I've translated former President Barack Obama's speech at the 2020 Democratic National Conventionにひひ
バラク・オバマ前米大統領の民主党大会での応援演説を訳しました。

久々のオバマさん訳です。

 

民主党大会にて(2020年8月19日)

 


バラク・オバマ前米大統領 民主党大会 応援演説 日本語訳


オバマ前大統領:こんばんは、皆さん。これまで皆さんが見てきているように、今回は通常の大会ではありません。今は通常時ではありません。そういうわけで今夜、私はこの選挙の重大性について、出来る限り率直に話したいと思います。なぜなら我々がこれからの76日間ですることが、これからの世代に響いてくるからです。

私はフィラデルフィアにいます、我が国の憲法が起草されて署名された場所です。それは完璧な文書ではありませんでした。それは奴隷制度という非人間性を許可し、女性に――そして財産のない男性にも――政治過程に参加する権利の保障をしませんでした。しかしこの文書に埋め込まれたものは、未来の世代を導く北極星でありました。すなわち代議政治機構と――民主主義であり――それによって我々は我々の最高の理念をより良く理解することが出来たのです。南北戦争と厳しい苦闘によって、我々はこの憲法を向上させて、かつて捨てられた人たちの声を包有しました。そして少しずつ、我々はこの国をより公正に、より平等に、そしてより自由にしてきました。

すべての国民によって選ばれた際立った憲法上の事務所に、大統領職があります。ですから最低でも、我々は大統領が我々3億3千万人の国民すべての安全と幸福への責任感を感じることを期待するはずです――我々の容姿や、我々の信仰や、我々が愛する人や、我々が持っている財産や――我々が投票する人に関係なく。

また我々は大統領に、この民主主義の守衛となることを期待しているはずです。我々はエゴや、野心や、政治的信条に関係なく、大統領が、とても多くのアメリカ国民がそのために行進してそのために投獄され、そのために戦いそのために亡くなった、自由と理念を維持し、保護をして擁護することを期待しているはずです。

私は大統領執務室で、大統領に立候補した両方の人物とともに座っていました。私は私の後継者が私のビジョンを受け入れたり、私の政策を継続することはまったく期待していませんでした。私は我が国のためにドナルド・トランプが、この職務を真剣に捉えることにいくらか関心を示すかもしれないことを、つまり彼が執務室の重さを感じ、その配慮の中に位置を占める民主主義に何らかの崇敬を見つけるようになるかもしれないことを、本当に望んでいました。

しかし彼はまったくそうしませんでした。今で四年近くになりますが、彼はその取り組みをすることに何の関心も示してきませんでした。共通の土台を探すことに何の関心もなく、執務室の力の恐るべき力を使って自分や彼の友人たちだけでなく、すべての人を助けることに何の関心もなく、大統領職を、彼が切望する注目を得るために使える、さらなる現実のショー以外のものとして扱うことに何の関心も示してきませんでした。

ドナルド・トランプはその職務で成長することが出来ませんでした、なぜなら彼にはそれが出来ないからです。そしてその失敗の結果は厳しいものです。亡くなった17万人のアメリカ国民。数百万人の雇用が失われ、その一方でトップ層はかつてなく収入を得ました。我々の最悪の衝動が解放され、我々の誇りある名声は世界中でひどく減退しました、そして我々の民主主義体制はかつてなく脅威を受けました。

さて、こうした偏極した時代ですから、皆さんの多くはすでに心を決めてきていることでしょう。しかしもしかしたら、皆さんはまだどちらの候補者に投票するかをまだ決めていないかもしれません――あるいは投票をするかどうかをまったく決めていないかもしれません。もしかしたら皆さんは我々が目指している方向に疲れているのかもしれません、しかし皆さんはまだ優れた道を見ることが出来ていないのです、あるいは皆さんはそこで我々を導きたがっている人物について十分なことを知っていないのです。

そういうわけで皆さんに我が友人ジョー・バイデンのことをお話ししましょう。

12年前に私が副大統領を探し始めたとき、自分が兄弟を見つけることになるとは思っていませんでした。ジョーと私は別の場所の別の世代の出身です。しかし私がすぐに彼について賞賛するようになったのは、多すぎる苦闘から生まれた彼の復活力、多すぎる悲しみから生まれた彼の共感力です。ジョーは早くから――会うすべての人に敬意と品位をもって接することを学んできた人物です――彼の両親が彼に教えた言葉に沿って生きながら。「あなたより優れた人は誰もいない、ジョー、でもあなたは誰よりも優れていない。」

その共感性、その良識、すべての人が重視している信念――それがジョーなのです。

職を失った女性と話すときには、ジョーは彼の父親が彼と座って、職を失ったといった夜のことを思い出しています。

ジョーが今一家を団結させようとしている親に耳を傾けるときには、彼はそれを毎晩ウィルミントンまで電車に乗って行き、子どもをベッドに入れることができるようにしたシングルファーザーのようになって聞いています。

彼が彼らの英雄を失った軍人家族に会うときには、彼はそれを親族の精神をもって行います、すなわちアメリカ兵士の親です、その信仰心でそこにある最も厳しい喪失を耐えた人間として。

