過去の話をする。
自分がまだ幼児の頃、ものごころがついた頃。
地元商工会のくじ引きで、三等を当てた。
景品は、サラダ油800mlまたはフルーツ缶詰の詰め合わせ。
引き当てた自分は迷わずフルーツ缶詰の詰め合わせを選んだ。
実姉が「サラダ油にすれば家族が喜ぶのにあんたバカじゃない?」と言っていた。
その時はちょうど世界がオイルショックで、石油製品が高値で売られていた。
亡くなった祖父に玄関の外で何回も顔をグーで叩かれた。
エンエン泣きながらも、自分は何も間違ってはいないと思った。
貴重な油よりも、自分にとっては味わった事の無いフルーツと言うものを食べてみたかった。
まだ産まれたばかりの自分にとっては、オイルショックなんてど~でも良い話だった。
食べたフルーツ缶詰は、ほっぺたが落ちるほどおいしかった。
父親にも出来の悪い子供みたいに言われて。
出来の悪い子供として育った、父親に叱られっぱなしで一度も誉めてもらえなかった。
学校の絵画コンクールで何度も賞を取っても何一つ誉められなかった。
それでも屈折せずに、素直な人間に育った。不良が嫌いだった。
少年に成って精神病になり、病院の紹介でアルバイトをした。
その頃にバブルになったが、何一つバブルの恩恵を受けなかった。
ただ、物価が高いなと感じていた程度で、世間がバブルに浮かれていた事も知らなかった。
「バブルがはじけた!」と世の中が騒いでいても、何を言っているのか分からなかった。
子供の頃から感じる事は。
自分はアンチ「反主流」だ。
常識を守るけど、常識とは堅苦しくて退屈でつまらないものだと感じる。
型破りで革新的な思想が好きで、永いものに巻かれろの考え方が嫌い。
当然生きるのに苦労するけど、損したってかまわないと思う。
損得勘定が嫌いだから商売人には向いていない。
全部過去形の話しだけど、自分の過去だから。