I've translated President Obama's address to the United Nations General Assemblyにひひ

オバマ米大統領の国連総会演説を訳しました。

 

2
国連総会にて(2014年9月24日)
 

オバマ米大統領 国連総会演説 日本語訳

 

 

オバマ大統領:議長、事務総長、同胞たる代表団の方々、皆様、我々はともに岐路にやってきています、戦争と平和との。混沌と統合との。恐怖と希望との。

 


世界中に進歩を示す道標があります。この機関の創設時に存在した世界大戦の影はなくなりました。大国間の戦争の可能性は減少しました。加盟国の仲間は三倍以上になり、より多くの人が自分たちの選出した政府の下で生活しています。数億人の人類が貧困の牢獄から解放され、極度の貧困の中で生活する人の割合は半減しました。そして世界経済は我々の生涯最悪の金融危機の後、強化され続けています。


今日では、ニューヨークの商業地区で暮らしていても、ナイロビから200マイル以上離れた私の祖母の村で暮らしていても、世界最大の図書館以上の情報を手にすることができます。我々はともに、病気の治療法や、風力や太陽光の利用法を学びました。この機関の存在はまさに比類なき偉業であり――世界の人々が自分たちの違いを平和的に解決し、自分たちの問題をともに解決することに取り組んでいるのです。私は合衆国の若者たちにしばしばいっています、ニュースの見出しには関係なく、今が人類の歴史で生まれるのに最高の時だ、かつてなく読み書きができ、健康で、自由に夢を追求する可能性があるからだと。


ですがしかし世界には不安が蔓延しています――私たちを一つにする、まさにその力が新たな危機を創り、どの国にも一国で自らをグローバルな力から守るのを難しくさせたと感じています。私たちがここに集まっているときも、エボラ出血熱の流行が西アフリカの公衆衛生制度を圧倒し、国境を越えて急速に拡大する脅威を与えています。ヨーロッパへのロシアの侵略が、大国が領土的野望を追求して小国を蹂躙した日々を思い出させます。シリアやイラクのテロリストの残虐さが、我々に人の闇の心を覗き込ませています。


こうした問題のそれぞれが即時の注意を喚起しています。しかしそれらはまたより広範な課題の兆候でもあります――我々の国際システムが相互接続された世界と十分に歩調を合わせていないことです。我々は発展途上国の公衆衛生能力に十分な投資をしてきませんでした。不都合なときに国際的規範を実施するのを幾度も怠りました。そして地球の多過ぎる場所にいる暴力的過激派を育てる、不寛容や、宗派心や、絶望に十分強く向き合ってきませんでした。

 

同胞たる代表団の方々、我々は国際連合として集合して選択をします。我々は大変多くの進歩を可能にしてきた国際システムを更新できますし、あるいは不安定化の逆流によって後退することもできます。グローバルな問題に向き合う連帯責任を再確認することができますし、あるいはますます多くの不安定化の発生に圧倒されることもできます。アメリカにとってその選択は明白です、我々は恐怖よりも希望を選びます。未来を我々にコントロールできないものではなく、協力された集団的取り組みによって、よりよく形成できるものとして見ます。人類の出来事に関して運命論やシニシズムを拒否します。我々の子供たちにふさわしい、あるべき世界のために取り組むことを選びます。

 


現時点の試練に対処するためにしなければならないことはたくさんあります。しかし今日私は我々の大変多くの難題の根本にある、二つの決定的問題に注目したいと思います――今日ここにいる諸国家が国連創設の目的を更新できるか、そして暴力的過激派というガンを拒絶するために一つになるかということです。


第一に、我々すべてが――大国も小国も――国際的規範を順守して実行する責任を果たさなければなりません。


我々は、征服よりも協力から得るものの方が多いことを、他の人たちが理解したおかげでここにいます。百年前に、何百万人もの命を世界大戦が奪い、近代兵器の恐ろしい力をもった帝国の大義は、最終的に墓場を導くことが証明されました。ファシズム勢力と人種優越主義を撃退してこの国際連合を設立して、どの国も隣国を征服して領土を奪えないよう確実にするために、更に世界大戦を要しました。


