長野シリーズ最終回です。
なんとか休まずに仕上げることができました。よくやったなあ、おれ。
というわけで、早速公開。
※2020年11月の取材をもとに、記事にしています
●今度こそまっすぐ帰ります
長野県・群馬県境の碓氷峠で日が落ちました。
明日は出勤なんですよ。もう寄り道している余裕はありません。
あきらめて帰路につくことにしましょう。
[おれ] 「昔からの交通の難所、碓氷峠を下ってきました 横川です」
[リン] 「あ、峠の釜めしって、例のおいしい駅弁ね!」
[おれ] 「どうします? また寄りましょうか?」
[リン] 「けっこう高かったじゃん この前食べたし、今日は別なものでいいよ」
[おれ] 「そうですかｼｸｼｸ」
[おれ] 「先は長いですが… 連休とあって、交通量はかなり多いです
ちょうど混む時間帯に当たってしまいましたね」
[リン] 「フツーの人は明日もお休みなんでしょ? 家で１日のんびりできるのにね」
[おれ] 「２日しか休みがなくてすみませんｼｸｼｸ」
[おれ] 「で、当然ながら渋滞も発生しているわけで」
[リン] 「でも、高速道路はあんまり混んでないみたいだよ ほら、たった５分」
[おれ] 「すべての情報が表示されているわけではないですから」
[リン] 「だんだんすいてきた! ほら、これなら混まなくて済みそうじゃん」
[おれ] 「そう甘くはない気がしますが」
[おれ] 「別な情報源をたどるとこの通り かなりヤバいですよ」
[リン] 「40分と150分!? 併せて190分って… うわ、3時間以上かかるじゃん!」
[おれ] 「2行に分かれてはいますが… 水上→高崎と、高崎→所沢
つまり群馬県北部の水上から埼玉県南部の所沢まで、
ずーっと断続渋滞という意味ではないかと 130km以上ですよ」
[リン] 「なんでこんなすごいことになってるの!?」
[おれ] 「連休渋滞をなめてかかってはいけません」
[リン] 「高速道路混んでてもさ、普通の道路はどうなんだろ
どうせお金かかるからって高速道路使わないで帰るんでしょ?」
[おれ] 「青森でも鹿児島でも、できれば下道で行きたい派ですよ、おれ
みんな当たり前に渋滞の高速乗って帰るようですが…
たとえ所要時間が変わらないとしても、高速料金払って渋滞はまるより、
無料の下道走るほうがずっといいと思うんですけどね」
●何か食べないといけないんですよ
とにかく早く帰りたいんですが…
でも、夕飯を考えないといけないと思うんですよ。
[おれ] 「やっぱり"峠の釜めし"買ってくればよかったでしょうか」
[リン] 「マスターの食べたいものでいいって
ほら、ラーメン屋さん! またラーメン食べたいんじゃないの?」
[おれ] 「すでに2軒寄ってますからね ほかのにしましょうよ」
[リン] 「あ、前に教わったかも 群馬のチェーンのお店って」
[おれ] 「神奈川県には展開してないんですよね」
[リン] 「横浜ラーメン! ここもチェーンなのかなぁ」
[おれ] 「個人経営のちゃんとしたお店みたいですよ 麺もさっき食べた
萬年家と同じ、横浜市旭区の丸山製麺から調達しているようですし」
[リン] 「てか、ラーメンはやめとこうって言ってたよね」
[おれ] 「ラーメンの食べすぎはいろいろよくないようですので…例えば頭皮とかにも」
[リン] 「あれ? マックのクーポン持ってるの?」
[おれ] 「職種柄、人より数日早く手に入るもので、常に最新のを持参してます」
[リン] 「そういえば、最近食べてないなー」
[おれ] 「美尋さんと寄るんじゃなかったんですか?」
[リン] 「いつも行ってたマック、お店の工事でしばらくお休みなんだよ」
[リン] 「そうだ、マック食べようよ! なんだっけ、車乗ったまま買えるの
ドライブスルーだったっけ?」
[おれ] 「そういえば、なんかおれもマック食いたくなってきましたよ
埼玉県に入りましたが…そろそろ給油もしたいんですよね」
[おれ] 「この先にちょうどいいところがありましてね あ、ここですよここ」
[リン] 「ガソリンスタンドとマックが隣同士なの?」
[おれ] 「まあそんなところで… ここに寄りましょうか
給油と洗車、そのあとマックのドライブスルーという順です」
[おれ] 「着きました」
[リン] 「ガソリンスタンドとマックの看板が一緒になってるけど、なんなのここ」
[おれ] 「今回の目的にベストマッチなところです」
[リン] 「ガソリンスタンドの建物かわかんないけど、マックっぽくもない」
[おれ] 「でも、ガソリンスタンドのポスターもマックの広告も出てるんですよ」
[おれ] 「まずは給油です」
[リン] 「121円? 長野のほう、130円くらいしたよ」
