【美容外科医が解説】
裏ハムラ法のピットフォール(落とし穴)
〜効果が出にくい3つのケース〜
こんにちは。KAGA CLINIC 院長の加賀 裕基です。
美容外科医として13年の臨床経験の中で、数多くのクマ治療や目元のエイジングケアに携わってきました。その中で現在、目の下のクマ・たるみ治療として非常に人気の高い術式が「裏ハムラ法」です。
眼窩脂肪を移動させて目の下の凹凸を滑らかにする非常に優れた術式ですが、決して「どんなクマでも治せる魔法の手術」ではありません。適応を見誤ると、せっかく手術を受けたのに満足いく結果が得られないという「ピットフォール(落とし穴)」が存在します。
今回は、裏ハムラ法では効果が出にくい、あるいは物足りなさを感じやすい3つの代表的なケースについて詳しく解説します。
1. 紫グマや茶グマがメインで、目袋がほとんどないケース
下瞼が比較的平らで、眼窩脂肪の突出(いわゆる目袋)がほとんどない方の場合、裏ハムラ法では十分な効果が得られません。
裏ハムラ法は、あくまで「ふくらみ(脂肪)」を「へこみ」に移動させて、段差による影(黒グマ)を解消する構造的なアプローチです。そのため、皮膚の薄さや眼輪筋の透けによる「紫グマ」や、摩擦などの色素沈着による「茶グマ」が主な原因である場合、脂肪を移動させても根本的な色味の改善には繋がりにくいのです。
2. 移動させるための眼窩脂肪が足りないケース
(経結膜脱脂後など)
過去に「経結膜脱脂(目の下のふくらみ取り)」を受けたことがある方など、眼窩脂肪の絶対量が不足しているケースも、裏ハムラ法の効果が発揮しにくい状態です。
裏ハムラ法は、ご自身の突出した脂肪を再配置(スライド)させることで凹みを埋める手術です。つまり、移動させるための「材料(脂肪)」が必要不可欠となります。すでに脂肪が除去されてしまっている場合、凹みを十分に補うことができず、結果として変化に乏しい仕上がりになってしまいます。
3. 皮膚や眼輪筋のたるみが進行しているケース
裏ハムラ法は、まぶたの裏側(結膜側)からアプローチするため、皮膚の表面に傷がつかないという大きなメリットがあります。
しかし、これは裏を返せば「余った皮膚を切除できない」ということです。加齢などによって皮膚や眼輪筋のたるみが進行しているケースでは、内部の脂肪の段差を整えても、表面の皮膚のたるみやシワはそのまま残存してしまいます。そのため、結果的に「たるみが残って効果が物足りない」と感じる可能性が高くなります。このようなケースでは、皮膚側からアプローチして余剰皮膚を切除する「表ハムラ法」などが適応となります。
まとめ
クマ治療において最も重要なのは、「ご自身のクマの原因や、現在の組織の状態(脂肪の量、皮膚のたるみ具合など)を正確に診断すること」です。
流行りの術式だからといって、それがご自身の状態にとって最適な治療法とは限りません。裏ハムラ法を検討されている方は、ご自身の目がしっかりと適応条件を満たしているか、経験豊富な専門医にじっくりと見極めてもらうことをお勧めします。
目元の治療でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談にいらしてください。
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