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赤 あか
あのね、私なんかは、貴方が何故持っているのかとね、多少。
天国におはじきを持って行き損ねましたね、彼女は。まあ、脳髄は既に灰と化していますが。
梅の木を見ていたのです。産めという意味だったのでしょうが、もう産めはせず、そう言えば、不動明王様の入れ墨を頭に入れたいのですが。先生はお若く、先生の背中に観音様が笑っているのを知っているのですよ。
このおはじきを水飴の様だと言って喜んでいました。いつもこのがま口に入れて、私に笑顔で見せてくれたのです。最期まで大切にしておりました。
幻覚ではないでしょう、あの火葬の日、見たあの子は、血など流しておらず、肌も綺麗に、
お母さん、有り難う、と笑って手を振っていました。なのに何故毎晩、襖の向こうで殺してやる等と騒ぐのでしょうか? 煌々と蛍光灯が点いているにも関わらずです。
M.Y