鏡リュウジ公式サイト「オカ研」を更新いたしました!
平野多恵さんとおみくじのルーツ「歌占」について語ります!

 鏡:
ちょうど1年前、天祖神社でおみくじの展示があるときいてこのオカ研でシュガーくんと一緒にお邪魔しました。伺った時にタイミングよく平野多恵先生の講座もあったので拝聴したらそれが大変興味深く面白いレクチャーでした。その内容をちゃんとご紹介したくて、オカ研で紹介させて頂く時には、平野先生に最終的にチェックをお願いしたという……。あの時はありがとうございました。
その後、担当の編集さんとご一緒する機会を作って、今回の企画がスタートしたんですよね。

*オカ研バックナンバー


平野:
それがきっかけで、歌占(うたうら)カードができあがるとは、ほんとうにありがたいご縁です。


鏡:
占いの看板を掲げているものですから、おみくじについても多少、本を読んだこともあったのですが、専門的なものも多くて。平野先生のお話は初心者にもわかりやすく、また体系的に歴史をご紹介されるものだったのでとてもありがたかったです。さらにいえば、大学の先生がおみくじを研究対象にされているということにも少し驚いたというのが正直なところでした。


平野:
私もおみくじを研究していいのか、最初は少し迷っていたんですよ。当時教えていた短大の授業で古文に興味を持つきっかけにと思っておみくじを授業で取り入れたんですね。

そうするうちに、同じ学科の先生から勧められて、「恋のおみくじ」という論文を書く機会をいただきました。恋占いは万葉集の時代からありますので、それにからめて現代の恋みくじを紹介しました。それがきっかけになって『元三大師御籤本の研究』を書かれた愛知県立大学の大野出先生におみくじの共同研究に誘われました。この時に「あ、おみくじを研究してもいいんだ」って(笑)。

鏡さんがいらしてくださった天祖神社の禰宜(ねぎ)の小平さんとも、この共同研究で知り合うことができたというわけです。

調べていくと、神社のおみくじもお寺のおみくじもいくつかの系統があって、同じおみくじを用いている社寺が多いこともわかってきました。最近はその神社でしか引けない独自のおみくじも増えていますが、おみくじの伝統をふまえたオリジナルなおみくじがもっと増えればいいし、機会があればおみくじづくりにも関わってみたいと思っていたところに、天祖神社の小平さんと意気投合して出来たのが、天祖神社の歌占(うたうら)です。(*ときわ台の天祖神社ではオリジナルの歌占が引けます)