アンニョンハセヨ~ニコ

 

「月が浮かぶ川」は、半年前からとても楽しみにしていた作品だったのですが、勝手にハードルを上げすぎてしまったせいで、微妙な感想になってしまいましたちょっと不満

 

でも、新たなイケメンを発見できたので満足ですおねがい

 

※画像はBS番組公式より

 

■視聴時期

2022年4月

■お気に入り度(5点満点)

★★★☆(3.5)

■視聴方法

BS(全22話)

■放送開始年

2021年

■放送局

KBS

 

※以下はあくまでもkabo個人のたわ言です。マイナス点も挙げていますのでご容赦ください。

※以下よりネタバレありです。

 

 

 

 

 

 

 

■満足点・共感した点

 

1.美しい武闘派ヒロイン

 

主役は「時代劇の女神」の異名をもつ、キム・ソヒョンちゃん。

 

自分の視聴作品も、時代劇は「太陽を抱く月」「トッケビ(高麗シーン)」「ノクドゥ伝」に続いて4作品めで、現代劇は「あなたが眠っている間に」のみ。

 

今回は王女ピョンガンと、その母である王妃の1人2役で、かつ王族や刺客、軍人などさまざまなシチュエーションや衣装の七変化があって楽しめました。

 

特にアクションシーンは、朝鮮王朝ものとは違ってダイナミックで、乗馬しながらの殺陣シーンとかめちゃくちゃかっこよかった!

 

王妃に矢が刺ささって倒れたたシーンは、「トッケビ」の高麗シーンそのもので、あえてパロディ狙いなのかと思いましたw。

 

 

 

2.伝承のエピソードが効いた脚本

 

物語の開始年は561年の高句麗で、新羅、百済との三国時代。

 

中央集権国家の朝鮮王朝とは異なり、高麗(「麗<レイ>」の時代)と同じように、複数の有力豪族がしのぎを削っていた時代のようです。

 

本作でも、国内では5部族が表向きは協調路線を装いながら対立し、モヨンのように新羅のスパイも紛れたりして、物語のスケールが大きい印象。

 

以前購入した韓国時代劇ガイド本では三国時代についての情報が少ないので、単純に物語の展開が読めないことや、朝鮮王朝とは異なる王族の衣装にワクワクしました。

 

そもそも王女ピョンガンとオン・ダルの物語は、朝鮮半島最古の歴史書「三国史記」に記載された実話に基づいた伝承(?)で、今回のドラマはそこから着想された完全なフィクションとのこと。

 

視聴後に、モチーフとなった「ピョンガン王女と馬鹿のオン・ダルの物語」の概要を確認したら、ドラマ内にその物語のエピソードがちゃんと散りばめられていて、脚本すごい!と思いました。

 

「ピョンガン王女と馬鹿のオン・ダルの物語」は韓国人ならだれもが知っている昔話らしいので、それをわかったうえで視聴したらより楽しめたと思います。

 

 

3.ナ・イヌが超イケメン

 

この作品を最初に知ったのが、昨秋「麗」を視聴した直後でした。

 

同作の第14皇子の好演でお気に入りとなったジス氏が、そのときはすでに降板が決定していたので残念でなりませんでした(被害者がいるスキャンダルなので、不謹慎な発言となりすみません)。

 

ところが、イケメンのパワーってすごいですねwww

 

1話からナ・イヌ氏の群を抜いたイケメン具合に度肝を抜かれた単純なワタシ\(^o^)/

 

王女の笠をクイっとして覗き込むカメラアングル、めっちゃ最高でしたラブラブラブ

 

こんなイケメン、今までどこに隠れてたの??ってくらい衝撃だったな。

 

ジス氏とは全然タイプが違うので、比較の余地がないどころか、ビジュアル的には圧倒的に優れていて(個人の価値観です)、代役のキャスティングとしては大成功だったのでは(実際に評判よかったみたいですし)。

 

しかし気になったのは、顔の黒さとキスシーンです。

 

顔の黒さは山育ちキャラを演出するメイクだと思うのですが、そのせいで歯の白さが際立ちすぎていたw

 

そして唇を突き出したぎこちないキスシーンは、最初は“田舎育ちの純朴青年”の演出かなと思ったら、最後まで変わらなかったので残念!

