I've translated President Obama’s statement on Iranにひひ

オバマ米大統領のイランに関する声明を訳しました。

歴史的な合意とのことです。

 

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ホワイトハウスにて(2015年7月14日)

オバマ米大統領 イランに関する声明 日本語訳

 

大統領:本日、二年間の交渉を経て、合衆国は、パートナー諸国とともに、憎しみの数十年が実現しなかった重要なことを実現しました――イランの核兵器取得を防ぐ、イランとの包括的長期合意です。


この合意はアメリカ外交が現実的で意義のある変化をもたらせられることを証明しました――この変化は我が国を、そして世界を、さらにしっかりと安全にします。この合意はまたアメリカのリーダーシップの伝統と一致しています。今から50年以上前にケネディ大統領がアメリカ国民の前に立ち、「恐怖から交渉をしてはいけないが、交渉するのを怖がってはいけない。」といいました。彼はそのとき合衆国とソビエト連邦間の協議の必要性を語り、核兵器の拡散を制限する取り組みを導いたのです。


その当時の危機は、両超大国間の壊滅的な核戦争でした。この時代の危機は核兵器がますます国に拡散することであり、特に中東という、世界で最も不安定な地域においてです。


本日、アメリカが強さと原則に基づく立場から交渉したことにより、我々はこの地域の核兵器の拡散を阻止しました。この合意のおかげで国際社会はイラン・イスラム共和国が核兵器を開発していないことを検証できます。


この合意は我々がこの春早くに合意枠組みを実現したときに規定した決定のどれもをことごとく満たしています。核兵器へのあらゆる経路を断っています。そして対象物を検証するために必要な査察と透明性の体制が導入されます。この合意のためにイランは核爆弾に必要な原材料である高濃縮ウランと兵器級プルトニウムを製造しないでしょう。


この合意によりイランは設置された遠心分離機の三分の二を撤去します――それは爆弾用の高濃縮ウランの製造に必要な機器でありまして――国際監視の下で継続的に保管されます。イランは先進的な遠心分離機を今後十年間、濃縮ウランの製造に使用しません。また貯蔵濃縮ウランの98パーセントを削減します。


これを視点を変えて説明すると、イランには現在核兵器を10機まで製造できる貯蔵があります。この合意によってその貯蔵がわずか兵器一つに必要な分にまで削減されるのです。この貯蔵制限は15年間継続します。

 

この合意によりイランはアラクの原子炉の炉心を兵器級プルトニウムを製造しないように再建します。そして原子炉の存続期間中、原子炉の使用済み核燃料を国外に搬出することに合意しました。少なくとも今後15年間、イランは重水炉をまったく新設しません。


この合意により我々は初めて、これらの契約すべてを検証する立場にいることになります。つまりこの合意が信頼に基づくのではなく、検証に基づいているということです。査察官がイランの主要核施設に24時間体制でアクセスします。


査察官はイランのすべての核サプライチェーンに――ウランの鉱山と精鉱、転換施設、そして遠心分離機の製造と貯蔵施設にアクセスします。これはイランが物資を既知の施設から秘密の施設に迂回させられないことを保証します。この透明性の手段は部分的に25年間実施されます。


この合意により、査察はまたすべての疑わしい場所にアクセスできます。簡単にいえば、査察の権限をもつ組織であるIAEA(国際原子力機関)は必要な場所を、必要な時にアクセスします。その取り決めは永久的です。そしてIAEAはまたイランの過去の核研究がもつ軍事的側面の可能性の調査を完遂するための、必要なアクセスを得る合意に達しました。


最後に、イランは核兵器不拡散条約下で核兵器追求を永久に禁じられます、それはイランに圧力をかける国際社会の取り組みの基盤を提供してきた条約です。


イランがこの合意を履行する措置を講じれば、イランの核計画のために我々が導入した制裁の緩和を受けます――アメリカの制裁と国連安全保障会議に科された制裁の両方です。この緩和は段階的に導入されます。イランは新たな制裁緩和を受け始める前に主要な核兵器の措置を完了しなければなりません。ですから今後十年間の進路において、イランは五年間の兵器に関する制限や八年間の弾道ミサイルに関する制限などの制裁が解除される前に合意を順守しなければなりません。


