⚪︎2024年5月26日(日) マチネ(14:00-) 二期会ニューウェーブオペラ劇場 

ヘンデル「デイダミーア」     於:めぐろパーシモンホール(大ホール)

本日はバロックオペラ好きの相方のリクエストに応えて、今年2月のBCJ(バッハ・コレギウム・ジャパン)による「魔笛」以来のめぐろパーシモンホール、ヘンデルのオペラに関しては、昨年10月の同じくBCJによる「ジュリオ・チェーザレ」以来となります
“二期会ニューウェーブオペラ劇場“とは、3年に1度実施している二期会オペラ研修所を修了して3年以内の若手歌手をメインとしたオペラで、2015年以来は、バロックオーケストラによる管弦楽でヘンデル作品を取り上げているそうです。知りませんでした💦

前述の「魔笛」に関しては、古楽器より現代楽器の方が良いかなと思いましたが、ヘンデル作品ならいい感じであろうということで参戦二期会の若手歌手の実力や如何、ということで都立大学までトコトコ電車を乗り継ぎ行って参りました😅


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⚪︎キャスト:
指揮 鈴木秀美
演出 中村蓉

デイダミーア(S)  清水理沙
ネレーア(S)  田中沙友里
アキッレ(S)  渡辺智美
ウリッセ(Ms)  武藤あゆみ
フェニーチェ(Br)  室岡大輝
リコメーデ(B.Br)  水島正樹
*水島正樹氏を除き、全員が本演目が二期会デビュー作品

ダンサー 北川結、田花遥、中川友里江、安永ひより、長谷川暢、望月寛斗
合唱指揮 根本卓也
合唱 二期会合唱団
管弦楽 ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ


⚪︎感想:
中々面白かったです

お話としては、
「(アキッレ(アキレウス)が)トロイア戦争に参加すれば命を落とすことになるという予言を恐れた母(女神テティス)によりスキューロス島に預けられ、ピッラという女性に扮しているアキッレは、スキューロス島の王リコメーデの娘、デイダミーアと恋仲となる。そこへギリシアからアキッレをトロイア戦争に参戦させるべく使者、ウリッセ(オデュッセウス)とフェニーチェが到着し、アキッレを捜索することとなる。デイダミーアは親友ネレーアとともに、アキッレの正体を見破られないよう使者の気を逸らそうとするが、アキッレは天衣無縫、デイダミーアの心配もよそに、客人たちと狩にうつつを抜かす有様で、デイダミーアとは諍いが絶えない。遂には、ウリッセの企みによりピッラがアキッレであることが露見して....」
という感じです😅

特にダンサー出身の中村蓉さんの演出が、コンテンポラリーダンス(時にはヒップホップ風の)を大いに取り入れた振り付けの多いもので、コミカルで笑いを誘う演技と相まって、楽しめました驚いたのは、歌手の皆さんも結構複雑な振り付けのダンスをこなしていたことで、大変だと思いますが、若いからこなせるんでしょうね😅

舞台美術もシンプルながらポップな味わいのもので、大袈裟な時代考証を経た美術にしないことで、ちょっと現代劇風な味わいもあり面白かったと思います元々アキレウスをめぐる神話の中で、なぜこの部分を切り取ってオペラにしたのかその意図がわからない😅地味目の作品だけに、軽めの喜劇風の演出はちょうどいい塩梅に感じました

歌手陣のパフォーマンスとしては、もうちょっと声量が欲しいなとか、アジリタのところがやや不安定になったりとかはありましたが、皆頑張っておられたと思います特にタイトルロールの清水理沙さんはとても良かったですし、リコメーデの水島正樹さんは、さすが唯一の非デビュータントということで、貫禄の歌唱だったと思います

演奏に関しても、金管がちょっと不安定なところはありましたが、やはり古楽器のデッドで典雅な響きはバロックオペラにぴったりで、特段の違和感はなかったです
中でも、先述の「ジュリオ・チェーザレ」でもそうでしたが、テオルボという馬鹿でかいリュートの仲間がピットの真ん中に鎮座し、レチタティーヴォで存在感を放っていました

ということで相方も満足した今日の公演、また機会があったらバロックオペラを聞いてみたいと思いますし、今回の公演でデビューした若手歌手陣の今後の一層の成長とご活躍を期待したいと思います

⚪︎評価:☆☆☆★