最近の、ウクライナでのロシアの行動はこの戦後秩序への挑戦です。これが事実です。ウクライナ国民が民衆抗議運動を起こして改革を要求した後、彼らの腐敗した大統領は逃亡しました。キエフの政府の意思に反して、クリミアは併合されました。ロシアはウクライナ東部に兵器を送って、暴力的過激派をあおり、数千人を殺した紛争がおこりました。こうした代理者たちが支配する地域から民間航空機が撃墜されたときに、彼らは数日間墜落場所への接近を拒みました。ウクライナが自国の領土の支配権を再び主張し始めたとき、ロシアは単に分離主義者たちを支援しているというふりをやめ、軍隊を国境を越えて動かしました。


これが力が正義なりという世界のビジョンです――ある国の国境を他国が引き直せる世界であり、暴露されるかもしれない真実のために最愛の人の遺体を収容することが文明人に許されません。アメリカは別のビジョンを支持します。我々は正義が力なり――より大きな国がより小さな国に威張れるべきではない、そして国民が自分たちで未来を選べるべきだと信じています。


そしてそれは単純な真理ですが、守られなければなりません。アメリカと同盟諸国はウクライナ国民が民主主義と経済を発展させるときに支援します。我々はNATO同盟諸国を強化し、集団的自衛へのコミットメントを守ります。ロシアに侵略の代償を課し、真実をもって虚構に立ち向かいます。そして他の国々に歴史の正しい側に参加するよう要請しています――銃身で小さな利益は勝ち得ますが、国家と国民が自らの決定をする自由を十分な声が支持すれば、それは最終的に元に戻されるからです。


さらに、別の道が可能です――外交と平和の道であり、この機関が守るように作られている理想です。最近のウクライナでの停戦協定は、そうした目標を実現する余地を与えています。ロシアがこの道をとれば――ロシア国民の繁栄に帰した冷戦後の期間を延長する道ですが――そのとき我々は制裁を解除して、共通の難題に取り組むロシアの役割を歓迎します。それこそが合衆国とロシアが過去数年間できてきたことです――核不拡散条約下の義務を守る備蓄核の削減から、シリアが申告した化学兵器の除去と破壊での協力まで。そしてそれは我々に再び追求する用意がある協力の種類です――もしロシアが進路を変えるのなら。


このことは我々グローバル世代の中心の課題を示しており――我々が相互利益と相互尊重の精神をもって問題をともに解決するか、あるいは過去の破壊的な対立状態に下降するかということです。国家が力だけでなく原則に基づいた合意点を見出せば、そのとき我々は巨大な進展を起こせます。そして今日皆さんの前に立っている私はアメリカの力を使って、すべての国と協力して我々が21世紀に向き合っている問題に取り組む決意でいます。


こうしている間にも、アメリカは医者や科学者を派遣して――我々の軍にサポートをされながら――エボラ出血熱の流行の阻止と新しい治療法の追求を支援しています。しかし我々は数万人を殺し、恐ろしい苦痛を与え、経済を不安定にし、国境を越えて急速に拡大する可能性のある病気を阻止する、さらに広範な取り組みが必要です。それは遠い問題として思われがちです――それが遠くなくなるまで。だからこそ我々はこの流行と戦い、そして長期にわたって世界の健康安全システムを強化する具体的なコミットメントに、重要なコミットメントに他の国が参加するよう動かし続けるのです。


アメリカはイランの核問題の外交的な解決を追求しています、核兵器の拡散を阻止し、核兵器のない世界という平和と安全を追求する我々の取り組みの一つとして。これはイランがこの歴史的な機会を掴むときにだけ起こり得ます。イランの指導者と国民への私のメッセージは単純で一貫してきました。この機会を逃さないようにしましょう。我々は皆さんの計画が平和的なものであることを世界に保証しながら、皆さんのエネルギーの要求を満たす解決に到達することができます。


アメリカは今もこれからも太平洋の力であり続け、平和と、安定と、国家間の商取引の自由な流れを促進します。しかし我々はすべての国が交通規則を順守し、領土問題を平和的に解決し、国際法と一致していることを主張します。それこそがアジア太平洋地域が成長してきた方法です。そしてそれこそがこの進歩の前進を守る唯一の方法なのです。


アメリカは2030年までに極度の貧困を撲滅する開発課題に取り組んでいます。我々は人々が自力で食べ、経済を推進し、病人を世話をするのを支援することへの自分たちの役割を果たします。世界がともに行えば、子供たちすべてが機会と尊厳のある生活を享受できるように確実にできます。


