I've translated Former First Lady Michelle Obama's speech at the 2020 Democratic National Conventionにひひ
ミシェル・オバマ前米大統領夫人の民主党大会での演説を訳しました。

久々のミシェル夫人訳です。


民主党大会にて(2020年8月17日)

 

ミシェル・オバマ前米大統領夫人 民主党大会 応援演説 日本語訳


ミシェル前大統領夫人:皆さんこんばんは。今は厳しいときであり、そしてすべての人がそれぞれの状況でそれを感じています。そして今たくさんの国民が政治的な大会や一般の政治にしぶしぶ注目していることでしょう。信じてください、私もそうなのです。しかし私が今夜ここに来ているのは、私がこの国を心から愛しており、そしてとてもたくさんの人が苦しんでいるのを見ているのがつらいからなのです。

私はとても多くの皆さんにお会いしてきました。私は皆さんの物語をお聞きしてきました。そして皆さんを通じて、私はこの国の約束を理解しました。そして私の前に来てくれたとてもたくさんの皆さんのおかげで、彼らの労苦と汗と血のおかげで、私はその約束を守って生きることが出来てきました。

それはアメリカの物語です。彼らはもっといいことを、子どもたちのためにもっといいことをと望んだために犠牲を払って、自分たちの世代でとてもたくさんのことを乗り越えた、そうした様々な民衆たちの物語なのです。

その物語にはたくさんの美しさがあります。その中にはたくさんの痛みがあり、またたくさんの苦闘や不正や、しなければならない取り組みがあります。そして我々が今回の選挙で大統領として選ぶ人間はいずれにせよ、我々がその苦闘を称えてその不正を少しずつ崩し、その取り組みを完成させる可能性を継続させるか否なのかをまさに決定するでしょう。

私は大統領の任務という、巨大な重さと凄まじい力を間近で見てきた、今生きている一握りの人間の内の一人です。ですから皆さんに再びこう申し上げましょう。この職務は厳しいものです。それには頭脳明晰な判断と、複雑で矛盾する問題への熟達と、事実と歴史への強い情熱と、道徳的指針と、そして耳を傾ける力と――そしてこの国の3億3000万人の一人ひとりの命に重要で価値があるという信念を維持する力が必要です。

大統領の言葉には市場を動かす力があります。それは戦争を始めさせたり和平調停を始めたりすることができます。それは我々の中の良き天使を呼び起こしたり、我々の中の最悪の衝動を呼び覚ますことができます。この職務に関しては自分の道を簡単に偽ることはできません。

私が以前申し上げたように、大統領になることは自分自身を変えません。それは自分自身を表します。そうですね、大統領選挙は、我々自身を表すことにもなります。そして四年前にはとても多くの人が自分の投票には意味がない、と信じることを選びました。多分彼らはうんざりしていたのでしょう。多分彼らは結果が接戦ではないと思っていました。障害が険しさを非常に感じさせていたのかもしれません。いずれにせよ結果として、そうした選択が国家の一般投票で三百万票差で負けていた人間を大統領執務室に送りました。

結果を決定した州の一つでは、平均の勝利差が地区たったの二票でした――二票なのです。そして我々は皆その結果のもとで生活してきています。

私の夫が隣にいるジョー・バイデンと退任したとき、我が国は記録破りの雇用成長の進展をしていました。我々は二千万人の人に医療保険の権利を確保していました。我が国は世界中で尊敬を受けており、同盟諸国を結集して気候変動に対処していました。そして我が国の指導者たちは科学者たちと手に手をとって取り組み、エボラ出血熱の発生が世界的流行病になるのを防ぐのを支援しました。

四年が経過しましたが、この国家の状態はとても別のものになっています。15万人以上の人が亡くなり、そして我が国の経済は最悪です、なぜなら現大統領があまりに長くウイルスを軽視したからです。それが数百万人の人を失業させてきました。多すぎる人が医療保険を失いました。多すぎる人が食料や家賃のような基本的必需品の配慮に苦しんでいます。多すぎるコミュニティが学校を安全に開校できるかと困っているのに見捨てられています。国際的には、我々は背を向けました、私の夫が築いた合意だけでなく、レーガンやアイゼンハワーのような大統領たちが支持した諸同盟に。

