アンニョンハセヨ~
気になっていた作家の一人、ノ・ヒギョン先生の作品を初めて視聴しました。
済州島を舞台にしたほのぼの系ヒューマンドラマなのかと思っていたら、予想外に脂っこい作品でした
最初は「マイヤンが多くて苦手かも……」と思いながら視聴していましたが、彼らの泥臭い生きざまに引き込まれて、何度も泣いて、20話あっという間に完走しました。
※画像は公式ポスター(namuwikiをスクショ)
■視聴時期
2023年9月
■お気に入り度(5点満点)
★★★★
■視聴方法
Netflix(全20話)
■放送開始年
2022年
■放送局
tvN
※以下はあくまでもkabo個人のたわ言です。ネガティブ感想もありますのでご容赦ください。
※以下よりネタバレありです。
【 満足点・共感点】
●オムニバス形式の群像劇で見やすい
メインテーマとは異なるエピソードを段階的に入れたプロローグが、特に好きでした。
それぞれの人生を「ブルース」に例えたタイトルと、OP映像も素敵。
●美談だけではないコミュニティ
済州島で生きることの美談だけではなく、閉鎖空間の息苦しさもきちんと描かれているのがよかったです。
JKのヨンジュが、海ではしゃぐ修学旅行生や、島民のコミュニティにうんざりしている気持ち、よくわかります。
●沁みるセリフ
・何も期待しない、受け入れるだけ(byサムチョンの2人)
・幸せとは、見つめ合って笑うこと(byウンギ)
●俳優たちの圧巻の演技力
だれも彼もが、実在する人のようなキャラクター描写で、特にイ・ビョンホンすごい……と思いました。
拡声器のアナウンスだけでも、笑えて泣けて感情が大忙しでした。
●OSTもオールキャスト
俳優もオールキャストだったけど、OSTアーティストも知っている声が多かった!
視聴後の今、どの曲を聴いても各シーンが思い出されて泣けます
特にお気に入りは『The Last(最後の君の挨拶)』とスペシャルOST扱いでアルバム未収録?の『私たちのブルース』(イム・ヨンウン)。
●キム・ウビンが超素敵
存在は知っていたけどこれまで全くノーマークだったので、うれしい誤算でした
韓国の俳優さんて、写真だけ見たときはピンとこなかった人も、動くと一気に魅力的になりますよね!
加えて、ハンスの高校生役だったキム・ジェウォン氏も、『キング・ザ・ランド』のときよりも1000倍素敵だった~
食パンのような四角い肩幅最高です
【モヤモヤ点・不満点】
●各エピソードの着地点
物語もキャラクターもOSTも最高でしたが、各エピソードの着地点が予定調和すぎて、辟易してしまうことが多かったです。
力業の解決方法に共感も納得もできないパターンが多く、「えっ、なんでそうなるの……?」と、とても残念な印象を抱いてしまいました。
せっかく、善悪だけではない多面的な人の生きざまが掘り下げられていたのに、最後は全員がめでたく善人になってしまい(平和運動会イラネー)、ラストシーンは興ざめでした。
ハンスは何事もなかったように現れたけど、借金返して弟妹と和解したの?
そして、ドンソクには申し訳ないけど、ソナは元夫とヨリを戻したほうが生々しくてよかったなー。
以下、ネガティブ感想も含めて、各エピソードの感想をちょっとずつ備忘録します。
●ハンスとウニ「旧友との木浦の思い出」
一番感情移入して、ハラハラドキドキしたエピソードでした。
特に木浦に向かう船のシーンとか、もうどっちも辛すぎて見ていられなくて、視聴中断したほどです
いつもは男勝りのウニが、港での待ち合わせの時に「女」の表情になっていたのが生々しくて、イ・ジョンウンさんさすが!