アメリカは二酸化炭素排出の削減を意欲的に追求し、クリーンエネルギーへの投資を拡大しました。我々は自分たちの役割を果たし、発展途上国が彼らの責任を果たせるよう支援します。しかし気候変動との戦いでは他の国すべてが、主要国すべてがこの取り組みに参加するときにのみ、我々が成功できると科学が教えています。そのようにして私たちはこの地球を子供や孫たちのために守れるのです。


言い換えれば、相次ぐ問題で、我々は別の世紀のために書かれた規則書を信頼できないのです。我々がまなざしを上げて国境を越えて向ければ――グローバルに考えて協力的に行動すれば――我々の先人たちが第二次大戦後の世代を形成したように、我々が今世紀の進路を形成できるのです。しかし未来を見るとき、ある問題がこのような大変多くの進歩を脱線させられる紛争サイクルの危険を冒しています。それはイスラム世界の大変多くの場所を破壊してきた暴力的過激派というガンです。


もちろんテロは新しいものではありません。この総会での以前の演説でケネディ大統領がうまくそれを述べており、「テロは新しい兵器ではない、」彼はいいました。「歴史を通してそれは説得によっても模範によっても優勢になれなかったものに使われてきた。」20世紀において、テロは民衆の支持による力になり損ねた様々な種類の集団によって用いられました。しかし今世紀に、我々は世界の大宗教の一つを悪用した、より致命的でイデオロギー的な種類のテロリストに直面しました。小さな集団が大きな被害を与えるのを可能にするテクノロジーを利用して、彼らは世界を信者と異教徒とに分ける悪夢のようなビジョンを展開してきました――可能な限り多くの罪なき民間人を殺し、最も残忍な方法を使って彼らの地域社会内部の人たちを脅迫しています。


私はアメリカがテロへの対応を外交政策全体の基本にはしないと明確にしてきました。そうではなく、我々はアルカイダとその支部勢力に対抗することに集中した軍事作戦を実施してきました――指導者たちの掃討や、彼らが依存する安全避難所を与えないことです。同時に、合衆国がイスラム教と戦争中ではなく、決して戦争をしないことを繰り返し再確認してきました。イスラム教は平和を説いてます。世界中のイスラム教徒は尊厳と正義の感覚をもって生活することを切望しています。そしてアメリカとイスラム教に関して、我々と彼らというものはありません、あるのは我々だけです――なぜなら数百万人のイスラム教徒のアメリカ国民が我が国という組織の一員だからです。


そういうわけで我々は文化を衝突させるいかなる提案も拒否します。恒久的な宗教戦争という信念は何も築いたり創ったりできず、それゆえ狂信と憎しみだけをばらまく過激派たちの間違った避難所です。ですから人類の未来は、我々を部族や派閥や、人種や宗教による間違った断層線に沿って分断しようとするものに対抗して、我々が団結することにかかっているといってもまったく言い過ぎではありません。


またこれは簡単な言葉の問題ではありません。我々は全体として、具体的な措置をとり、宗教に動機づけられた狂信者によりもたらされる危険と、彼らの勧誘をあおる動向に対処しなければなりません。さらに、過激派に対抗するこの作戦は狭義の安全保障問題を越えています。我々がアルカイダ中枢を入念に弱体化させて、主権的なアフガニスタン政府への移行を支援してきた一方で、過激派のイデオロギーが別の場所に移ってきたからです――特に中東と北アフリカの、若者の四分の一に仕事がない所や、食料と水が不足してきている所や腐敗が蔓延し、宗派間対立を抑えるのがますます難しくなっている所です。


国際社会として、我々は四つの分野に焦点を当てて、この難題に対処しなければなりません。第一に、ISIL(イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」)として知られるテロ組織を弱体化させて、最終的に壊滅させなければなりません。


この組織はイラクとシリアで、出会うものすべてを脅迫してきました。母親、姉妹、娘たちが戦争の兵器として性的暴行を受けてきました。罪なき子供たちが射殺されてきました。死体が集団墓地に捨てられてきました。宗教的少数派が餓死させられてきました。想像可能な最も恐ろしい犯罪により、罪なき人間が斬首されてきており、残虐な動画が配信されて世界の良心に衝撃を与えました。


どんな神もこのテロを許しません。どんな不満もこれらの行動を正当化しません。どんな論理的思考も――どんな交渉も――この悪の類にはあり得ません。このような殺し屋たちに理解される唯一の言葉は力による言葉です。ですからアメリカ合衆国は幅広い連合と協力して、この死のネットワークを壊滅させます。


