以前、不安症状を主訴に来られていた患者さん。
調子がよかったようで、しばらく来られていなかったのですが、最近また少し症状が出てきたらしく、久しぶりに治療に来られました。
以前と同じような症状で、脈やツボなど身体の状況も同様なので、しばらくは以前と同じような治療をさせていただいていました。
しかし今回は以前と比べて、少し治りが悪い印象。
よく聞くと、最近血圧が高くなりがちとのこと。
そこでもう一度、身体をよく診直してみると、以前との違いが見えてきました。
身体を草木で例えると、根っこの部分に弱りが生じており、根無し草のように気がフワフワと浮ついている状況で、その浮ついた気が不安症状や高血圧を引き起こしていたのです。
よって治療方針を転換し、根っこの気を補うことによって浮ついた気を鎮める治療をしたところ、直後に変化を感じられたようで、その後安定してきています。
まだ予断を許さない状況ではありますが、診立ての重要性を再認識させられる出来事でした。
不安症状といっても、ひとまとめにすることはできません。
患者さんの身体の状況は、それぞれ違います。
何が原因で、どのようなメカニズムで、どのようにバランスが狂い、現在の症状が発症しているのか?
常に丁寧に分析し、より正確な治療を重ねていくしかありません。