曹操を歴史の表舞台に上げたのは、非凡な戦術眼であると思う。
しかし、人は成長する。
戦場や政治の舞台で鍛え抜かれたのは、人を見る眼であり、これはと信頼する人に任せる大胆さと、能力を活用する場所の的確さであるように思う。
曹操に抜擢され幷州を任された梁習や、その異能を見出され軍事的な助言を珍重された郭嘉など、幸せであったろう。
士はおのれを知る者のために死ぬものである。
曹操という人は、乱世にあって、かけがえのない逸材であり、奇跡のような人の出現であったのだと思う。
そして、曹操は成長し続けた人でもあると言える。
英雄の生涯を追うときに、一人の人間の可能性というものを垣間見る思いがして、自分も同じ人間であることに希望がわく思いがする。
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