この取り組みにおいて、我々は単独で行動しませんし――合衆国部隊を派遣して外国の土地を占拠するつもりもありません。そうではなく、イラク人とシリア人が戦って、地域社会を取り戻すのを支援します。我が国は軍事力を空爆作戦で用いて、ISILを後退させます。地上でこうしたテロリストと戦う勢力を訓練して装備します。彼らの資金源を断ち、地域に出入りする戦闘員の流れを阻止することに取り組みます。すでに、40ヵ国以上がこの連合への参加を表明しました。


本日、私は世界にこの取り組みに参加するよう頼みたい。ISILに参加したものはできるうちに戦場を去るべきです。憎しみに満ちた大義のために戦い続けるものはますます孤独になってゆくことに気づきます。我々が脅しに屈さず、未来が破壊するものではなく――築くものに属すということを示すからです。そういうわけでこれが即時の課題で、我々が対処しなければならない第一の課題です。


二番目。今こそ世界が――特にイスラム社会が――明確に、力強く、一貫して、アルカイダやISILのような組織のイデオロギーを拒絶する時です。


敬けんな信仰を現代的な、多文化的な世界に適応させることがすべての大宗教の任務の一つです。どんな子供も憎むように生まれついてはいませんし、どんな子供も――どこにいても――他人を憎むように教育されるべきではありません。罪のない人をユダヤ教徒だから、キリスト教徒だから、イスラム教徒だからという理由で害するよう人々に要請する、聖職者とよばれているものへの寛容がこれ以上あるべきではありません。今こそこの世界の文明人たちの間で、その最も基本的な源泉での争い、暴力的イデオロギーによる若い精神の腐敗を、殲滅する新たな合意をする時です。


それはこの憎しみをあおる資金源を断つということになります。今こそ世界経済によって富を蓄積し、そして資金を子供に世界経済の破壊を教えるものに吸い出すものたちの偽善を終わらせる時です。


それはテロリストが占有する空間で戦うということになります、インターネットやソーシャルメディアなどです。彼らの宣伝は若者を外国に行かせて彼らの争いを戦わせ、学生を――可能性に満ちた若者たちを――自爆テロリストに変えてきました。我々は別のビジョンを与えなければなりません。


それは異なる信仰をもつ人々を団結させるということになります。あらゆる宗教がある時点で、内部から過激派に攻撃されてきています、ですから信仰をもつすべての人にすべての大宗教の中心にある価値観を引き上げる責任があります。「あなたがしてもらいたいと思うことをあなたの隣人にしなさい」です。


ISILやアルカイダやボコ・ハラムのイデオロギーは、常に白日の下にさらされて、比較され、反論されれば枯れて滅ぶでしょう。新たな"Forum for Promoting Peace in Muslim Societies(イスラム社会の平和促進のためのフォーラム)"を見てほしい。シェイク・ビン・バイアーがその目的を述べました。「我々は戦争に戦争を布告しなければならない、平和の上に平和があるという結果になるように。」"notinmyname"運動を始めてテロリストの宣伝に応酬した若いイギリス人のイスラム教徒を見てほしい、「ISIS(イスラム国)は偽りのイスラム教の後ろに隠れている」と宣言しています。中央アフリカ共和国で一つになって暴力に反対したキリスト教徒とイスラム教徒の指導者たちを見てほしい、イマムの話を聞いてほしい、彼はいいました、「政治が我が国の宗教を分断しようとしているが、宗教は憎しみや、戦争や、争いの理由であるべきではない。」


今日この後、安全保障理事会が暴力的過激派に対抗する各国の責任を強調する決議を採択します。しかし決議は有形の取り組みによって続かなければなりません、我々が不十分であるときには責任を負えるように。来年、我々皆、自分たちの国で過激派のイデオロギーに対抗するために講じた具体的な措置を発表する用意をするべきです――学校から不耐性を除去したり、拡散する前に急進化を阻止したり、新たな理解の架け橋を築く組織やプログラムを促進したりすることなどを。


三番目、我々は紛争のサイクルに取り組まねばなりません――特に宗派間対立です――それはテロリストが食い物にする状況をつくります。


宗教内の争いについて新しいものはありません。キリスト教が悪質な宗派間対立を数世紀間続けました。今日ではそれはイスラム社会内の暴力であり、人類の大変多くの不幸の源泉になってきました。今こそ中東中のスンニ派とシーア派間の代理戦争やテロ活動によって行われた破壊を認識する時です。そして今こそ宗派間の争いを政治的、市民的、宗教的指導者たちが拒否する時です。そこで明確にしましょう。これは誰も勝たない戦いです。シリアの残虐な内戦はすでに約200,000人を殺し、数百万人を退去させました。イラクは地獄に戻りかねない危険を冒しました。この争いがこの暴力を必然的に輸出するテロリストたちの肥沃な勧誘場所を作ったのです。