そしてここ国内では、ジョージ・フロイド、ブリオナ・テイラー、そして殺され続ける罪なき有色人種の終わりなき名簿が、Black life matters が、今も国家最高の事務所から愚弄されているという、簡単な事実を語っています。

なぜなら我々が何らかのリーダーシップや宥めやちょっとした安定を求めてホワイトハウスを見るときに、我々が代わりに得るのはいつでも混沌や、分断や、完全無比な共感の欠如だからです。

共感。それは私が最近たくさん考えてきたことです。誰か他人の靴を履いて歩ける力です。すなわち他の誰かの経験にも価値があるということの認識です。我々のほとんどはそれを何のためらいもなく行っています。我々は苦しんだり苦闘していたりする人を見れば、判断に迷いません。我々は手を差し伸べます、なぜなら「神の恩寵がなければ、私はその道を歩んでいた。」からです。それは理解しにくい考えではありません。それはまさに我々が我々の子どもたちに教えていることなのです。

そしてとても多くの皆さんのように、バラクと私は我々の娘に最善を尽くして強固な道徳的基盤を浸透させ、我々の両親や祖父母が注ぎ込んでくれた価値観を携えて前進するようにしてきました。しかし今、この国の子どもたちは我々が、必要な他者への共感を止めるときに起こることを見ています。彼らは戸惑いながら周りを見ています、我々はこの期間、自分たち自身や自分たちの本当の価値観に関して嘘をついてきたのではないのかと。

彼らは人々が、我々皆を安全にするマスクを嫌がって、食料品店で叫ぶのを見ています。彼らは人々が、肌の色という理由だけのために、自分のことに集中している人のことで警察を呼ぶのを見ています。彼らはわずかな人だけが属すといわれる、貪欲はいいことで勝利がすべてだ、なぜなら成功すれば他のすべての人におこることはどうでもいいからだ、という資格を見ています。そして彼らは、その共感の欠如が完全な蔑視となるときにおこることを見ています。

彼らは我が国の指導者たちが、同胞の市民たちに州の敵だとラベル付けをしながら、火をつけ回る白人至上主義者たちを励ますのを見ています。彼らは子どもが家族から引き剥がされて檻に投げ込まれたり、画像撮影で唐辛子スプレーやゴム弾が、平和的抗議者に使われているのをゾッとしながら見ています。

悲しいことに、これが次世代に示されているアメリカです。単純に政治だけではなく、品性のことが並以下になっている国家なのです。そしてそれは失望させるというだけのものではありません。それはまったくひどく腹立だしいものなのです、なぜなら私は善性と優雅さはこの国家の至る所の家庭や地域のそこらにあるものだということを知っているからです。

そして人種、年齢、宗教、政治的指向に関係なく、我々がそうした騒ぎや恐れを締め出して、本当に心を開くことを締め出してしまえば、この国で進行することが本当に正しくないものになるということを我々は知っているでしょう。これは我々が望んでいる国ではありません。

それでは我々は今何をしましょう?我々の戦略とは何でしょう?この四年間、たくさんの人が私に尋ねてきました、「他の人があまりにも低く進んでも、高く進むのはなお本当に機能するのでしょうか?」私の答えです。高く進むのが、唯一機能することなのです、なぜなら我々が低く進めば、我々が他者を傷つけて人間性を奪うという、そうした同じ戦略を取れば、我々が他のすべてのことを苦しめる醜い騒音の一部に本当になってしまうからです。我々は自分たちを傷つけます。我々がそのために戦っている大義を、まさに傷つけてしまうのです。

