ボランティアアイドル・アン(オートマチックガールズライフル11話) | こころ癒し言葉〜心の進化の為に〜

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心不全直腸がん術後転移してステージ4。
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イラストと詩と小説を書きます。
言葉使い師。魔法使いです。
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インフルエンサーじゃなく、パイオニアになりたい。

南部歴0087年。
カンガルー共和国とペパーミント連邦国による軍事戦争が始まってから2年が過ぎた。両国の一部の政治家たちによる和平協定の政治交渉が水面下で行われています。
夜明け前の空が一番暗い様に、この星の空も暗雲が立ち込めています


リィズ中佐に説得されてアンは戦闘は一切しないと誓わせられてしまいました。もうキム軍曹がアンの中から居なくなった今では。
アンもホッとしているのが本音。
キム軍曹からもらった、アンの分身とも言える「この子」
101式自動小銃(イーワンシキ)も簡単に軍部に返却しました。

その半年の間にアンは基地のアイドル的な存在となっていきました。ある日の従軍慰問パーティで。アンはアイドル歌手の格好をさせられて兵士の観衆の前でアイドル・ソングを歌いました。

カムイ「お客さんに媚(こび)を売りなさい」

勝手にマネージャーになっているカムイ一等兵の命令。

お客さんの大勢の兵士達「ピィーピィー!」
  
「アンちゃーん!こっち向いて!」

  「アン最高!!」

アン「わ、わ、ワタシはアイドルう♪」
  「おカネなんか数えられないわあ♪」

流行りの歌謡曲。
アイドルユニット「PPPアイシャドウ」の「大胆不敵アイドル宣言」
この日の為にアンは猛レッスンを受けたのですが・・・・

リィズ「ダメだこりゃ、恥ずかしくて見ていられん」

フリフリのミニスカートに露出度の高いファッション。

アン「恥ずかしすぎます!カムイ一等兵殿!」

カムイ「マネージャーと呼びなさいコムスメちゃん」
   「アイドルの道は険しいのよ」

アン「私アイドルじゃありませんー!」

カムイ「おだまりっ」
   「ガキは黙って大人の言うことを聞いていれば良いの!」

アン「中佐殿助けてぇ」

リィズ「・・・・」

リィズ中佐は無言で待機詰所に向かいます。

リィズ「ククク、あっはははっ!女といってもまだ子供だな」

観衆の兵たち「アンちゃーん!俺の彼女になってえー!」

ヒュンヒュンッ バシッ

アン「あぃたたたた」

カムイ「お客さん!」
   「アイドルの顔におひねりをぶつけないで下さい!」



半年の間に数多くの戦闘がありました。
アンが親しくなった兵士も未帰還の場合が数多くありました。
死体袋に入れられて帰ってきます。

楽しいひと時。今、生きるか死ぬかの地獄に居る兵士らに。
息抜きが必要なのは、アンでも気がついていました。

アン「アイドルにひざまづきなさーいっ♪」
  「あいあいあいあい愛してるぅーっ♪」


ある日。
リィズ中佐が、もうここに居るのは危険だと告げました。
敵軍ペパーミント連邦軍の大攻勢が予測される。
軍諜報部から全軍に通達されました。

一部の政治家達による必死の和平交渉が押し進められている事は、アンもニュースで聞いて知っていました。


リィズ中佐は軍の備蓄している食料や男物の下着をアンに与えました。女物の下着などこのヤマタカタロウ基地には無いからですが。深緑色ミリタリー・コートもあげました。フードがついている。公共機関の乗り物に乗る為の金銭も分け与えました。
アンは全部を自分の派手なカラーのディバッグに詰めて。

基地のみんな集まる前で最後のお別れをします。
アンだけ軽く敬礼、他の全員は規律正しい敬礼。

アン「アン・ユウリィは皆さんと知り合えて楽しかったです!幸せでした。皆さんの生存を祈ります!さようなら!」

兵士ら「アンちゃん、俺たちのこと忘れないでくれよ」
   「ツライ時はアンちゃんを思い出して俺ら頑張るよ!」

アンの顔が赤くなりました。

リィズ「アン、生きて故郷へ帰れよ」

アン「はいっ!リィズ・ワズマン中佐殿!」

南にあるトンナム国の首都。大都市チョンゴン・シティへ行け。
リィズは言いました。そこならきっと仕事もある筈。戦闘は無いまだ平和な状態です。

アンはトンナム国民。隣国の大国カンガルー共和国と同盟の関係。
内地へ引き返す、負傷兵等を載せる兵員輸送トラックに乗り込む。

アン「皆さんお元気でー!」

走り去るトラックの後部から大声で手を振るアン。
ポニーテールを辞め、ストレートの黒髪を背中まで下ろしたアン。
今までと別人に見えます。
基地の兵士らは、顔を赤らめています。
アンは暑いのでコートを脱ぎ迷彩柄の緑色のTシャツですが。
ノーブラ状態なので大きく発育した胸がはちきれそう。
荷台に居る兵士らは無言で下やあさっての方向を向いている。

むさ苦しい男達の中に居るアンは、魅力的過ぎる様です。

アン「さあ、ファイトよアンっ!」






第四章終了