良いニュースは我々がまたこの流れが反転可能な兆候を見ていることです。バグダッドに新たな、包括的な政府が発足しました。隣国に歓迎されているイラク新首相。戦争を引き起こそうとするものを拒むレバノンの各党。そしてこうした進展はより幅広い停戦へと続かなければなりません。これがシリアほど必要な所はどこにもありません。


協力諸国とともに、アメリカはシリア反体制派を訓練して装備し、ISILのテロリストとアサド政権の残虐性への均衡勢力にしています。しかしシリア内戦の恒久的な解決は政治的な――民族性を問わない、信条を問わない、すべてのシリア国民の合法的な切望に応える包括的な政治的な移行のみです。


皮肉屋はこのような結果は決して実現できないと主張するかもしれません。しかしこの狂気を終わらせるのに他の方法はありません――今から一年後でも十年後でもです。そしてそれは今こそこの地域でのより広範な交渉の時だという事実を示しています。主要勢力が、銃を持った代理人ではなく、互いにテーブルについて直接、率直に、平和的に自分たちの相違に取り組むのです。私はアメリカがこの地域に関与し続けると皆さんに約束できますし、この取り組みに関与する用意があります。


私の四番目の最後の論点は簡単なものです。アラブとイスラム世界の各国はその国民の――特に若者たちの――特別な可能性に注意を向けなければなりません。


ですからここで私はイスラム世界中の若者たちに直接伝えたい。皆さんは無知ではなく教育、破壊ではなく革新、殺人ではなく生命の尊重を支持する素晴らしい伝統の出身です。この道から皆さんに離れるようにいうものはこの伝統を守っているのではなく、裏切っています。


皆さんは若者に成功する道具があるとき――良質の学校や、数学や科学の教育や、創造性や企業化精神を養う経済があるとき――そのとき社会が繁栄することを示してきました。そしてアメリカはそのビジョンを促進する人たちと協力します。


女性が国の政治や経済に完全に参加する所では、社会の成功をより期待できます。だからこそ我々は議会や和平プロセスへの、学校や経済への女性の参加を支援するのです。


若者が国の独裁か、隠れた過激派の誘惑かしか選べない所で生活していれば、それならどんな反テロ戦略も成功できません。しかし繁栄を可能にする真の文明社会なら――人々が自分たちの意見を表現でき、よりよい生活のために平和的に組織化できるところであれば――劇的にテロの代案を拡大させます。


そしてそのような前向きの変化に、伝統や信仰を犠牲にする必要はありません。我々はイラクでこれを見ています、そこでは若者が仲間のために図書館を始めました。「我々はイラクの遺産を彼らの心につなげます、」彼は言いました、「彼らに滞在する理由を与えるのです」。我々はそれをチュニジアで見ています、そこでは非宗教者とイスラム教の政党が政治プロセスで協力して、新たな憲法を作りました。我々はそれをセネガルで見ています、そこでは文明社会が強固な民主主義政府とともに繁栄しています。我々はそれをマレーシアで見ています、そこでは活気ある企業化精神が以前の植民地を経済先進国に仲間入りさせています。そして我々はそれをインドネシアで見ています、そこでは暴力的移行として始まったものが本当の民主主義へと進化しました。


さて、最終的に宗派主義を拒絶して過激主義を拒絶する課題は一世代的な仕事であり――中東の国民たち自身の課題です。どんな外部の力も心や精神の変化はもたらせません。しかしアメリカは敬意を表す建設的なパートナーになります。我々はテロリストの安全避難所を我慢せず、占領する力としての行動をとりません。我々の安全保障と同盟諸国への脅威に対抗する行動をおこす一方で、反テロの協力体系を築きます。過激派のイデオロギーに対抗するものや、宗派間対立の解決を求めるものを引き上げる取り組みを強化します。そして企業化精神や文明社会や、教育や若者を支援する我々の計画を拡大します――なぜなら最終的に、こうした投資が暴力への最高の解毒剤だからです。


