ある患者さん。
元々腰痛持ちの方なのですが、今年の冬に長時間新幹線やタクシーを乗り継いで移動をしたことをきっかけに腰痛が悪化しました。
同時に精神的にも不安定になり、数年前に患ったことのある掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)まで再発してしまいました。
掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に水ぶくれや膿みが繰り返しできる病気ですが、この方の場合は頭にもたくさんカサブタができていました。
掌蹠膿疱症には、掌蹠膿疱症性骨関節炎という、骨そのものに炎症が起きて痛みが生じる合併症が起こることがあり、この患者さんの腰痛も医師からその可能性があると告げられたようです。
身体を診させて頂いたところ、今回の腰痛・掌蹠膿疱症・頭のカサブタは全て関連した症状と診立て、1本の鍼で治療していきました。
約3カ月ほどかかりましたが、現在全ての症状が緩解に向かっており、患者さんも喜んで下さったおります。
病が起こるには原因=根本があり、症状というのは枝葉に過ぎません。
たとえ複数の症状(枝葉)があっても、原因を見極め、根本的な治療を行えば、1本の鍼で治すことができます。
原因といっても様々です。
気候や気象条件の影響を受けることもあれば、精神的ストレス・過労・加齢・飲食の不摂生もあれば、外傷や化学物質の影響を受けることもあります。
よく言われる骨盤の歪みや筋肉の緊張、自律神経の失調、ホルモンバランスの乱れといったものは、原因ではなく結果ですよ。
そこを勘違いしている治療家が多いので、間違った考えが広まってしまいます。
何が原因で、どのようなアンバランスが生じて、身体に不調が生じているのか?
そこを明らかにすれば、正確な治療を自信をもって行うことができます。