アンニョンハセヨ~ニコ

 

本作は、2年前に韓国ドラマを見始めた当初から認識していましたが、単なるお受験ママのマウントドラマだと思ってスルーしていました。

 

でも、以前『韓国カルチャー』下矢印を読んでからすっごく興味がわいて、このタイミングでようやく開封。

 

 

 

超メシウマ作品なのに共感できる要素もたくさんあって、とても楽しめました爆  笑爆  笑爆  笑

 

 

※画像は韓国版wikiより公式ポスター

 

■視聴時期

2022年10-11月

■お気に入り度(5点満点)

★★★★

■視聴方法

アマプラ(36話)

■放送開始年

2018年

■放送局

JTBC

 

※以下はあくまでもkabo個人のたわ言です。マイナス点も挙げていますのでご容赦ください。

※以下よりネタバレありです。

 

 

 

■満足点・共感点

 

1.下世話ネタは楽しい!

 

建前は「ドロドロ系は苦手不安」と言いつつ、観るとやっぱり面白いグラサン

 

受験情報の駆け引きとかマウント合戦とか、メープルシロップとか、半笑いで楽しく視聴できました爆  笑

 

特に前半は、ほぼ共感できない人たちの化けの皮が剝がれる喜劇が、メシウマ的に面白かったです(*^。^*)

 

笑いのピークは、髪のつかみ合いや取っ組み合いが繰り広げられた、大人たちの激しいファイティングシーンでした。

 

これまでのキャラクターやセリフが見事に回収されていて、練られた脚本と演出に拍手拍手拍手

 

後半は一転して、イェソ母が警察に真実を話すか葛藤するシーンは、それまでの彼女の振る舞いを忘れて感情移入してしまうほどでした。

 

15年間、4時間睡眠で努力してきた娘とそれを見守ってきた母の姿に、不覚にも涙がぐすん

 

思い起こすと自分の友人も、数年前にそれぞれの子どもたちの中学受験が重なった年がありました。

 

当時みんなで集まると、受験組が腹の探り合いでピリついたり、息子が難関校に受かった友人のドヤドヤした顔がめちゃくちゃ怖かったけど、我が友たちもSKYキャッスル母たちのようにもがいていたのかもしれませんね不安(とはいえ、傍からその雰囲気を見ている分には楽しかったw)

 

 

 

2.学歴社会と入試制度の変化

 

登場するエピソードの多くは、実際の事件やスキャンダルがベースにあるようです。

 

かなりデフォルメされているとは思うけど、改めて韓国の学歴社会の闇を垣間見た気がしました。

 

前出の本によると、暗記学習脱却のために、ポートフォリオを取り入れたAO試験制度が始まったのは2000年代に入ってからとのこと。

 

ソウル大学や延世大学に通っていた「応答せよ」シリーズや「賢い医師生活」のキャラクターたちは、これより前の“暗記勉強”世代にあたるようです。

 

今回のイェソ父は、「応答せよ1988」のメンバーとほぼ同世代で、中高生のときは、教育の平等化のために塾や家庭教師が法で禁止されていた軍事独裁政権時代。

 

でも、イェソ祖母の発言によると、そんな時代でも富裕層は水面下で家庭教師をつけていたんですね。

 

それと、前述した「15年間4時間睡眠」のくだりでは、「ミセン-未生- 」を思い出しました。

 

チャン・グレと同期のインターンは、睡眠時間を削りながら人生の大半を勉強に捧げてきた人たちでした。

 

彼らのことを思うと、その努力や犠牲が報われるべきだと思うし、とはいえそれが正しい社会とも思えないし、難しいですね。

 

もう30年も前のことだけど、第二次ベビーブーマーの自分は受験が本当に大変で、就活では氷河期だったから、個人的には彼らの気持ちにすごく共感できるんです(さすがに4時間睡眠なんてことはなかったけどw)。

 

 

 

3.「真ん中」が一番良い

 

皆さんアクが強かったけど、癒し&笑い担当だったジニ家が大好きでした。

 

オ・ナラさんの、少し下品で愛情深いキャラクターが最高だったwww

 

信念がないというところも、小心者で常にブレブレの自分には共感ポイント!

