インフルエンザ同様冬に猛威をふるうノロウイルス感染性胃腸炎。流行のピークは1〜2月…今から注意が必要です。だいぶ長文なので興味ある人だけ読んでくださいませ!

では、いきますよー

どうやって感染するか?
*感染した人の吐物や便に触った手指を介した「接触感染」
*吐物や便を処理する際や、勢いよく嘔吐した人の吐物から舞い上がった飛沫を吸い込むことによる「飛沫感染」
*残った吐物や便が乾燥して小さな粒子になったものが空気中に舞い上がり、それを吸い込むことによって感染する「塵埃感染」
ウイルスに汚染された食品(特に二枚貝)を食べることによる感染

潜伏期間
約12~48時間

☆症状は?
嘔吐、下痢、腹痛、37〜38℃の発熱
子どもや高齢者は重症化しやすいため、ぐったりして水分がとれないとかおしっこの量が少ない場合は即病院へ!!

どのくらいで治るか
1〜2日間程度

☆下痢止めは飲まないで
下痢としてウイルスを体内から出す必要があります。ウイルスが出ていけばだんだんと改善しますので、症状のある数日間、脱水にならないようにすることが最も重要です。

嘔吐や下痢がひどい場合は経口補水液を飲む
嘔吐や下痢がひどい場合は水分だけじゃなく、体内のナトリウムやカリウム(電解質)が失われますので経口補水液による脱水対策が大切です。経口補液用の電解質液としては、市販の「OS‐1」や「アクアライト」などがあります。

スポーツドリンクはNG
スポーツドリンクも「電解質液」ですが、汗で失った水分と電解質を補う目的で作られているため、嘔吐や下痢の場合の補水液としては使えません。逆に血液の電解質濃度が低くなることがありますので嘔吐や下痢の時は与えないようにしてください。

経口補水液の与え方(小児の場合) 
嘔吐直後は与えず、15分くらい時間を置いてから与えてください。嘔吐が激しい時は胃の動きが活発になっているため、経口補水液をたくさん与えると、せっかく飲んだ水分を吐いてしまいますので少しずつ少しずつ与えるようにします。吐き気が強い場合はスプーンやスポイトなどで、5分おきに5ml程度、ちびちび、ゆっくり、休みなく飲ませてください。吐き気がおさまってきたら少しずつ量を増やしましょう。水分摂取量は1日に体重1kgあたり50mlはほしいところです。

経口補水液を嫌がる場合

お茶や水は飲むけど経口補水液は嫌がるという子もいます。そんなときは、野菜ジュースや野菜ゼリー、塩を入れた薄味のスープやおかゆなど組み合わせて与えてみてください。野菜ジュースでカリウム、塩でナトリウムが摂取できます。


予防方法
*食事前、トイレの後、調理前後は、石けんでよく手を洗い、流水で十分に流しましょう。
貝類をその内臓を含んだままで加熱調理する際には十分に加熱して調理し、貝類を調理したまな板や包丁はすぐに熱湯消毒しましょう。
*吐物や便を適切に処理しましょう。
[適切な処理方法]
(1)床などにある便や吐物を処理する時は、使い捨ての樹脂製(ビニールなど)手袋とマスク、エプロンを着用してください。また、処理する時は、換気を十分に行ってください。
(2)便や吐物は、使い捨てのペーパータオル等で、外側から内側に向けて、ふき取り面を折りたたみながら静かにふき取ります。
(3)ふき取った便や吐物は使用したペーパータオル等と一緒に、ウイルスが飛散しないようにビニール袋に入れて
口をしっかりと縛って密封し廃棄してください。この時、ビニール袋には、あらかじめ廃棄物が十分に浸る程度に0.1%次亜塩素酸ナトリウムを入れておきます。
(4)便や吐物を処理した後の床などは0.1%次亜塩素酸ナトリウムをしみこませたペーパータオルで覆います。10分程度おいて、水で濡らしたペーパータオル等でよくふき取ってください。ペーパータオルと手袋はビニール袋に入れて口をしっかりと縛って密封し廃棄してください。
(5)便や吐物で汚れた衣服や器具などは、ウイルスが飛散しないように汚物を処理し0.02%次亜塩素酸ナトリウム消毒剤に浸け置きした後、よく洗濯・洗浄してください。感染していない人のものと分けて洗濯しましょう。
(6)ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので吐物や便は速やかに処理し乾燥させないことが重要です。
(7)処理した後の手洗いとうがいは特に念入りに行ってください。
(8)嘔吐した場合は口の中をよくすすいでください。せきやくしゃみなどによりほかの人に感染させる可能性があります。また、使った流し(水槽内)や水栓をよく掃除してください。 

[ノロウイルスに有効な消毒液]
塩素系消毒剤である次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効です。市販されている次亜塩素酸ナトリウム製剤はミルトン(1%濃度)、ハイターやブリーチ(5%濃度)、ピューラックス(6%濃度)があります。
[消毒液の作り方]
*0.1%消毒液
原液濃度 1%の場合→原液10ml+水100ml
原液濃度5%の場合→原液10ml+水500ml 
原液濃度6%の場合→原液10ml+水600ml
*0.02%消毒液
原液濃度1%の場合→原液10ml+水500ml
原液濃度5%の場合→原液10ml+水2.5L
原液濃度6%の場合→原液10ml+水3L

500mlのペットボトルのキャップ(ふた)は約5mlの容量です。計量カップ等がない場合は、これを用いて希釈できます。
(例) 原液が5%の消毒剤を希釈する場合
*キャップ2杯(約10ml)の消毒剤原液を、ペットボトル1杯(500ml)の水に加えれば、50倍希釈となり0.1%の消毒液ができます。
*キャップ半分弱(約2ml)の消毒剤原液を、ペットボトル1杯(500ml)の水に加えれば、250倍希釈となり0.02%の消毒液ができます。

※消毒液の入ったペットボトルは、誤って飲むことがないないように、消毒液であることをはっきりと表示してくださいね!