アンニョンハセヨ~
以前で書いたように、気になっている超有名旧作がいくつかありまして、ちょうどU-NEXTで配信していた本作を開封してみました(日本版は未視聴です)。
一言でいうと、「野島伸司脚本の火サス」って感じ
なにしろ18年も前の作品なので、いわゆる昭和の大映ドラマ的な設定や展開のオンパレードで戸惑いの連続。
第一次韓流ブームの際に冬ソナを視聴したものの、ハマレなかった違和感を思い出しました(汗
よって、フラットな評価ができず採点不能としました。
今回は「ミサ廃人」になる気満々で最終回の翌日は有休を取得しましたが、残念ながらハマれずに終わったので、俳人になって一句
第一次 ブームの作品 ほどほどに(詠み人:不幸テロには食傷気味)
今回は、18年も前の作品にツッコミを入れるのも野暮なので、ソ・ジソプさんがいかに素敵だったかという興奮と、作品を通じて感じた韓国の制度についての備忘録が中心です。
もしご興味がある方はお進みください~
※画像はTBSチャンネルウェブサイトより
■視聴時期
2022年8月
■お気に入り度(5点満点)
旧作のため採点不能(主役2名への満足度は★★★★★)
■視聴方法
U-NEXT(16話)
■放送開始年
2004年
■放送局
KBS
※以下はあくまでもkabo個人のたわ言です。マイナス点も挙げていますのでご容赦ください。
※以下よりネタバレありです。
●主役2人のキャラクターパワーすごい
最大の満足点はこれに尽きます。
とにかく主役2人のキャラクターパワーがすごかった
ムヒョクとウンチェへの没入感が、ストーリーの不自然さを緩和して完走へ導いてくれました。
特にムヒョクを演じたソ・ジソプさんの引力がすごくて、彼の目の演技だけでムヒョクの壮絶な人生が痛いほど伝わってきた……
オンマのラーメンを食べた後の別れの挨拶シーン、圧巻でした
キャラクターと演技に加えて、元水泳選手らしい胸板と肩幅がめっちゃ好みだったことも報告いたします(水泳シーンとかタンクトップ姿とか、ほんとにかっこよかった)
もしかしたら18年前(日本放送は17年前?)にこの作品を視聴していたら、もっと早く韓流沼にダイブしていたかもと思えたほど素敵だったなー
そして日本のファンミでOST「雪の華」を歌うYouTube動画を発見して、さらに大興奮
十数年前、あの空間にいた方々は、ウンチェのセリフのように、たった一度の美しい思い出で一生を過ごしていけるほど感激しただろうなー。羨ましいZe
そうそう、この曲が韓国でカバーされていたことも今回初めて知りましたが、作品の世界観にピッタリで、ストーリーよりもOSTに泣けたな
最終回だけ女性ボーカルのバージョンだったけど、2人にカバーされたのかな?
そして、ウンチェ役のイム・スジョンさんは、「恋愛ワードを入力してください」のときは全然ピンとこなかったけど、今回はその透明感に圧倒されました。
1つ前の「浪漫ドクター キム・サブ」の駆け込み視聴で中断している「シカゴ・タイプライター」でも、すごく魅力的だなーと思っていたところだったので、視聴再開が楽しみになりました
ウンチェも魅力的なキャラでしたが、後半でムヒョクとユンの間を行ったり来たりしていたくだりは、いまいち感情が追いつかず。
ユンも気持ちがブレブレでしたけどね
●韓国の海外への養子縁組制度
自分がこの作品で一番気になったパーツはこれでした。
主役2人、特にムヒョクに感情移入できたのは、韓国の海外養子制度に衝撃を受けたからです。
朝鮮戦争の孤児を発端に始まった、韓国における海外への養子縁組制度について、まったく知らなかった……。
80年代が最も盛んだったらしいけど、80年代ってわりと最近ですよね……(自分的にはw)。
自分が小学生くらいの時に生まれた隣国の子たちの中で、もしかしたらムヒョクのような人生を送った子がいたかもしれないと思うと、とてもフィクションとはわりきれず
前述したように、ストーリー自体はあり得ない展開ばかりでしたが、この背景を考えると、キャラクターたちが自分と地続きの世界に実在しているような錯覚に陥り、感情移入がひどかったです
毎度思うけど、韓国ドラマを通じて初めて知ることがありすぎて、隣国への無知を痛感します……。
“Kドラあるある”の「生き別れ」「児童養護施設」などは、単なるドラマ用の設定ではなく、儒教の国ゆえに起こり得る事実が根底にあったとはショックでした。
日本の作品だと「人間の証明」「ゼロの焦点」などが、時代の犠牲者となった子と母の物語でしたが、それらは自分にとってははるか昔の時代設定だったから、どこか他人事でした。
そういえば、オーストラリアへの養子といえば「恋愛ワードを入力してください」のモゴン(チャン・ギヨン)もそうでした(イム・スジョンさん、両作品で同じ境遇のヒーローとのラブストーリーだ!)。
モゴンはムヒョクより10歳以上も下の設定だったけど、その間シングルマザーを取り巻く環境は変化してないということか……。
モゴンの場合はオーストラリアの里親に愛されて育ったようだけど、実際はどんな境遇が多かったんだろう。
最終話のエンドロールでほんの少しだけ映った、ムヒョクが里親に追い出される数カットに胸が詰まりました。
の本で、マイリストの未視聴作品「ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です」が、海外への養子縁組がテーマの1つであることを知ったので、視聴意欲が高まりました!