 

これだけイケメンで華があるんだから、今後のためにもキスシーンは要練習ですね!(上から目線ですみません)。

 
 

4.安心感のある王道設定

 

史劇経験値は数えるほどしかない自分でも、「あ、このパターンね」と思えたほど、王道のファンタジーロマンス史劇でした。

 

「王道」と思えたパターンは、

 

・ヒロインかヒーローのどらか(orどちらも)が王宮関係者

・ヒロインかヒーローのどらかが、自分の出自を知らない(記憶喪失の可能性が高い)

・ヒロインを一途に愛する身分の高い二番手キャラ(サッドエンドの予感プンプン)

・メインストーリーは権力争い

・メインストーリーの背景には主役どちらか(または両方)の親の死

 

等です。

 

そんな王道のテンプレがいくつも使われていながらも、高句麗という時代背景や、戦の中心が武闘派ヒロインという珍しさで、朝鮮王朝モノとは異なる世界観が良かったです。

 

 

 

5.MVPはコ・ゴン

 

後述しますが、ナ・イヌ氏は文句なしに素敵だったものの、オン・ダル役としては少し物足りない部分があったので、自分的MVPは圧倒的にコ・ゴン様拍手拍手拍手

 

演じたイ・ジフン氏は、「青い海の伝説」では毒にも薬にもならない印象でしたが(キャラクターのせいです)、今回は最初から最後まで素晴らしい存在感。

 

コ・ゴンは、子役の登場シーンからすでに「敵側の人間だけど、ヒロインを慕い続ける二番手」という、史劇においては鉄板のサッドエンドを予感させるキャラクターだったため、そういう目でしか見られなかったというバイアスもあります。

 

聡明さや高い武力に加えて、色気や哀愁も魅力で、ダークサイドに墜ちてからのヤサぐれ感も素敵だった!

 

最期のシーンなんて、予測通りの展開だったのに泣いたえーん

 

ラブラインは、主役カップルよりもコ・ゴン&モヨンのほうが魅力的でした!

 

中盤でモヨンを受け入れた展開が唐突で、王女への愛はどうなった?と少し混乱しましたが、最後に彼の本心が明かされて納得(でも「心の隙間は空けておく」と言ってしまうホスト的セリフww)。

 

イ・ジフン氏の繊細な演技に終始引き込まれて、最も共感できたキャラクターでもありました。

 

 

 

6.カン・ハヌルの存在感すごい

 

子役出身のヒロイン&新進気鋭の若手イケメンが主役のピチピチした作品(?)において、カン・ハヌル氏のベテラン感が際立っていました

 

「スターウォーズ」のオビ・ワンのような重鎮オーラが素晴らしかったです。

 

毎回思うけど、ハヌル氏の実年齢を感じさせないキャラクター作りと演技、本当にすごい!

 

特に処刑される前の、達観の極みのような目なんて、ハヌル氏にしかできない国宝級の演技だと思いました。

 

青年版タルと同時画面で登場したのは1回だけしたが、ジス氏が降板していなかったら「麗」の第8皇子と第14皇子の共演だったのか~と思うと胸熱!

 

 

 

 

6.王様がイケボ

 

王様役のキム・ボプレ氏のことは、「TWO WEEKS」で情けないチンピラ役にしては異様なイケボだったので、めちゃくちゃ印象に残っていました。

もし韓国人俳優イケボ選手権が開催されたら、「マイ・ディア・ミスター」のイ・ソンギュン氏とトップ争い間違いなし!

 

物語前半は王様の情けないシーンが多くて、せっかくのイケボを活かしきれていなくてもったいない!と思っていたところ、後半になるにつれ、王様の威厳にふさわしい重低音が響いて心地よかったです。

 


 

7.僧侶の秘技がカタルシス

 

21話終了後、最終話(22話)の予告で、タルが複数の矢を浴びるシーンが映り、「えーーーー、何そのネタバレ!」ってびっくりしました。

 

だから、戦いが終わって2人で未来の話をし始めたあたりから「ハイ!弓くるよ!」と予想でき、予告通りの展開になって興ざめ。

 

そして、戦いは終わったはずなのに兵士たちの独断で弓を放ったの?という疑問が残ってモヤモヤ……。

 

それでも、棺の見送りシーンは結構泣いた(このエピソードは、伝承にあるらしいです)。

 

そして問題の(?)ラストシーン。

 

乳母幽霊の実績があったので、まさかの幽霊オチかと思って最初は驚愕しましたが、自分的には満足できるラストシーンでした(秘技のことをすっかり忘れていたという理由もある)。

 

実は物語中盤から終盤で「僧侶の存在が中途半端で微妙だな、もっと彼を活かせばよかったのに」とモヤモヤしていたので、ラストシーンで僧侶の存在が伏線回収となり、自分的にはカタルシスがありました。

 

 

 

■モヤモヤ点・共感できなかった点

 

●心理戦が多くて設定迷子

複数の心理戦が同時進行し、チーム編成(?)が目まぐるしく変わったりするので「あれ?この人は今誰と組んでいるんだっけ?」「なんでこの2人は利害が一致したんだっけ?」と思うことがしばしばありました(自分の理解力不足のせいです)。

