毎日何気なくとっている食事ですが、
私たちの身体は、
食べたものでできています!
漢方では、
食べ物や食べ方によって
身体のバランスを保ち、
健康を維持しようとする
ことを『食養生』といいます。
『薬食同源』という言葉で表されるように、
日々の食事は病気予防の第一歩です。
私たちの身体の真ん中にある
脾胃(消化器系)は、
後天の本(脾胃が飲食物を消化吸収して、
その栄養物質を全身へ運び、
人間のすべてのエネルギー源となり、
身体の健康維持に最も重要な働き
を果たしている)といわれています。
それが、もともとの体質・加齢・暴飲暴食
などによって、その力を充分に発揮できなく
なってしまいます。
「脾胃」を守り、働きを高める食養生を、
無理なくできるところから始めてみませんか?
食養生の基本は、
『腹八分目』
『腹八分目』にすると、脾胃の負担が減り、
脾胃の消化吸収が本来の力を取り戻します。
日々の積み重ねで脾胃は強くなり、
気血を生み出す働きも充実して血流アップ、
内臓全体も強くなります。
そうすれば心身ともに元気になり、
免疫力も高まってきます。
『腹八分目』を実践するには
*味噌汁や野菜スープなどを先に食べる
⇒満足感を得やすい
*ゆっくり食べる
⇒満腹感を得やすい
*一口30回を目安に噛む
⇒食べ過ぎ防止・消化を助ける
*火を通した季節の葉物野菜(小松菜・白菜・
キャベツなど)をたっぷり摂る
⇒消化吸収の促進と食物せんいの補給
など、食べ方の工夫をされると無理なく
できるのではないでしょうか。
食材の五味・五性について
薬膳では、「体調」「体質」「季節」などに
合わせて身体を整えるため、
食材の働き
「五性(寒・涼・平・温・熱)」
「五味(酸・苦・甘・辛・鹹)」
を活かしてメニューを組み立てていきます。
五性
食材が、身体にどう作用するかを表しています。
☆温熱性食材(身体を温める食材)
冬の寒い時期や寒い地方でとれるもの
玉ねぎ・ねぎ・にんにく・しょうが・にら・
らっきょう・栗・えび・羊肉・黒砂糖・
こしょう・からし・酒など
☆寒涼性食材(身体を冷やす食材)
水分が多く、暑い時期や暑い地方でとれる
もの
ほうれん草・セロリ・冬瓜・なす・
きゅうり・もやし・トマト・バナナ・
すいか・あさり・牡蠣・かに・豆腐・
ひじき・白砂糖など
☆平性食材(寒熱に偏りがなく、
穏やかな性質の食材)
穀類に多く、常温に適している・
滋養強壮に富むものが多い
米・きゃべつ・じゃがいも・さつまいも・
里芋・枝豆・レモン・りんご・さんま・
鶏卵・ごま・きくらげ・はちみつなど
(食材個々の性質については、
書物によって異なる場合があります)
五味
五味は、五臓を養うといわれています
☆酸味⇒五臓の「肝」が好む味
酸っぱい味で、筋肉などを引き締める
収れん作用がある
☆苦味⇒五臓の「心」が好む味
苦味の味で、炎症を消し、
固める作用がある
☆甘味⇒五臓の「脾」が好む味
甘い味で、緊張をゆるめる作用、
味を中和する作用がある
☆辛味⇒五臓の「肺」が好む味
辛い味で、身体を温め、
発散させる作用がある
☆鹹味⇒五臓の「腎」が好む味
塩辛い味で、やわらげる作用がある
まずは、旬の食材を取り入れた
日本の伝統的な和食(一汁三菜)で、
腹八分目から始めてみてください!