僕はずっと疑問だった。

なぜ秋元康先生は、2ndドキュメンタリーの主題歌としてこの曲を選んだのだろうか。
そこにどんな想いを込めたのか、とても知りたかった。


もちろん、真意は知る由もないが
こうして雑多な考えを書き連ねておくことで
ひとつのアイデアになればと思い
このブログ記事を書くことにした。

ごく単純に考えて、この曲で歌っていることは
 「アイデンティティの確立」
だと思う。



自分とは何か?という問いが目の前にあって
それを、道行く他人に尋ねてみているのだ。


それは、通常、友達と会話してみたり
本を読んだり、音楽を聞いたり
10代の“多感な時期”にみんな自然とやっていること。

自分とは何か?という疑問は
それほど人間にとって重要だと思う。

アイデンティティの混乱・確立という言葉で表して研究し「アイデンティティ」という言葉を初めて作ったE.H.エリクソンという心理学者は、その意味をこう記している。

-不変性と連続性を持った自己を内面に有しているという自覚・自信-


第一、アイデンティティを日本語でなんと訳すのかはちょっと難しい。自己同一性とか個人性とか…
いやまぁ、結局のところ、自分自身とは何かって悩んだ先に見つかる「答え」みたいなモンでいいのかな…

でも、その結論が「自信」って面白いと思う。
心理学者が大真面目に研究した結果、
人間は12歳頃から、大人になるまでに

「自分自身に自信を持つ必要がある」

って言ってるってことでしょ。

笑っちゃうよね。
当たり前じゃん!って


まぁ、学問てそんなもんだと思う。
みんななんとなくわかってて、それでも説明しろ!って言われたらうまくできないことを
できるだけ正確な言葉にしようって試みのこと
それが学問。


あぁ、話が逸れてしまった。

とにかく人間は12歳頃から大人になるまでに
自分自身はこんな人間だ!ってある程度説明できて、かつそこにプライドを持てるようになるのが
必要なことなんだってさ。


そうだよね。
それまでの小学生では、ゆとり教育!とか言って、みんな同じ教科書で一緒に勉強してたのに、
急にお前は理系か!文系か!とか
急に聞かれて、なんとなく選んで、

そしたら、あなたの長所を教えてください!とか
わけわかんないことを聞かれまくって
自分自身の良さなんてまだぜんぜんわからないのに必死でアピールして…


そんな未来が7割くらいの人には待ってるんだ。


そりゃ聞きたくなるよね
「僕のこと、知ってる?」って。

アイドルになるのだってそうだ。

ちょっとカワイイからって応募しちゃって
急に歌え!って言われても…歌下手だし…
踊れ!って言われても…運動神経悪いし…
っていうか、体育の授業でダンスとか意味わかんないし。
そんなこと言ってたら、なんか知らないけど
私ってダンス上手いらしいし…いいのかな…体力ないんだけど。

そんな感じで夢の中みたいな空気のまま
急に「明日から乃木坂46」とか言われて…

そしたら、あれ?私ってそんなにカワイイの?
えー照れちゃうな…
あーでも、いざ握手会とかやってみたら、私ってそこまで人気はないみたい
やっぱまいやんみたいな顔に生まれてれば
もっと人を笑顔に出来たのかな…
それとも、やっぱこの性格ってアイドルっぽくない?やばいかな…
ちょっと頑張ってみるか!

うえーーい!みんな!個別抱きつき会だぞ!

あー違うな、コレなんか違うわ。
でも、楽しい。みんな優しいし。


そんな風にして
自分自身とはなにかを知っていくんじゃないかな

いや、想像の話だけどね。


「僕のこと、知ってる?」
の歌詞の話に戻ろう。

歌の主人公は、いきなり自分自身とはなにかを悩みだす。

知らない街のどこかに
一人で立っていた
どうしてここにいるのか
僕にもわからない


自分探しの旅なんて出てみたのかもしれない
知らない街では、誰も自分のことを知らなくて
どうしてそんな環境が欲しいと思うのか
それが上手く説明出来ない。
むしろみんなに知って欲しいって思ってたのに
どうして知らない街に行きたくなるのか。

そしてまるで「記憶喪失」みたいに
自分が何かが急にわからなくなる。

どうしてこんなに悩むのかもよくわからないまま
自分は将来なにがしたいんだろうって
めちゃくちゃ悩むんだ。
答えが見つかったところで
叶えられる保証もないのに

青い空は澄んでて
自分自身の小ささを感じる
それが無力で泣きたくなる
不安だ…どうしてこんなに不安かもわからないのに

そして、これが
僕がこの曲を通じて秋元康先生が一番伝えたかったことだと思うところがやってくる

「自分自身とは何か?という問いに答えを与えてくれるのは、自分自身しかいない」

ということ。

そう。
だって、他人はそこまで親身にはなってくれない。
旅人はそれぞれ目的地も違うし。

いや、そりゃね
無責任に回答してくるやつはいるよ
お前はこんなヤツだ!って

それを参考にすることはもちろん良いけど
誰かに似てないかな?って
そんなことを考えてもいい

でも、やっぱり自分で見つけなきゃ意味ないんだと思う。
だってそうでしょ
アイデンティティの確立って結局、自信を持つかどうかってこと。

もちろん、一人で答えを出すことは出来ない
あーーなんか矛盾してるように感じるかもしれないけど

答え、は自分で見つけるしかないんだけど
でも、結局、自分って何?って「他人とどう違うの?」ってことでもあるから。

他人のことも良く知らなきゃいけないし、
ねぇ?私ってどんな人間?ってたくさん聞くことはとっても必要だと思う。

その上で、自分で考えてみる感じ。

個人的な意見だけど
だから齋藤飛鳥は本と海外旅行が好きなんだと思うな。

うへへ、言ってしまった。
まあいいや。


2ndドキュメンタリー映画は、「グループ」に焦点を当てた映画だった。
だからこそ、自分って何だろう
このグループのために何ができるのかな
将来、なにがしたいかな

そんなことをたくさん考えていた。

年齢的にもちょうどそうだよね
別に学校に行ってても同じ。

社会のために何ができるかな?
自分のために何ができるかな?

そうやってみんな悩んでんだと思う
そんで勉強したり卒業したり就活したりして
生きてる

じゃあ乃木坂46は?
乃木坂46で育った子たちは
どんな大人になって
どんな世界で活躍するんだろうね

そんな世界に対して
秋元先生は、

「答えは自分でみつけろよ!」

って言ってるんだと思うなぁ…


2019.09.18  かがやき