職を持っているのは幸せなことだ。
「無職なんて犯罪予備軍だ」と死んだ父親が言っていた。
一日の糧を得るための労働、それは素晴らしい行為だ。
子供の頃、働くだけの一生に憧れた。
それは叶わなかった。
十代で統合失調症になり、無職で居続ける人生に甘んじた。
同級生や父親は「なんで働かんだあ」「働くのが嫌な怠け病か？」と俺を責めた。
それでも泣き笑いの人生だ、悔しいことはごまんとあった。
人生の泥水を飲んで、世間の荒波に吞まれた。
働いて死ぬだけが人生じゃない。
人生の正体は働く為ではなく、徳を積む為にある。
徳には陽徳と陰徳があるが。誰でもわかるように積む陽徳よりも、人知れず積む陰徳のほうがはるかに徳分が高い。
有言実行よりも、無言実行のほうが神様は喜ぶのだ。
それにしても有言実行とは変な行為だ。大勢の野次馬に自分はこれをすると言いふらしてから実行するのだ。
汗水流して稼いだ財産も地位も、あの世には持ってゆけない。
全ての魂が平等に裁かれ、慰安の途に就く。
裸で産まれ来て何も持たずに死んで逝く人間は、
泣き笑いの大切な思い出だけを抱えて旅立ってゆく。
A子ちゃんの行進
ハートフルホットライン / ビデオ戦士レザリオンED