我々は同じく、リーダーシップがパレスチナとイスラエル間の争いへの取り組みに必要とされていることも認識しています。情勢が暗く見えてもアメリカは平和の追求を諦めません。イラク、シリア、リビアの情勢を理解すれば、アラブ―イスラエルの争いがこの地域の主要な問題の源であるという、誰もが抱いている幻想を治すはずです。それはあまりに長く、人々の目を国内問題から逸らさせる言い訳として使われてきたのです。現在この地域を巻き込んでいる暴力が、あまりに多くのイスラエル人に平和への難しい取り組みを断念させるようにしてきました。そのことについてはイスラエル内で考える価値があります。


なぜなら明確にさせましょう。ヨルダン川西岸とガザの現状は持続可能ではありません。我々はロケット弾が罪のないイスラエル人に発射されたり、とても多くのパレスチナ人の子供たちの命がガザから奪われるときに、この取り組みから顔をそむけるわけにはいきません。私が大統領である限り、我々はイスラエル人、パレスチナ人、その地域、そして世界はイスラエルとパレスチナが平和で安全に共存することで、より公正に、より安全になるという原則を支持します。


そういうわけでこれがアメリカがする用意があることです。即時脅威に対して行動をおこす一方で、そのような行動の必要性が減る世界を追求します。合衆国は決して国益を守ることを避けませんが、またこの機関と世界人権宣言の約束――平和とは単に戦争がない状態ではなく、よい生活があること、という考えも避けません。


私はアメリカの批評家が、我々が理想に従って行動するには時々至らな過ぎたことや、国境内に多くの問題を抱えていることをすぐに指摘することは承知しています。これは本当です。中東と東ヨーロッパの不安定が目立った夏に、世界がまたミズーリ州のファーガソンというアメリカの小さな町に注目したのを知っています――そこで若者が殺され、地域社会が分断されました。ですからそう、我々には自分たちの人種的、民族的な緊張があります。そしてすべての国のように、グローバル化とより大きな多様性によって作られる巨大な変化と、我々が大切にしている伝統とを調和させる方法に取り組み続けています。


しかし我々は世界の吟味を歓迎します――なぜなら皆さんがアメリカに見るのが我々の問題に着実に取り組み、連邦をより完全にし、この国の建国時に存在した分断をつないできた国だからです。アメリカは100年前、50年前、あるいは10年前とさえ同じではありません。なぜなら我々は理想のために戦い、及ばないときには自分たちを批評するのを厭わないからです。指導者たちに説明責任を課し、報道の自由と独立した司法を主張するからです。民主主義の開かれた場で自分たちの違いに取り組むからです――法の掟を尊重し、あらゆる人種とあらゆる宗教の人々のための場で、そして個人の男女たちの力が地域社会や環境や国をよりよく変えることに揺るぎない信念をもって。


大統領として六年近く経ちましたが、私はこの約束が世界を照らす手助けになれると信じています。私が世界中で会った若者たちの目に――平和や、自由や、機会や、人種偏見の終わりへの――前向きな変化への切望を見てきたからです。


彼らは何者か、どこ出身か、どのように見えるか、どんな神に祈るか、誰を愛するかに関係なく、私たち全員が共有している基本的な何かがあることを私に教えてくれます。エレノア・ルーズベルト、国連とその中でのアメリカの役割の擁護者が、かつて尋ねました、「結局、普遍的人権はどこで始まるのでしょう?小さな所です、」彼女はいいました、「家の近くで――とても近くで、とても小さいので世界のどんな地図でも見ることができません。しかしそれは個々の人間の世界です。人々が生活している近所。通っている学校や大学。働いている工場、農場やオフィスなのです。」


世界中で、若者たちがより良い世界を渇望して前に進んでいます。世界中で、小さな所で、彼らは憎しみや人種偏見や宗派心を乗り越えています。そして互いの違いに関係なく、尊重することを学んでいます。


世界の人々が今、ここにいる我々に期待しています、彼らが日常の生活でなろうとしているのものと同じ位に品行正しく、威厳があり、勇敢であることを。そしてこの岐路で、私は皆さんにアメリカ合衆国はしなければならないことから逸れたり、やめたりしないと約束できます。我々は自由の誇り高い遺産の継承者であり、これからの世代のために、その遺産を確実にするため必要なことをする用意があります。皆さんがこの共通の任務に参加するように頼みたい、今日の子供たち、そして明日の子供たちのために。


どうもありがとうございました。(拍手)

 


 

 

参考記事:

http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2014/09/24/remarks-president-obama-address-united-nations-general-assembly