また明確にしましょう。高く進むというのは、悪質さや残虐さに向き合ったときに笑顔を装いながら、いいね、ということを意味するのではありません。高く進むというのは、より厳しい道を取ることなのです。それは山頂への我々の道を削って引っ張るものなのです。高く進むというのは憎悪に逆らって熾烈に立ちながら、我々が神の下の一つの国家であり、我々が生きたいのなら自分たちの違いを超えて、ともに生きる方法を見つけて協力しなければならないということに、留意することを意味しています。

そして高く進むというのは、嘘と疑いの拘束を、我々を本当に自由に出来る唯一のことで解放することを意味しています。それはつまり冷たくて厳しい現実です。

ですから私に可能な限り真摯に明確にさせて下さい。ドナルド・トランプは我が国には間違った大統領です。彼にはその職務を出来ることを証明するふんだんな時間がありましたが、彼は明らかに理解できていません。彼はこの機会に応えることができていません。彼は我々が我々のために求めている人物にまったくなれていません。それが現状です。

さて、私は私のメッセージが一部の人たちには聞かれないだろうことを理解しています。我々は深く分断化している国家に住んでいて、私は民主党大会で話している黒人女性なのです。しかし今では皆さんのほとんどが私のことを知っています。私が話す、私がまさに感じていることを皆さんご存知でしょう。私が政治を嫌いなこともご存知でしょう。でもまた、皆さんは私がこの国家のことを配慮していることもご存知でしょう。私がいかに我が国の子どもたちすべてのことを配慮しているかということもご存知でしょう。

そういうわけで皆さんが今夜の私の言葉から一つのことを得るとすれば、それはこれです。皆さんがもし状況がまさかこれ以上悪化することはない、と思っているのなら信じてほしい、それはあり得ます。我々がこの選挙で変化を起こさないのならそうなるでしょう。我々がこの混沌を終らせる希望をもつのなら、我々の生活がそこにかかっているという気で、ジョー・バイデンに投票しなくてはなりません。

私はジョーを知っています。彼は信念に導かれた、深く品行正しい人物です。彼は素晴しい副大統領でした。彼は経済を救い、世界的流行病を撃退し、そして我が国を導く措置を知っています。そして彼は聞く耳を持っています。彼は真実を語り科学を信頼するでしょう。彼は賢明な計画を作って優れたチームを管理するでしょう。そして彼は我々の他、すべての人が理解できる生活を送る人として統治するでしょう。

彼が子どものときに、ジョーの父は職を失いました。彼は若い上院議員だったときに、妻と赤ん坊の娘を失いました。そして彼は副大統領だったときに、愛する息子を失いました。ですからジョーは空いている椅子があるテーブルに座ることの苦悩を知っています、それこそが彼が悲しんでいる親たちに惜しみなく時間を充てる理由なのです。ジョーはその苦闘がどんなものかを知っています、それこそが彼が吃音を乗り越える子どもたちのために、プライベートの電話番号を教える理由なのです。

彼の人生は復帰への証しです、そして彼はそれと同じ気概と情熱に導いて、我々全員を引き上げ、我々を癒す手助けをして我々の前進を導いてくれるでしょう。

さて、ジョーは完全ではありません。そして彼はそのことを初めに皆さんにいうでしょう。しかし完全な候補者や、完全な大統領はいません。そして彼の学んで成長する力の中に――我々はその中に、非常に多くの人が今切望している人間性と成熟性の類を見ています。なぜならジョー・バイデンは自分自身の視野をまったく失うことなく、その全生涯でこの国家に奉仕してきたからです、また何よりも、彼は我々全員の、我が国自身の視野をまったく失ってこなかったからです。