このすべてが国連安全保障決議に新たに請願書が提出されて承認されます。そしてイランが合意に違反すれば、この制裁すべてが元の位置に戻ります。つまりイランには履行する大変明確な誘因があり、違反には大変現実的な結果があります。


これが合意です。合意には国際社会の全面的な支持があります。議会には今詳細を再検討する機会があり、我が政府はこれを前進させる方法に関する克明な説明を提供する用意をいつでもしています。


アメリカ国民と議会が合意を再検討するときには代案を考えることが大切です。この合意がない世界に何がおきるかを考えてほしい。この合意がなければ、イランが核計画を完全に廃棄するまで世界が制裁に参加するシナリオがありません。この種類の圧力下で簡単に黙って従うといっても、イラン政府について我々には何もわかりません。ですから永久的な制裁でイランを従わせる取り組みを世界は支援しないでしょう。我々は外交的解決を得るために制裁を導入したのであり、それが我々がしてきたことです。


この合意がなければ、イランの核計画への合意された制限はないでしょう。イランはますます遠心分離機を製造し、稼働させて試験をできるでしょう。イランは爆弾用プルトニウムを製造する能力のある原子炉を燃焼させるでしょう。そして我々に秘密の核兵器計画を検証させる査察はまったくないでしょう。いいかえれば合意がなければ、イランの核計画の持続的な制限がないということです。


そのようなシナリオでは、その地域の他の国々が自国で核計画を追求するように強いられているように感じ、世界で最も不安定な地域での核兵器競争の脅威を与える可能性を強めるでしょう。またそれは合衆国に、より少なく、より非効率的なイランの核兵器取得を阻止する選択肢は与えるでしょう。


私はこれまで、六年間大統領であり最高司令官であってきました。何度も、軍事力行使をするかしないかの決定に向き合ってきました。それはすべての大統領がしなければならない最も重大な決定です。何度も、多数からなる国々の中で、私は軍事力行使の決定をしました。そしてそれが我が国の安全保障利益にかなうなら、私はそうすることを決してためらいません。私は我が国の国家安全保障利益は今、イランの核兵器取得を阻止することにかかっていると強く確信しています――つまり外交的解決策がなければ、私や未来の合衆国大統領がイランに核兵器の取得をさせるか、あるいはそれを阻止するため我が軍を行使するかの決定に向き合うことになるだろうということです。


簡単にいえば、合意がないことは中東での戦争の増える可能性がより高くなるということです。また、我々はこの問題が平和的に解決され得るかを試すことで何も諦めてはおりません。仮に最悪のシナリオでイランが合意に違反した場合でも、現在私が利用できるのと同じオプションが未来の合衆国大統領全員に利用できます。そして私は今後10年や15年にこの任務に就くものが、兵器から遠く離れたイランと、その開発を我々に監視させる査察と透明性のおかげで、はるかに強い立場にいることをまったく疑っておりません。


この理由のために、私はこの合意を撤回するのは無責任であると確信しています。しかしこのような難しい問題では、アメリカ国民と議会の代表者に合意を再検討する機会が十分にあることが大切です。つまりこの合意は重大なのです。そして我々にはその詳細に取り組んでいる、世界で最も素晴らしい核兵器科学者たちがいくらかいます。そして我々が取引している国は――イランであり――35年間合衆国の誓った敵対者であってきました。ですから私はこの課題に関して議会でのしっかりした議論を歓迎し、そしてこの合意の詳細の吟味を歓迎します。


また私はこのような合意を友人とするのではないということを議会にいっておきます。我が国はソビエト連邦が我が国の破壊に専心していたときに軍備管理の協定を交渉しました。そしてその協定は最終的に我が国をより安全にしました。