この時だけメイクも違ったし、ピアスもしていて、演技力に加えてキャラクター演出もすごいなと思いました。
余談ですが、ハンスが爪が剝がれている足を客に踏まれたシーン、すごく痛そうだった(同じく、ドンソクがラーメンをこぼして熱がるシーンも。2人とも韓流スターのオーラ消滅ですごすぎ)
●ヨンオクとジョンジュン「船長と海女の駆け引き」
最初は、ヨンオクのことを福田和子的な人種だと思って、どんなトラブルメーカーになるのかしらと楽しみにしていたら、まさかの展開で驚きました。
ヨンヒの登場が、もったいぶった演出だったのはモヤモヤしましたが、最後の絵のシーンは、二大号泣シーンでした(もう1つはドンソクの動画撮影)
そして、なんといってもキム・ウビン氏が演じる船長が超素敵で、この作品の満足度を爆上げしてくれました
騒がしいキャラクターばかりの作品の中で、冷静で静かな話し方のキャラが際立っていて、丸太のような二の腕に釘付けでした
色気もすごかったです!
しかし、あのバスの設置目的(?)がよくわからず。トイレも水道もなさそうで不便そうだけど……。
あと、バスの中に心の内を落書きする行為も理解できず……。
●ヨンジュとヒョン「ロミオとジュリエット」
●イングォンとホシク「元賭博師と元暴力団員」
高校生カップルの純愛は微笑ましくて、演じた2人もすごくよかったけど、高校生の出産のほうが「正義」で、反対する父親のほうが「わからずや(悪)」のような描き方はちょっとなーと思いました。
でも、最終回で、この2人の子がオクドンの死との対比になっていたので、物語としては納得できました。
ヒョンはソウル大医学部目指して、ユルジェ病院で働くんだよね(作品違うw)
●ドンソクとソナ「忘れられない過去の傷」
ドンソクのキャラは、イ・ビョンホン氏が演じていたからこそ、それなりに清潔感や好感度がありましたが、かなり面倒なキャラでしたw(でも高校生役の子は、若さゆえか文句なしによかった!)
ソナに対して隙あらば「ワンチャン」という言動も、イ・ビョンホン氏のおかげで微笑ましく映ったけど、冷静に考えるとちょっと……・。
対するソナも面倒くさい&天然(を装った計算?)でドンソクを利用しているメギツネ感が苦手でした。
●ミランとウニ「義理で結ばれた友情」
着地点が最も納得できなかったエピソードでした
女の友情あるあるは、それなりに共感できましたが、結局、ミランのこれまでの言動はその人間性によるものなのに、「義理」というふんわりした力業で簡単に解決してしまうのはどうなんでしょう。
結局、ウニがこれからも我慢を強いられるだけじゃないの??
あと、周囲もミランを持ち上げておきながら、実は面倒くさいと思っていたところはリアリティあったけど、それは逆にミランが可哀そうでした
●チュニとウンギ
洗面器の練習で、ラッシュガードを着るウンギがひたすらかわいかった
そして、大人の思惑で嘘をつかされたり、ハルモニの感情のままに荒っぽく扱われたウンギが不憫で
それにしても、韓国では小さい頃から年長者への丁寧語教育が躾けられているとは、びっくりしました。
最後は奇跡の回復がファンタジーすぎてシラけたので、息子のケガはもう少し経度でもよかったような……。
●オクドンとドンソク
この作品のハイライトとして、文句なしに素晴らしかったです!
韓国ドラマらしいこってりした親子愛エピソードで、展開もほぼ読めてしまうのに、2人の演技がそれをはるかに上回って、各シーンで号泣でした。
特に、山で動画撮影のシーンは、イ・ビョンホンの演技+リピート再生する母と相まって、神がかっていました
ほかにも、モーテルの窓から車で眠る息子を見る母、ジャジャン麵を混ぜてハサミでカットする息子、息子が船の窓に書いた文字を愛おしそうに見る母、テンジャンチゲ……、挙げればキリがないほど泣きました
最後まで息子に謝らなかった母の気持ちを理解することはなかなか難しかったけど、その時代に早くに両親を亡くし、お金も学もない未亡人は、息子に「食事」「勉強」を与える方法がそれしかなかったという事情は理解できました。
週末はいよいよチョン・ヘイン氏のペンミです(良席でした!)
握手会当たれーーーー
ではまた