[おれ] 「埼玉まで来るとだいぶ安いんですよ」
[おれ] 「次はすぐ横の洗車コーナーです あ、いいものがありますよ」
[リン] 「ブラシ置いてあるだけだけど」
[おれ] 「数日後にタイヤ交換しますのでね 洗っておきたかったんです」
[リン] 「そのために置いてあったのね」
[おれ] 「そのままセルフ洗車機に通して、おしまいです」
[リン] 「きれいになったねー あとはマック行くの?」
[おれ] 「おなかすきましたよね」
[リン] 「そういえば、どこで買えるんだろー」
[おれ] 「お店の建物の横に進むと、ドライブスルーなんですよ」
[リン] 「わ、ガソリンスタンドとマックが一緒になってるんだ、ここ」
[おれ] 「リンちゃん、なに頼みます? おれマックシェイクが飲みたいんですよ」
[リン] 「なんかかわいいの欲しがるよねー♪」
[おれ] 「この年になってもビールとか日本酒は一向に好きになれないんですが、
チョコとかハンバーガーとかコーラとかはひたすら好きなままです」
[おれ] 「なんとっ! マックシェイク販売中止なんですってｼｸｼｸ」
[リン] 「そんなことってあるの!?」
[おれ] 「シェイクのマシンが故障して、部品が届くまでしばらくかかるそうです
なんでも日本製ではないのでアメリカから調達するみたいで
12月10日くらいには直るからまたお願いしますって言われました」
[リン] 「埼玉じゃ、そんなしょっちゅう来られないのにね」
[おれ] 「いつも仕事帰りとかで深夜のマック寄ったりしますが…
24時間営業の店だと、メンテのために夜中はマックシェイク買えないんですよ」
[リン] 「せっかくのチャンスだったのに… 残念だね」
[おれ] 「まあダメなものを悔やんでも何もなりません
とりあえず食べましょうか リンちゃんはてりやきにしたんですよね」
[リン] 「マスターは倍ビッグマックね けっこう大食いだったりするもんね」
[おれ] 「日常でも食べられるような食事になってしまい申し訳なかったですが」
[リン] 「あたしは全然平気だよー 旅の途中なら特別感あるし、それにね…」
[おれ] 「それに? それになんですか?」
[リン] 「いいのいいの! ほら、早く食べないと冷めちゃうよ!」
[リン] 「ちゃんとアルコール用意してあるのね」
[おれ] 「濃度も確かな指定医薬部外品です しっかり消毒してくださいね」
[リン] 「お仕事の車にもアルコールジェル置いてるんでしょ?」
[おれ] 「手洗い用のハンドソープまでトラックに完備しているの、
うちの職場では自分だけだと思いますけどね」
[リン] 「やっぱ出来立てじゃないとね 揚げたばかりのサクサクのが大好きなの」
[おれ] 「ドライブスルーでも、タイミングによっては柔らかだったりするんですよね」
[リン] 「いただきます うーん、やっぱカリカリでおいしい!」
[おれ] 「気にせず食べててくださいね おれも止まった時にでもつまみますから」
[リン] 「はい! マスター! あーんしてっ♡」
[おれ] 「なっなんですかリンちゃん! 突然に」
[リン] 「いいじゃん 別に誰か見てるわけじゃないしっ」
[おれ] 「そういうことではなくてですね」
[リン] 「ホントは、こういうのやってみたかったりしたんじゃないの?」
[おれ] 「それはもちろんうれしいですが」
[リン] 「だからぁ、はい あーん!」
[おれ] 「そういうのは同世代の男の子と仲良くなってすべきことでですね」
[リン] 「あたし、マスターと暮らしてる間は男子と付き合わないって言ったよ」
[おれ] 「いいことなのか、そうでもないのか」
[リン] 「むーっ! あたしが男の子と仲良くなったりしたら落ち込むくせにー!」
[おれ] 「そっそんなことはですねぇ、たぶん…」
[リン] 「リンはねー、もうわかってるんだからさ」
[リン] 「正直そんなに自信があるわけじゃないけどさ
でも、こんなあたしでもマスターいろいろ気にかけてくれるじゃん」
[おれ] 「なんで弱気なんですかねぇ リンちゃん完璧な子ですって」
[リン] 「気に入ってくれるのはうれしいけどさ でもね…
マスターはいつも距離置こうとするじゃん、あたしとの間に」
[おれ] 「世間体とか常識があるって話、いつもしてるでしょう」
[おれ] 「だから、こうして旅に連れていくとか、一緒にマック食べてお話しするとか、
そんなレベルでも納得しているのが適度な幸せなんですよ」
[リン] 「マスターがもっと身近な立場だったらよかったのかなぁ」
[おれ] 「学生同士だったら堂々と接してますって もっと積極的にいきますって
今の自分はこの辺りで満足しておくべきなんですよ」
[リン] 「こういうのでも、楽しいって思ってくれるの?」
