「三国志」(宮城谷昌光)6-1 | 世界文学登攀行

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世界文学の最高峰を登攀したいという気概でこんなブログのタイトルにしましたが、最近、本当の壁ものぼるようになりました。


曹操を歴史の表舞台に上げたのは、非凡な戦術眼であると思う。
しかし、人は成長する。
戦場や政治の舞台で鍛え抜かれたのは、人を見る眼であり、これはと信頼する人に任せる大胆さと、能力を活用する場所の的確さであるように思う。
曹操に抜擢され幷州を任された梁習や、その異能を見出され軍事的な助言を珍重された郭嘉など、幸せであったろう。
士はおのれを知る者のために死ぬものである。


曹操という人は、乱世にあって、かけがえのない逸材であり、奇跡のような人の出現であったのだと思う。
そして、曹操は成長し続けた人でもあると言える。


英雄の生涯を追うときに、一人の人間の可能性というものを垣間見る思いがして、自分も同じ人間であることに希望がわく思いがする。



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