絵本を主体とした出版社と言っていいものなのかな…

パロル舎さん


が閉社(「倒産」とか「潰れた」なんて言葉は使いたくない)していたらしい。
もうかれこれ15年くらい前だろうか、ちょっとだけお世話になった事がある出版社だった。
会社を覗いた時は、まるで倉庫の中に事務所があるような印象だった。
景山民夫さんが亡くなってそう時間が経ってない時で、彼のエッセイが好きだと、私が言うと、なぜ彼が晩年あんな行動に走ったのかなど、裏話しを聞かせて貰ったりもした。

その時イチ推しの出版物も数点気前よく、私のような人間にも分けて与えてくれるような温かみのある社風。
お酒も出して貰いました(笑)。

ホントに本を愛してやまない人たちが社員として集まっている会社で、社長さんの人間性だろうか、会社の枠を越えて、他社の編集者さんがフラリと遊びに来るのが当然のサロンの役割も果たしていたようだった。

巷に本を出す事を重視していて、一定の良識のもと、他社だと門前払いの原稿もそれが世のためになるなら、商売を抜きにして本にしてしまうような所が見られもした。

今回はその商売っ気の無さが仇となったのか…。
しかしこの出版不況の中、よく今まで保ったものだとも言える。
ただその志しはこの先パロル舎さんで育った編集者やその周辺にいた人たちが継いでいく事だろう。

しかし、また1つ日本の出版業界の良識の灯が消えてしまったのではないだろうか。