなんだろうか。こういうものは進歩して、後ろに下がることはないだろうに。


あっという間に、最終章を残すのみとなった。