さて、では、肝心なぼくのトークの内容はというと?

 

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内容を少しだけご紹介しますね。

 

そもそも、「魔女」とは何かということなのですが、魔女の歴史はこの展覧会では長い魔女の歴史を4つのフェーズに分けています。


1:信じる
素朴に魔法や呪術が信じられていた時代。魔女や魔法の存在は信じられていたが、一方的に邪悪なものとは考えられてはいなかった。

2:盲信する
気候変動、疫病、戦争など社会不安が広がり、そのスケープゴートとして「魔女」が標的になり、魔女が邪悪なものとされる時代。

3:裁く
魔女が悪魔と結託した存在だと定義され、異端審問から忌まわしい「魔女狩り」の時代が始まる。

4:想う
近代に入り、魔法の実在性は信じられなくなったけれど、一種の芸術的表現の主題として選ばれるようになった時代
 

展覧会ではそれぞれのフェースにおける代表的な事物が選ばれていて、魔女の歴史を一望できるようになっています。

こうなると、もう「展覧会を見て!」といえばいいだけなので、僕の出る幕はないのですが、実は僕の目から見て今回の展覧会では一つだけ、ちょっと手薄なところがあるんですよね。

 

それは「現代を生きる魔女」

 

現代に入ってからも魔女は「想う」(ファンタジー)だけの存在ではないんです。

いや、むしろ、「生きる」存在 となったといってもいいでしょう。

本当に不思議なんですが、西洋の文化なら何でもあっという間に取り入れる日本ですが、この魔女運動、魔女文化だけが日本には全くと言っていいほど入ってきていない。

これだけでも面白い現象だと思います。

 

実は欧米にいくと、ちょっと大きな書店にいけば「魔女」WiccaとかWitchcraftのセクションがあります。

ロンドンの中心部には少なくとも2軒、一等地に本物の魔女が経営する魔法書店があるんです。これはコスプレやファッションのためのものではなく、真剣に自分の生きる道を魔法に求める人々のためのもの。
 

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写真は、大英博物館前にある老舗の魔法書店「アトランティス」のご主人とそのお嬢さん。彼女たちも「魔女」です。

 

彼らの主張をまとめるとこんなふうになるでしょう。

キリスト教がヨーロッパに広がる以前には、より自然に近い、自然の神々を信じる宗教があった。彼らは男性の神だけではなく、女神も大切にしていて、季節の変化をことほぎ、月の女神を愛し、薬草などを使うことで不思議な技を行ってきた。自然の精霊たちと交わり、この大地と、大地から生まれた身体を大切にしていた。

けれど、そうした素朴な異教(ペイガニズム)は、厳格なキリスト教からみると、猥雑で邪悪なものに見えてしまって、弾圧されてしまった。

けれど、今、もう一度自然との関係を見直そうという時代に、この魔女的な生き方をよりどころに自分の人生を生きていこう、というということなのです。

ですから、この「魔女」には当然、男性も含まれます。そして、このような運動は大きく広がっているのですよ。

トークでは、その世界観や活動をお話ししました。

 

また、最後に、ワークショップを行いました。本物のイギリスの魔女が唱える呪文を聞きながら、唱えながら、あることを会場の全員で実践しました。今回のトークショーをご覧になった皆さまは、その呪文を唱えながら、何を願ったのでしょうか。

 

願った通りに、そうなるといいですね。
so it be!

 

大阪天保山での開催はGWで終了しました。

引き続き、新潟、名古屋での開催が決定しています。

今月523日より新潟県民会館にて。

7月18日より名古屋市博物館にて。

両会場にて僕のトークショーも行いますので、是非お越しくださいね。

イベントの予定は以下魔女の秘密展バナーよりご確認ください。

 

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