それは、遡れば、このあまりにも長い帰り道期間のハジマリと同時に始まる。
そう、僕にとってこのシングル期間は、2人の推しメンを持つということと、すごく密接に繋がっていたからだ。
珠美ちゃんの才能・かわいさ・なにより、珠美推しに対するご褒美のあげ方・色気に気づいていながらも、いざ珠美ちゃんのためになにか頑張れるかと聞かれたときに自信が持てなくて、推すことをためらっていたシングル期間出だし。
そして、そこから紆余曲折。迷いながら、悩みながらも、多くのひとの支えがあって、彼女のためにも、ひとつ、頑張ってみようと思って始めたシングル期間中盤。
珠美には、本当に楽しい時間を過ごさせてもらった。
めちゃくちゃ感謝してる。
この感謝をずっと伝えに行きたいなぁと思っている。
これからの活躍に、すごく期待してもいる。
僕の珠美推しとしてのスタート。
珠美の舞台出演も重なって、すごくうまく行っていたと思う。
そんなときから、最後に固まったこの帰り道の全握は、珠美のために行こうというのが、最初の考えだった。
個握の応募順はどうしても後ろになってしまっていた珠美。
でも、全握までしっかり行っていれば喜んでもらえるかも。
そんな考えからだった。
でも、運命は、そう順調には行かなかった。
ジコチューて行こう!の期間に誰にも卒業しないで欲しいという僕の願いはほぼほぼ叶った。それはあまりにも短いシングル期間と、能條さんの卒業アンダーライブが、選抜発表後に開催されていたということが幸いした。
でも僕はいまは、そんな願いを抱いたことをすごく後悔している。だって、その後に訪れた日々がこんなにも悲しいものだったから。
能條、なあちゃん、美彩先輩、かりんちゃん、そして、ゆったん。
そろそろ、心も悲しみもすり減ってなくなりそうだった。
とくに、最後のゆったん。
ゆったん卒業発表の瞬間、わんばさんと一緒にいたことは、奇跡としか言いようがないけれど、それはすごく辛い時間でもあった。
深い、かなしみ。
そんなときに、思ったのは、やっぱりこの
気持ちをでんちゃんに伝えに行きたいということだった。
そもそも、でんちゃんには、誕生日イベントの疲労も抜け切らないまま、全握ではとなりのれなちさんにいろいろあったり、インフルエンザになって体調を崩していたり、とアクシデントが続き、調子が悪そうだった。
そんなことをずーーーーっと心配していた気持ちも重なって、とっても切なくなった。
でも、そんなことを言っていいものだろうかと、とても悩んだ。
だって、
『ぼくの一番なかよしの友達が、ゆったん推しでさ。。。泣いてるの見てたら、すごくでんちゃんに会いたくなった。だから来たよ』
なんて、言われても困るだろうから。
すごくすごく悩んだ。
でも、そんなことをオタクに相談したら、
すごくすごく真剣に返してくれて。
結局は、悲しい話だったとしても、愛情をしっかり込めれば大丈夫、ちゃんと伝わるって。
そう、信じられた。
そう、結局は、僕とでんちゃんとの握手なんだ。
だから、ある意味、こんな話ができると思い込むのも、でんちゃんを信頼してるからなんだと。
そう、素直に思えた。
それは本当に難しいことだけれど、正解なんて本当にわからないけれど、
自分自身、なにか一歩進むために。
今回の全握に、この切なさを全てぶつけてみたい。
そんな決意までの道のりが、
僕が全握券を買い足そうと思った話の全てである。
2人分ちゃんと必要になったからね。