P1-99(1章-3章)
はじめの方こそ、風景の描写がピンとこなくて読むのめんどくさいと思っていたけれど(ニューヨークってあんなところにあるんだね。無知って怖い。)、だんだんと引き込まれていく面白さ。
あまり一度にたくさんは読めない僕でも、一気に100ページほど読み終わっていた。
主人公の目を通して、たくさんの男女の人間模様が展開されている。
それが自然で、心地よくて、共感というフィルターすら不必要に、その場にいるような感じがしてくる。
また、ギャッツビーという謎めいた人物に対する興味が、この本を飽きさせないアクセントになっている。
親しくなった女性と、ほのかな好意を寄せ合う感じとか、もうこの年になると忘れてしまうような神経の繊細な部分とか、ちくちく刺激される。
もう少し若い頃だったら、その頃恋をしていた誰かのことを思いながら、じたばたしていたのかもしれない。
ここまでで、3分の1くらい読み終わったけれど、この若者たちの群像劇がどこに向かっていくのかまったくわからない。
すらすらと読み終わってしまいそうで、それは非常に残念というか、寂しい心地はする。