「関わる人を幸せに」はビースタイル社長の三原 邦彦(みはら・くにひこ)さんの座右の銘です。 自身が最も大切にしている理念であり「どれだけ多くの人を幸せにできるか。それが自分自身の人生のテーマで、それが生をまっとうできる手段でもあると思っています」
(三原邦彦さん)
(三原邦彦さん)
主婦こそ時代の働き手
女性、それも主婦に特化した人材サービスを展開するビースタイル。働きたいけど働く場所がないという主婦層のニーズと、女性の能力を活用したい企業側のニーズをマッチングさせるのが特色だ。「世の中にない新しいスタンダードを作る」というチャレンジ精神あふれる同社。気になるその戦略は-。
--人材サービス企業としては異色な印象を受けます。創業のきっかけは
「人材サービスの将来を考えていたとき、若年労働人口は次第に減少していき、その代替労働力になるのは、シニアか主婦か外国人しかいない。そのなかで年々優秀になっていき、社会人経験やスキルも豊かになり続けている主婦にフォーカスを当ててみたらどうだろうかと考えました。しかも、これまで主婦は力仕事のブルーワークや、販売職のオレンジワークなどに限られていた。そこをホワイトカラー職に絞って派遣事業を企画したら、皆さんにも企業にも喜ばれるのでは、と」
--それで13年前に人材派遣会社を退職して起業することに?
「主婦層も昔はパート、非正規で働くのが基本でしたが、今は正社員で、時短で働くというニーズが高まってきています。昔の寿退社など今は死語で、結婚、出産しても会社に戻ってきて仕事をするというのが、女性の生き方のメジャーになってきています。われわれ自身もそれに合わせた形で、サービス設計をどう作っていくかです」
--具体的にはどんな業態ですか
「商品名は通称『しゅふJOB』と呼んでいるのですが、パートタイム型、フルタイム型、在宅型、スポット型などサービスに応じて分けてあります。なかには“ハイキャリア”のパートタイマーを派遣する部門もあります」 --というのは
「過去、年収500万円以上をもらっていたような専門職や、管理職として働いていた人たちを派遣する部門です。例えば、財務、経理の専門家やCFO(最高財務責任者)、広報や人事、開発系のハイキャリアで、当社では『しゅふJOBエグゼクティブ』と名付け、お客さまから大変支持されています」
--4年ほど前から『Re-ing』(リーイング)という人材紹介・派遣も始めました。正社員になれず、派遣で働いてきた若い世代を、派遣しながら育てて正社員にするサービスだそうですね
「日本の場合、新卒の就職率は高いのですが、卒業者の就職率が悪い。敗者復活への道が閉ざされています。そこでセカンドトラックからファーストトラックへ乗せる機能として、考えたのが『リーイング』です。人は面接しただけではわかりません。企業にも失敗のない採用を提供し、働く側には働きながら能力開発ができます。そして就職活動に結びつけていく。それが正しい就職活動だと思いますし、外国などはそのインターンシップ型就職が当たり前になっています。これを広めていきたいですね」
--最近、オープンした情報サイト『kashiko』が人気とか 「『かしこい』にコンセプトを置いた女性向けのサイトで、仕事、生活(料理・趣味・学習・掃除)、子育て、結婚、恋愛を中心とした情報を提供しています。少しでもかしこくなっていただくために役立つ情報を発信していく。そこで“かしこ”と名付けましたが、本社の7階に『イベント・セッションスペース』を設けたのもそのためで、ここから新しい働き方や未来のビジネスが生まれる日もそう遠くはないと思っています」
--7月に増村一郎副社長を代表者に引き上げ、2人代表制を採用しました。狙いは
「以前から2人代表制のようなものなので、ほとんど変わりません。ただ、ぼくの方はこれを機会に、より現場寄りの新規事業の立ち上げに力を入れていくつもりです」
【趣味】
トライアスロン。「始めたのは昨年からですが、走りは1週間に30キロ、泳ぎも1キロと決めてけいこしてます。自分でコントロールして目標を達成することに面白さがある。9月の大会が楽しみです」
【歌とサックス】
音楽好きで大阪・北浜にライブハウスを経営している。「月に1度、大阪へ行ったときは、吹いたり、歌ったりしています」
【1冊挙げるとすれば…】
ジョナサン・ラスムセン著の『アジャイルサムライ-達人開発者への道』(オーム社)。
「開発関係のとてもマニアックな本で、ソフトウエアの開発のために買い求めました。本は仕事のテーマに合わせて読むくらいです」
【畏敬する経営者】
楽天の三木谷浩史会長兼社長、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長、ソフトバンクの孫正義社長。
「この人たちは別格です。それぞれ著書も読ませてもらいましたが、すごいなぁと。感動する一方、まねをしようにも、まねができない。少しでも近づけたらと努力するしかないですね」
【人間ドック】
年に1度、頭の先から足の先まで人間ドックの世話になる。そこでポリープなどが見つかれば、片っ端から取るという。
「必要最低限のことをやっているだけです。それをやらないと酒が飲めないですからね(笑)」
--人材サービス企業としては異色な印象を受けます。創業のきっかけは
「人材サービスの将来を考えていたとき、若年労働人口は次第に減少していき、その代替労働力になるのは、シニアか主婦か外国人しかいない。そのなかで年々優秀になっていき、社会人経験やスキルも豊かになり続けている主婦にフォーカスを当ててみたらどうだろうかと考えました。しかも、これまで主婦は力仕事のブルーワークや、販売職のオレンジワークなどに限られていた。そこをホワイトカラー職に絞って派遣事業を企画したら、皆さんにも企業にも喜ばれるのでは、と」
--それで13年前に人材派遣会社を退職して起業することに?