[おれ] 「もちろんですよ 学生の頃、憧れてる子と遊びに行けたりしましたが…
あの時と同じような感覚で、当時に戻れるような気がします
実際に戻るのは不可能ですけどね でも心だけ戻れれば十分ですから」
[リン] 「そっかあ、あたしマスターのためになってるんだー」
[おれ] 「10代の頃にやり残したものを、リンちゃんに埋めてもらえています
過去のいろんな思いを再度体感できているのですから、幸せなことです」
[リン] 「それじゃ、もっといろんなとこ連れてってもらわないとねー」
[おれ] 「おれなんかがいろいろ連れ歩くより、もっと相応しい相手と一緒に
お出かけするのが正しいはずで おれと二人というのはちょっと…
罪悪感にも似た何かに苛まれてしまいますがｼｸｼｸ」
[リン] 「あたしも大事な思い出作りと思ってるから、そんな風に考えないでよ
『未来の恋愛の予行演習』って感じで楽しんでるんだからさぁ
だからね、今はたくさんお出かけに連れてってほしいの」
[おれ] 「おれにとっては過去の補習、リンちゃんにとっては未来の予習
どっちも現実の結果にはつながらないはずですが、でも大切な何か
形は違えど、お互いに意味のある事ならプラスということですか」
[リン] 「…ってことで、はい、あーん♡」
[おれ] 「まっまたポテトの続きですか?」
[リン] 「照れてるけどじつは喜んでるくせにー!
ほらほら、冷めたらおいしくないんだってー」
[おれ] 「リンちゃんも早めに食べてくださいよ」
[おれ] 「高速、かなり渋滞解消しましたね」
[リン] 「これだったら高速道路走って来れたのにー」
[おれ] 「所要時間に大差ないとしても料金かからない下道のほうが…って
言ったと思うんですけどね」
[リン] 「わかってて言ってみただけだからね!」
[おれ] 「もうすぐ東京都 まもなく帰宅できますね」
[リン] 「疲れたでしょー 帰って寝て起きたら、すぐ明日だよ」
[おれ] 「また通常営業の日々ですか せっかくリンちゃんと旅の空の下
幸せなひと時を過ごせていたのに、一気に現実に引き戻されますねｼｸｼｸ」
[リン] 「なんか悪いこと言っちゃったかなぁ」
[リン] 「東京って、なんで車も人もこんなに多いんだろ」
[おれ] 「人が集まる要素がたくさんあるからでしょうね」
[リン] 「マスターは、人混み嫌いなのになんで都会に住んでるんだろうね」
[おれ] 「不自由なのがダメな人混み嫌いだからじゃないですかねｼｸｼｸ」
[おれ] 「まあ、そんな理由で時々喧騒を離れた地方へ旅したくなるわけですが」
[リン] 「またどこか連れてってよ」
[おれ] 「はたして、次の旅はいつになりますことやら」
[リン] 「明日お仕事なんだよね、マスター あたしは3連休だけど」
[おれ] 「そうなんですよｼｸｼｸ つーことで、最後は楽させていただきます」
[リン] 「あーあ、今まで頑張ってきたのに、最後にお金かかる道路使っちゃった」
[おれ] 「20分くらい短縮できますのでね、苦渋の選択です」
[おれ] 「200円! 200円ですよリンちゃんｶﾞｸｶﾞｸ」
[リン] 「最後にこれくらいいいじゃん 明日からまた仕事なんだしさ」
[おれ] 「『タダより高い物はない』と言いますが、タダより安いものもないんですよ
お金はかかんないほうがいいんですよリンちゃんｼｸｼｸ」
[リン] 「ちょっと何言ってるかわかんないけど…またいつか旅しようよ!」
[おれ] 「旅しようって…今旅から帰ってきたばかりじゃないですか」
[リン] 「次の旅でもっといいことある予感がするんだ♡」
[おれ] 「またそれですか …で、ほんとにいいことあるんですかもしかしてﾊｧﾊｧ」
やれやれ、全力で取り組んで、なんとか休まずシリーズ完結できました。
次回の旅シリーズは…そんなのとても無理ですってリンちゃんｼｸｼｸ
頑張りすぎたので、年末12月30日の回はお休みさせていただき、充電期間とします。
年始は1月15日から始めるつもりですが、さてどうなることやら。
もしかすると1月30日がスタートかもしれませんので、あらかじめご了承ください。
【「いいね!」代替方法について】
迷惑行為的な「いいね!」が多いため、この機能についてはオフにしています。
もし少しだけでも評価していただける場合、代わりの方法を用意しています。
※「代替いいね!」についての詳細は下記にまとめています。必要な方はご覧ください。
→「いいね!」代替手段について
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【いいね!】
(この入力だけの場合こちらからお返事はしません。評価としてありがたく頂戴しておきます)