●放送当時の韓国が気になる
作中で、ムヒョク姉が路上でキンパを売るシーンがあり、2004年時点での実際の様子なのかが気になりました(少なくとも同時期までに、自分の生活圏内で見かけたことのない光景なので)。
彼女たちが住んでいた場所も「タルトンネ」(坂の上の貧民街)だったし、日韓W杯後の2004年の時点でも、豊かではない層の生活はあんな感じだったのかな??
●大物俳優のオンパレード
自分が視聴した作品からの覚書。
●ムヒョク姉(チョン・ヘジン)
「恋愛ワードを入力してください」で、イム・スジョンさんと再共演だったとは!
●ユン(チョン・ギョンホ)
「賢い医師生活」のジュンワン、この時代から第一線で活躍していたんですね!!
このドラマで心臓移植をしたから、CS(胸部外科)の医師になったのかな(←作品が違
●オ・ドゥリ(イ・ヘヨン)
「無法弁護士」は、ヘヨンさんや「砂時計」のチェ・ミンスさんなど、大ヒット作に出演していた大物俳優集結作品だったことがわかりました。
●ウンチェ母(キム・ヘオク)
「TWO WEEKS」「キム秘書は、いったいなぜ」「プロデューサー」とは全然イメージの違う、庶民派オンマ役でした。
今回は、物語的には特に重要な役ではなかったですね。
●ストーリーについて少しだけ言いたい
18年も前の作品にあれこれツッコむのは野暮だと言っておきながら、これだけは言いたい。
ウンチェ父が諸悪の根源
忖度なのか保身なのか知らんけど、彼の身勝手な行動がなければ、ここまで不幸の連鎖にはならなったはず……。
途中でそう思い始めてから、イライラが止まらなかったです。ほんとに何なの、この人
オ・ドゥリが、亡くなった我が子の代わりに養子を迎え入れると言い出したとき、すべて話せばよかったじゃん。
そのときはまだ双子が、国内の養護施設にいたかもしれんよ。
あとさ、ユンを養子として迎え入れたとき、オ・ドゥリは未婚ではなかったの??
世間には実子として発表していたのなら、それもまた辻褄合わなくない??
その時、都合よく誰かと結婚してたの??
ほかのトンデモ展開は目をつぶれるけど、この部分は物語の根幹だから、もう少し矛盾のないようにしてほしかった
(--〆)
ドラマの中で何度も出てきた「因果応報」というキーワードが、まさかウンチェ父で回収される(娘の死)とは思いませんでした
この作品の真の主役は、ウンチェ父だったのかな
ごめんなさい、もう1点!
心臓移植はドナーの死後でも可能なの??
「賢い医師生活」では脳死患者から移植していたような記憶が。
しかも、韓国の制度はわからないけど、今回のように生前に自分が臓器提供する人を決められるなら、「死」と直結する臓器売買ビジネスが成立してしまうのでは……。
最後は愚痴になっていまいましたが、儚さと切なさが漂う、退廃的な世界観はかなり好みでした。
自分の殿堂入り日本ドラマ「この世の果て」に、これまた殿堂入り「白線流し」を少し足したような感じ
このあとは「シカゴ・タイプライター」へ戻ります
ではまた