八年間、ジョーは私が大きな決断をするときにはいつでも、部屋にいる最後の人でした。彼は私をより優れた大統領にしてくれました――ですから彼には我が国をより優れた国にしてくれる人格と経験があります。

そして彼は我が友人カマラ・ハリスを、その職務の用意が出来ている以上の理想的なパートナーを選びました。つまり障壁を乗り越えるのがどういうことなのかを知っていて、そのキャリアで他の人がアメリカンドリームを叶える手助けをするために戦ってきた人物なのです。

物事を完了させるために必要な経験に加えて、ジョーとカマラは彼らの向上した、より公正で、より強い国のビジョンを実現する具体的な政策があります。

彼らはこの世界的流行病を制御するでしょう、ジョーが私がH1N1豚インフルエンザウイルスに対処し、エボラ疫病の発生が我が国の沿岸まで届くのを阻止するのを支援したときにしてくれたように。

彼らは医療保険をより多くのアメリカ国民に拡大してくれるでしょう、彼と私が十年前にしたように。ジョーは医療費負担適正化法を起草して、法制化する採決を確定化させるのを支援しました。

彼らは経済を救済してくれるでしょう、ジョーがグレートリセッション後に私がすることを助けてくれたように。私は彼に復興法の管理を依頼しました、それは史上最長の雇用成長を飛躍的に開始させるものになりました。そして彼は今のときを、我々がいた所に戻す機会としてではなく、我が国の経済がすべての人にとっての――それが自分で子どもを育てようとするウエイトレスであれ、常に解雇される際にいる交代勤務従業員であれ、次の学期の支払い方法を考え出している学生であれ――生活を本当に少し楽にさせるという、長年の懸案だった変化を起こすものとして見ています。

ジョーとカマラは世界における我が国の立場を回復させるでしょう――我々がこの世界的流行病から学んだように、それは重要なことです。ジョーは世界を知っており、そして世界も彼のことを知っています。彼は我が国の本当の力は、世界が続きたいと思う模範を示すことから来ることを知っています。民主主義を支持する国家です、独裁者たちではありません。他国を鼓舞して動員して気候変動や、テロや、貧困や疫病のような脅威を乗り越えることが出来る国家です。

しかし何よりも、私がジョーとカマラについて知っているのは、彼らがすべてのアメリカ国民のことを本当に配慮しているということです。そして彼らはこの民主主義のことを深く配慮しています。

彼らは民主主義では、投票権は神聖なものであり、我々は国民の投票をより簡単にすべきであって、難しくするのではないということを確信しています。

彼らは誰も――大統領も含めて――法を超越するものはおらず、どの公務員も――大統領も含めて――彼らの事務所を自分たちや支援者を富ませるために使うべきではないということを確信しています。

彼らは理解しています、この民主主義では軍最高司令官は、すべてを賭けて我が国家を守ろうとしている我が国の兵士を、政治的な道具として自国の平和的抗議者に対して派遣するためには使わないということを。彼らは理解しています、政敵が、ただ合意しないというだけで「非アメリカ人」にはならないということを。報道機関は「敵」ではなく、我々が執務室を説明可能にさせる方法であるということを。我々が協力して世界的流行病のような大問題を解決する能力は、事実や科学や論理を閉ざしてしまうことでなく、それに忠実になることにかかっているということを。

このどれもが議論を引き起こすべきものではありません。こうしたことは共和党の原則か、民主党の原則か、というべきものでもありません。それはアメリカの原則なのです。しかし今、この大統領と彼に可能性を与えている人たちは、彼らがこうしたことを信じていないということを示してきました。

今夜、私は皆さんにジョーとカマラの、この国をこうした暗い時期から脱出させて、より向上させて元に戻すように築くよう導く力を信じてくれるよう頼みたい。つまりこういうことです。どのアメリカ国民も、一人ではこの国を修復することはできないのです。大統領でも。民主主義は決して取引を意味しているのではありません――私に票をくれたまえ。私はすべてを向上させる――という。それには活動的で情報に通じた市民性が必要なのです。ですから私はまた皆さんに自分自身の力を信じるように頼みたい――市民としての自分の責任を果たして――我々の民主主義の基本的信条を存続させるように確実にする力を。

なぜならそれこそが今危機に瀕していることだからです。我々の民主主義です。

よろしいですか、私はたくさんのアメリカ国民が政府を責めている理由を理解しています。議会において規則が仕組まれて乱用される手法が、特別利益団体が進展を阻止するのを容易くさせているからです。信じてほしい、私は知っています。私は理解しています、減給されたのを見たり、国外にもっていかれた彼の雇用を見た白人の工場労働者が、政府はもう自分の配慮をしないのだと感じる理由を、黒人の母親が、政府は自分のことをまったく配慮していないというように感じる理由を。私は理解しています、新たな移民者がこの国を見回して、ここにはまだ自分のための場所があるのかと戸惑う理由を。若者が現在の政治を見てそれらはすべて、無意味さと嘘と狂った陰謀論のサーカスだ、一体何の意味があるのか?と思う理由を。

