・・・そして夜には、ベルシャザル王は殺された。

(ダニエルの書 5:17-31)

 

「メネ(数え)メネ(数え)テケル(測り)ウ・パルシン(分別した)」

とは、バビロニア最後の王・ベルシャザールに対して、神が評価を下した際に、奇跡によって壁面に書き残したとされている文字である。

数えられ、調べられ、そして分別されていく。

聖書に描かれているのも、そんな世界の仕組みなのだ。

 

 

音楽の日・素晴らしかった。

sing outの表現する乃木坂46らしさみたいなのが、改めてよく理解できた気がする。

23枚目シングルは、初聴きがたしか握手会の日の夜で。

みんなで首をかしげながら聴いた記憶がある。

 

それは、「元気になれるシングル」だと、聞かされ続けていたからだ。

 

でも、ドキュメンタリーを観てあらためて思ったのは、

乃木坂46の真骨頂は、やはりこういう曲なんだろうなということだ。

 

僕たちはここだ stomp your feet!

存在に気づくように踏み鳴らせ

 

この一節がすごく好き。

自己主張の仕方が、乃木坂らしいと思う。

そんで、その個性独特の足踏みが、たまたま揃ってリズムになり、音楽になったら面白いよねっていう。

 

まぁ、それだけの話。

 

楓ちゃんの髪型の変更が曲にあってて素晴らしかったと思う。

あと、珠美は終わってから、「さらにがんばるぞ!」という趣旨のメールを送ってくるところが、

アイドルここに極まれりって感じ。

 

あぁ、ひとりごとに戻らなくては。

 

数え、測り、分ける。

 

アイドルが、星の数いて、乃木坂46がいいなってなって、

そこには44人のアイドルがいて、なんとなく好きな子が何人かいて、

どっかしらで運命共同体的なサムシングを共にするアイドルを選ぶ。

 

と、同時に僕らも同じ目に遭っている。

日々、他人からの評価を受け、それは偏見だったり、反感だったり、尊敬だったり、嫌悪だったり、愛情だったりするのだけれど、

それは常に「メネ・メネ・テケル・ウ・パルシン」なのだと思う。

 

理由があって、分類したんじゃない。

とりあえず分類してみてから、なぜそう分類したくなったのかを考えるのだ。

 

いっぱい並べてみて、ああやっぱりこの子たちはいい子だなぁとか。

これは自分の好きなものだとか、好みだとか。

おしゃべりばかり集まっただとか、濃いメンツで飲み!だとか。

 

そんなのは、結局のところ、ただのラベルにすぎない。

そこに示されている以上の、どんな言霊も有していない。

ただのラベルなのだ。

分類され、共通点を見出され、つけられた名前でしかない。

なにかを表しているわけではない。。。

 

そんなことだけど、まぁ、それも大事なことだ。

 

もちろんそれは、単なる情報のことでしかない。

僕たちは情報によってそれを数え、調べ、分類している。

なにもかもそうだ。

日々更新されていくさまざまな情報の中で、

必要なものを見つけ出し、数え、選択していくことこそが、

かく生きるということに他ならない。

 

しかし、もし、それを「形にするチャンス」があるとしたら?

 

僕はまよわず、その武器をとると思う。

立ち上がり、声をあげ、なにかに向かって進んでいくこと。。。

もしも、それができるとしたら?

 

それがどういうことなのか

僕にも、正確なところはわかっていない。

だって、そんな僕たちが必死に削り題した小さな宝物よりも、

もっと巨大で、漠然とした運命が、この世界の法則を支配しているのだから。

 

でも、一方で、形になった宝物も、観たことがあるような気がする。

それは幸いにも、そんなものをすごく身近にかんじることができるチャンスがあって、

いろんな種類の出会いにだだ支えられてできているのだけれど。

とにかく、存在を信じるには、充分なのかもしれない。

 

推さなければ、見えない世界があると思う。

作り得ない未来も。手にすることができない思い出も。

 

「メネ・メネ・テケル・ウ・パルシン」

その続きの言葉を知っているのは、神じゃなくて、僕たち自身だと思う。

 

ペンギンの羽で、空を飛ぶようなことだ。

でも、飛ぶ練習をするのは、すごく楽しいし、

水の中を泳ぐことにも、きっと役に立つ。

 

忘れかけていたけど、僕がアイドルを好きな理由のひとつだ。

 

 

 

僕は、こういうことを、誰かに。。。僕が好きな子たちに理解して欲しいわけではないと思う。

いや、もっと正確に言えば、理解されれば素敵だと思うが、最初からそんなことは期待していないし、

これが、わかってもらえないことも、また、魅力だと思うから。

それが、僕が、君を選んだ理由でもあるから。。。