ジョー・バイデンは我が国の子どもたちすべてが良い学校に通い、病気にかかったときには医者に診てもらい、健全な地球に住むことを望んでいます。そして彼にはそれらすべてを実現させる計画があります。ジョー・バイデンは我が国の子どもたちすべてが、どんな容姿かに関わらず、嫌がらせを受けたり、逮捕されたり、殺害されたりすることを心配することなく、どこかに行けることを望んでいます。彼は我が国の子どもたちすべてが銃撃されることなく、映画や数学の授業に行けることを望んでいます。彼は我が国の子どもたちすべてが、自分たちや富裕な仲間たちだけでなく、困難な時期を迎えている国民のための安全策を提供してくれる指導者とともに成長することを望んでいます。

ですから我々がそうした目標のどれもを、機能する社会のためのこうした最も基本的な必須要件のどれもを、追求する機会を望むのなら、ジョー・バイデンに投票しなくてはなりません、無視できない大勢の人が。なぜなら今、正攻法では投票箱で勝てないと知っている人たちが、我々の投票を阻止できるすべてのことをしていくからです。彼らは少数派地区の投票所を閉鎖します。彼らは有権者名簿を除去します。彼らは人を派遣して有権者を脅して、我が国の投票の安全性を眠らせます。こうした戦略は新しいものではありません。

しかし今は抗議して投票を自制したり、勝つ見込みのない候補者と遊んだりしているときではありません。我々は我々が2008年と2012年にしたような投票をしなくてはなりません。我々はジョー・バイデンのために、同じ水準の情熱と希望をもって現れなくてはなりません。我々は早期に投票しなくてはなりません、出来れば個人で。我々は今、今夜、郵送票を求め、そしてそれをただちに返送してそれらが受領されたことを確認しなくてはなりません。そしてそれから、我々の友人や家族にも同じように確認させなくてはなりません。

我々は心地いい靴を履いて、マスクをつけて、夕食用の、または朝食用の持込飲食物をもたなくてはなりません、なぜなら我々はもししなくてはならないなら、徹夜で並ぶ意志をもたなくてはならないからです。

よろしいですか、我々は今年すでに非常にたくさんの犠牲を払ってきました。非常に多くの皆さんが、すでに余分な距離を進んでいます。皆さんは疲れているときでも、想像できないほどの勇敢さを結集させて、そうしたちっぽけなものを身に着けて、愛する人たちに戦う機会を与えています。皆さんは心配なときでも、そうした包みを配達して、そうしたものの棚に仕入れをして、様々な必要な取り組みをしています、我々すべてが前進し続けられるように。

そしてすべての人がとても圧倒的なものを感じているとしても、共働きの夫婦は児童手当なしでも何とかして、様々なことでつなぎ合わせています。教師は創造的になって我が国の子どもたちがなお学んで成長できるようにしています。我が国の若者は必死になって戦って、彼らの夢を追求しています。

そして組織的な人種差別の恐怖が我が国と我々の良識に衝撃を与えたとき、全世代の、様々な経歴の何百万人ものアメリカ国民が、立ち上がって互いのために行進してきました、正義と進歩のために叫びながら。

これが今でも我々なのです。同情的で、弾力的で、品行正しい国民であり、その富は互いに固く結びついています。そして我が国の指導者たちがその真実を再び反映する時は、とっくに来ています。

そういうわけで、我々に我々の声と我々の票を歴史の進路に加えることが任されています、「皆さんが不正なことを見たなら、何かをいわなくてはならない。何かをしなくてはならない。」といったジョン・ルイスのような英雄たちに同調をして。それが最も真摯な共感の形なのです。気持ちだけではなく行動することです。自分たち自身や自分の子どもたちのためだけではなく、すべての人のために、すべての子どもたちのために。

そして我々がその進歩の可能性を現代に生かしたいのなら、我々がこの選挙後に子どもたちの目を見ることを望むのなら、我々はアメリカの歴史の中における自分たちの位置を再び主張しなくてはなりません。そして我々は出来るすべてのことをして我が友人、ジョー・バイデンを、合衆国次期大統領として選出しなくてはなりません。

皆さんありがとう。神のご加護を。

 

 

参考記事:

https://www.washingtonpost.com/politics/2020/08/18/michelle-obama-dnc-speech-annotated/