そうですね、これが理由です。大統領と政権の座にある人たちが――物事を自分たちのやり方を守ることで利益を得ている人たちが――彼らが皆さんのシニシズムを当てにしているからです。彼らは自分たちの政策では、皆さんを納得させられないことを知っています。そこで彼らは皆さんが投票するのを出来る限り困難にして、皆さんに自分の票が重要ではないと納得させることを願っているのです。それこそが彼らが勝つ方法なのです。それこそが彼らが、皆さんの生活や、皆さんの愛する人の命に影響を与える決定をし続けるようにする方法なのです。それこそが、経済を富裕な有力者たちのために歪めさせ続ける方法であり、それこそが我が国の医療制度でさらに多くの国民を割れ目に落とさせる方法なのです。それこそが民主主義をまったく無くなるまで減退させる方法なのです。

我々はそれを起こさせてはなりません。彼らに皆さんの力を奪わせてはなりません。彼らに皆さんの民主主義を奪わせてはなりません。皆さんが関与して投票する方法を直ちに計画しましょう。皆さんはそれを出来る限り早くして、家族や友人たちにも投票できる方法を話してください。二世紀以上前の今よりももっと厳しい時代に直面したときにアメリカ国民がしてきたことをして下さい――困難や不正にも関わらずに行進し続け、推進し続ける勇敢さを見出した、様々な目立たない英雄たちのことです。

先月、我々はジョン・ルイスというアメリカの民主主義の巨人を失いました。数年前に、私はジョンと、早期の公民権運動の指導者でわずかに残っておられる方々とともに座りました。彼らの一人が私にいいました、彼はホワイトハウスに入って自分の孫のような大統領に会うことになるとはまったく想像していなかったと。そして彼は私にいいました、彼が調べたところ、私が生まれたまさにその日に、彼が南部での黒人隔離差別を終らせようとして、独房まで行進していたということを。

我々がすることは世代を超えて反響するのです。

背景が何であれ、我々は全員いい戦いをしたアメリカ人の子どもなのです。火災時の避難が非常に困難な建物や労働搾取工場で、権利や代議制もなく働いていた素晴しい祖父母たち。夢が塵となって失われた農家。来たところに戻れといわれたアイルランド人やイタリア人やアジア人やラテン系アメリカ人。崇拝する方法に迷いを感じるようにさせられたユダヤ教徒やカトリック教徒やイスラム教徒やシーク教徒。鎖につながれ鞭で打たれ絞首刑にされ、昼食のカウンターで座ろうとするために唾を吐かれ、投票しようとするために殴られたアフリカ系アメリカ人。

もし誰かにこの民主主義が機能していなかった、機能できていなかったと確信する権利があるとすれば、それはそうしたアメリカ国民でした。我々の先人たちです。彼らは彼らの生活すべてに届いていない、民主主義の終わりを受け取っていました。彼らはアメリカの日常の現実が、いかに神話から遠く離れているのかを知っていました。ですが彼らは諦めるのではなく団結して、どうにかして、何らかの方法で、我々はこの取り組みをするといいました。我々はそうした言葉を、我が国の建国の文書を、生涯持ち運びましょう。

私はこの数年間、それと同じ上昇する精神を見てきています。都市センターや空港や田舎道に集まる、あらゆる世代や経歴の民衆たち。家族が隔離されないように、教室がさらに閉鎖されないように、我々の子どもたちが居住不可能な星で成長しないようにするために。すべての人種のアメリカ国民が団結して宣言しています、州の手により不正と残虐さに会いながらも、Black Lives Matterと。それ以上でもそれ以下でもありません、この国にいるどの子どもも、続いている人種差別の棘を感じないようにするために。

この夏我々を導いてくれ、我々に、我々にはもっと向上する必要がある――とてもたくさんの方法で、と話してくれた若者たちへ。皆さんはこの国に満ちている夢です。古い世代は、すべての人に平等な価値があるということを説得されなければなりませんでした。皆さんの場合にはそれは天賦のものであり――信念です。そして私が皆さんに知ってほしいのは、その乱雑さやフラストレーションに関わらず、皆さんの自治政府制度は、皆さんがそうした信念を理解する手助けをするために利用できるということです。

皆さんは我々の民主主義に新たな意味を与えることが出来ます。皆さんはそれをさらに向上させたところにもっていくことが出来ます。皆さんには欠けている要素があります――アメリカがその信条に十分に沿う国になるかどうかを決定する人間です。

その取り組みはこの選挙後も長く続いてゆくでしょう。しかしいくらかの成功の機会は今回の選挙の結果に完全にかかっています。現政権はそれが勝利を得ることであるなら、我々の民主主義を引き裂くということを示してきました。そういうわけで我々は忙しくその構築をしなければなりません――これから76日間に我々のすべての努力を注ぎ込むことによって、そしてかつてないような投票を――ジョーとカマラにすることによって、ですから候補者たちを上昇させて投票しましょう、我々が愛するこの国が支持するものを明確にできるように――今日とこれからの我々の日々すべてのために。

それではお元気で。神のご加護を。




参考記事:
https://www.washingtonpost.com/politics/2020/08/20/obama-convention-speech-annotated/