 

●権力者たちへの感情移入が難しい

上記の設定迷子に加えて、主要キャラたちの目的に共感しづらくて感情移入が難しく、ふと我に返った時に「そもそも彼らはなんのために戦っているの?」という、元も子もない疑問を抱いてしまいましたwww

大好きな「スターウォーズ」シリーズでも、新作になるにつれ、「なんでこの人たちは宇宙で戦っているんだっけ?」と思った感情に近い。

ピョンガンの目的も、民衆のためというより身内のためという印象が強かったし、ほかのキャラクターも身内贔屓ゆえのダブルスタンダードが多すぎて……。

そもそもの時代背景あっての物語だから、そう思うことは野暮なのかもしれないけど、もっと感情移入できるキャラクター描写や展開があれば、そんな違和感や疑問も気にならなかったと思います。

 

●幽霊谷の人たちの巻き込まれ感

世間と隔離されながらも平和に暮らしていた元スンノ部族の人たちをけしかけて、王女が半ば強制的に武器を持たせた展開にどうも納得がいかず。

王女は「私の欲のためにスンノ族の人たちを巻き込んでいる」という自覚があったものの、王女という特殊環境の出自や、刺客経験者というバックグラウンドのせいか、自分の身内以外の人間に対する感情が少し冷徹だったかな。

タルが「人を殺してまでやるべきことなのか」と苦悩した正論に対して、「大義名分ではなく愛する人を守るため」という展開にもっていった根拠も、こじつけっぽく思えて残念でした。

 

●タルが「バカな田舎者」に見えない

ナ・イヌ氏の顔は品のあるイケメンで、白い歯がまぶしすぎる爽やかさ、そして洗剤のCMのような清潔感があるので、「バカな田舎者」と揶揄されるタルのキャラクターとしては少し違うなと感じることがありました。
実際にモチーフとなった昔話でも、タルは醜男で田舎者というキャラクターらしいです。
そう思うと、降板したジス氏はあのヌボーっとした垢ぬけない顔や、素行が悪そうな武闘派の雰囲気(実際に素行が悪かったようですが……)が、少し野蛮だけど純朴で優しいタルのキャラクターにぴったりだと思いました(やっぱりジス版も観たかった!)。
とはいえ、ジス降板の背景がなく、タル役が最初からナ・イヌ氏だったら、こんな感情を持つこともなかったと思うので、フラットな感想ではないですね。
 

●刺客軍団の目的が微妙

軍団の目的や背景が、政治的野望や隣国との関係がある大規模なものかとと思っていたら、単なる個人的な恨みと判明して拍子抜け……。

背後でコ・ウォンピョとつながっていたようだけど、そこも描写不足だったような。

軍団頭の私的目的だけで、よくも部下たちが命をかけてついてきたなと感心しました。

元神官だけあって呪術は得意なようだったから、単にマインドコントロールして使っていただけなのか。

 

●刺客のテモが期待外れ

最初の数話まで、スキンヘッドのコワモテ&視線だけで人を殺してしまいそうな雰囲気がビンビンだったテモ。

キャラがすごく立っていたので「お! マイ・ディア・ミスターのチャン・ギヨン並みに爪痕を残す逸材か!!」と期待したんですけど、だんだん普通の刺客にパワーダウンしてしまい残念でした。

 

●弟がキャラ変しすぎ

父をかばって弓矢を放ったシーンとかすごく良くて、結構お気に入りキャラだったのに、4年間で彼にいったい何があったの?

姉への嫉妬心や猜疑心であることは理解できたけど、唐突すぎてびっくりしたw

 

●字幕が独特

これは作品とは無関係な話ですが、VODサービスではなくテレビの字幕をONにして視聴した初めての作品だったので、字幕の作りがいつもとは違って、独特な印象を受けました。
テレビの字幕はエンタメのためではなく、ユニバーサルの意味合いがあるので、OSTが流れているときは「♪~」が表示されたり、単なる笑い声もちゃんと字幕になるんですね。
特に、Kドラ(韓国人?)でよく見る、呆れたような怒ったような感情の強い溜息が、ちゃんと「ハッ」と字幕に出ていてツボでしたw
そういえば「ハッ」をKドラを初めて聞いたときはすごく違和感があったけど、最近は気にならなくなってきたから、自分もだいぶ慣れたんだろうなー。
 
 
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自分的には、降板したジス版で視聴したかったという気持ちがぬぐえませんでしたが、、急遽代役となったナ・イヌ氏がめちゃくちゃイケメンで魅力的だったので、思わぬ掘り出し物をゲットしたような、お得な気分になった作品でした。

 

WOWOWで録画した「哲仁王后」も楽しみですハート

 

ではまたバイバイ