シェイクスピアに、
「英雄が死ぬと彗星は現れるが凡人のときはそうではない」
といったようなセリフがあったと記憶(注1)。
これ、ホントかもしれんと思うことがあるんだよね。
ホロスコープなどの星の象徴って、
いわゆる有名人や歴史上の人物ほど見事に現れるように見えます。
占星術の教科書や講座では、
守秘義務の関係もあって個人の例はあまり出せず、
有名人や歴史上の人物を取り上げることが多くなるものですが、
そうした「偉人」たちの例を見ると、
まるで占星術が極めて劇的かつ正確に作動するように
錯覚を起こしがち。
しかし普通は、さほど鮮明には「当たらない」ことも多いもの。
理屈はつけにくいけれど、有名人や偉人というのは
人々の集合的な思いを引き受ける神話的存在でもある。
運命、元型的イメージの受け皿になっている。
だから元型的な星の神話を
「そのまま」生きてしまう(させられる)ように見える。
テレビで、政治の舞台で、ある種の人々は“神話を生身で生きる”のです。
その意味で「セレブ」とは星の(神々、ダイモーン)の
セレブレーションを受けた人々でもあるけれど、
等身大の個人として元型を直接的に生きることは
同時にカース(呪い)であるかもしれない。
もちろん、呪いは祝福でもあるけれど。
このことから学ぶべきは二つあるような。
一つは有名人の印象的な例を基準に、
日常的なホロスコープを「文字通り」読んではいけない。
もう一つは、有名人が演じる神話劇に刺激されて
安易に集合的な情動に動かされては危ない、
ということじゃないかしら。
「星は誘えど強制せず」との格言を思い出したい。
(注1)
シーザーの妻、キャルパーニアのセリフ
シェイクスピア『ジュリアス・シーザー』二幕二場
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