「主婦層も昔はパート、非正規で働くのが基本でしたが、今は正社員で、時短で働くというニーズが高まってきています。昔の寿退社など今は死語で、結婚、出産しても会社に戻ってきて仕事をするというのが、女性の生き方のメジャーになってきています。われわれ自身もそれに合わせた形で、サービス設計をどう作っていくかです」
--具体的にはどんな業態ですか
「商品名は通称『しゅふJOB』と呼んでいるのですが、パートタイム型、フルタイム型、在宅型、スポット型などサービスに応じて分けてあります。なかには“ハイキャリア”のパートタイマーを派遣する部門もあります」 --というのは
「過去、年収500万円以上をもらっていたような専門職や、管理職として働いていた人たちを派遣する部門です。例えば、財務、経理の専門家やCFO(最高財務責任者)、広報や人事、開発系のハイキャリアで、当社では『しゅふJOBエグゼクティブ』と名付け、お客さまから大変支持されています」
--4年ほど前から『Re-ing』(リーイング)という人材紹介・派遣も始めました。正社員になれず、派遣で働いてきた若い世代を、派遣しながら育てて正社員にするサービスだそうですね
「日本の場合、新卒の就職率は高いのですが、卒業者の就職率が悪い。敗者復活への道が閉ざされています。そこでセカンドトラックからファーストトラックへ乗せる機能として、考えたのが『リーイング』です。人は面接しただけではわかりません。企業にも失敗のない採用を提供し、働く側には働きながら能力開発ができます。そして就職活動に結びつけていく。それが正しい就職活動だと思いますし、外国などはそのインターンシップ型就職が当たり前になっています。これを広めていきたいですね」
--最近、オープンした情報サイト『kashiko』が人気とか 「『かしこい』にコンセプトを置いた女性向けのサイトで、仕事、生活(料理・趣味・学習・掃除)、子育て、結婚、恋愛を中心とした情報を提供しています。少しでもかしこくなっていただくために役立つ情報を発信していく。そこで“かしこ”と名付けましたが、本社の7階に『イベント・セッションスペース』を設けたのもそのためで、ここから新しい働き方や未来のビジネスが生まれる日もそう遠くはないと思っています」
--7月に増村一郎副社長を代表者に引き上げ、2人代表制を採用しました。狙いは
「以前から2人代表制のようなものなので、ほとんど変わりません。ただ、ぼくの方はこれを機会に、より現場寄りの新規事業の立ち上げに力を入れていくつもりです」
【趣味】
トライアスロン。「始めたのは昨年からですが、走りは1週間に30キロ、泳ぎも1キロと決めてけいこしてます。自分でコントロールして目標を達成することに面白さがある。9月の大会が楽しみです」
【歌とサックス】
音楽好きで大阪・北浜にライブハウスを経営している。「月に1度、大阪へ行ったときは、吹いたり、歌ったりしています」
【1冊挙げるとすれば…】
ジョナサン・ラスムセン著の『アジャイルサムライ-達人開発者への道』(オーム社)。
「開発関係のとてもマニアックな本で、ソフトウエアの開発のために買い求めました。本は仕事のテーマに合わせて読むくらいです」
【畏敬する経営者】
楽天の三木谷浩史会長兼社長、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長、ソフトバンクの孫正義社長。
「この人たちは別格です。それぞれ著書も読ませてもらいましたが、すごいなぁと。感動する一方、まねをしようにも、まねができない。少しでも近づけたらと努力するしかないですね」
【人間ドック】
年に1度、頭の先から足の先まで人間ドックの世話になる。そこでポリープなどが見つかれば、片っ端から取るという。
「必要最低限のことをやっているだけです。それをやらないと酒が飲めないですからね(笑)」
■会社メモ 人材サービス会社。本社・東京都新宿区。2002年7月、設立。14年7月、増村一郎副社長を代表に引き上げ、2人代表制を採用したユニークな企業。資本金約8600万円。売上高約44億円(14年6月期)。従業員数170人(パート含む。14年7月現在)。
(MSN産経ニュース2014年9月2日)
(MSN産経ニュース2014年9月2日)
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