 

そしてわたしも常々、ひっそりと普通に生きていきたいと思っているので、「ピラミッドの真ん中が一番良い」には大賛成(^O^)/

 

まあ今の時代、その“真ん中”にいることが難しいんですけどねニヤニヤ

 

勉強の合間に「1分だけ」と言ってベッドでスハンを抱きしめる姿が、ヨンジェ母が生前に配った聖母子像と同じシルエットだったのもポイント!

 

この母子が最も無意識&自然に、物語のメッセージを体現していたように思います(家出騒動はあったけど)。

 

 

 

4.動機は「ずるい」

 

キム先生の悪事の動機も、単なる劣等感や妬みによるものでした。

 

もっと大規模で組織的なものが背景にあると思っていたので、拍子抜けした感はありましたが、日本語字幕の「ずるい」が生々しくて、むしろ説得力がありました。

 

惜しむらくは、個人規模のの犯行ゆえ、犯罪の手口が浅はかでアラが多すぎw

 

そういえば、秘書の視線は匂わせが多かったけど、特にこれといった行動はありませんでしたね。

 

彼も思うことは多々あれど、豪華なマンションをゲットできたわけで、結局お金に勝るものはないという風刺用のキャラだったのでしょうか?

 

 

 

■モヤモヤ点・共感できなかった点

 

すごく面白かったドラマですが、けっこうモヤモヤした点も多くて、満足度を★3つと4つで迷いました。

 

 

■スイムのキャラクター

スイムの戸惑いや驚きを通じて、視聴者が奇異な世界を疑似体験する役割だと思ったんですけど、彼女のキャラクターに最後まで感情移入できなかったです。

なんでだろ。あまりにも正論ばかりで、人間らしさがないから??

童話作家や小説を書く設定も、物語上でイマイチ活かしきれていなかったような気がする。

 

■ソジンとヘナの関係

いくらヘナがヤリ手でも、娘と同じ高校生の小娘に対してあの仕打ちはひどすぎて引いたガーン

物語的には、彼女の死によっていろいろなことが丸く収まった感があり、もしヘナが生きていたらあんな平和な終わり方はありえないと思うので、なんかモヤモヤする。

 

■イェソ祖母が変わるわけない

全体的に平和な終わり方であっけなかったけど、まあそれは良しとしましょう。

でもさ、あの家族において元凶の祖母まで改心するのはちょっとやりすぎおいでおいでおいで

結局世間の価値観も社会構造も変わらない、また第二のキム先生が現れるし、それを求める親もいなくならない、って終わり方だったのに、物語上ではその象徴ともいえる祖母まで変わるのはちょっとね……。

 

そういえば終盤でイェビンの「それならおばあちゃんが医学部には入ればいいじゃん」には笑った笑い泣き笑い泣き笑い泣き

あの子役の彼女、「ラケット少年団」でもすごく印象的だったけど、めちゃくちゃ演技が上手で、今回も何度もびっくりしました。

 

 

■顔の圧がすごい

女優さんたちの、お直し感いっぱいの顔圧がすごくて、最初はちょっと食あたり気味になりました(汗

演出も顔圧の強調に凝っていて、かなりクドかった(むしろそれが面白かったけどw)

 

 

■長い&中だるみあり

オリジナルは約80分×全20話だそうで、けっこう長く感じたなー。

我を忘れてイケメンにキュンキュンできるシーンが少なかったから?

ちなみにウジュが一番良かった飛び出すハート(彼はアイドルなのね!)

スイムがキム先生のことを探り始めるあたり、やや中だるみを感じてしまい、途中で映画視聴をはさんだこともあって、いったん視聴を中断しました。

ヘナの事故のシーンあたりからまた面白くなり、後半はハイペースで視聴しました。

 

 

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もうすぐ韓国ドラマ歴2年になるんですけど、本作のように、最初の頃に気になったまま観ていない作品もたくさんあるので、過去作も再度チェックしようと思いますルンルンルンルン
 

ではまたバイバイ