私にはこの合意が合衆国と同盟諸国の国家安全保障利益にかなうという自信があります。そこでこの合意の履行の成功を妨げる法案すべてに拒否権を行使します。


我々はいつもの対立への悪循環を受け入れる必要はありません。そして確実にそれを求めるべきではありません。そして危険度が非常に高いからこそ、今は政治的駆け引きをしている時ではありません。ワシントンの難しい話は問題を解決しません。現実的な外交政策、世界の主要国を結束させたリーダーシップが、イランが核兵器を追求していないことを検証するさらに効果的な方法を提示しているのです。


さて、それはこの合意がイランとの我が国の相違のすべてを解決するということにはなりません。我々はイスラエルや湾岸諸国などの中東の多くの友好諸国に表明された懸念を共有しており、イランによるテロの支援や、地域を不安定化させる代理の使用への懸念です。しかしそれがまさに我々がこの措置を講じている理由なのです――なぜなら核武装したイランこそが友好諸国と世界をはるかにもっと不安定化させるものであり、はるかにもっと危険だからです。


一方、我々は引き続きイランのテロ支援、弾道ミサイル計画、人権侵害に関して我が国の制裁を行います。我々は引き続きイスラエルの安全保障強化への前例のない取り組みを行います――以前のどのアメリカ政府が行なったことも超える取り組みです。そして我々は引き続きキャンプ・デービッドで始めた取り組みを行って湾岸諸国との協力を引き上げ、イランやISILのようなテロ集団の脅威に対抗する彼らの能力を強化します。


また一方で、私は我々がこの地域が、大変多くの苦難や大変多くの流血で知られた地域が、別の方向に動けるかを試し続けなければならないと確信しています。


何度も、私はイラン国民に我々が相互利益と相互尊重の基盤に基づく契約に常にオープンでいると明確にしてきました。我々の相違は実際にあり、我々の国の難しい歴史は無視できません。しかしそれを変えることは可能です。暴力や厳格なイデオロギーの道、隣国を攻撃したり、イスラエルを撲滅する脅威にもとづく外交政策は――それは袋小路です。別の道が、紛争の寛容で平和的な解決策の一つが、グローバル経済へのさらなる融合、国際社会とのさらなる関与、そして成長して繁栄するイラン国民の力を導きます。


この合意が新たな方向に動く機会を提供しています。我々はそれを掴むべきです。


我々がこの地点に到達するのは長い道のりでした――数十年のイランの核計画、何年もの制裁、そして何カ月もの厳しい交渉。本日、私はとても効果的であると証明された制裁を我々が導入するのを支援してくれた両党の議員たち、またこの取り組みに参加してくれた他の国々に感謝したいと思います。


私は我が国の交渉パートナーたち――イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国、またEUに――この取り組みでの我々の結束に感謝したいと思います、我々が紛争に平和的に対処するビジョンを共有すれば、世界に目覚ましいことができることを示しました。我々は我々が分断しないときにできることを示しました。


そして最後に、私はアメリカの交渉チームに感謝したいと思います。我々にはこの件に数週間続けて取り組んだエネルギー長官、アーネスト・モニズを始めとする専門家チームがいました。そして私は国務長官、ジョン・ケリーに特に感謝したい、彼はこの国への奉仕を四十年以上前に制服を着て戦争に行ったときに開始しました。彼は今、強く、原則に基づいたアメリカ外交への取り組みでこの国をより安全にしています。


歴史はアメリカが我々の力だけでなく、我々の原則に基づいて主導しなければならないことを示しています。歴史は我が国が孤立するときでなく、世界を一つにするときに強化されることを示しています。本日の発表はより安全で、より有益で、より希望に満ちた世界の探求にさらなる一章を記します。

 

ありがとう、皆さんに神のご加護がありますように。そしてアメリカ合衆国に神のご加護がありますように。






 

参考記事:

https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2015/07/14/statement-president-iran