⚪︎2024年5月16日(木)ソワレ(19:00-)   ヴェルディ「椿姫」 於:新国立劇場オペラパレス

新国立劇場の今シーズンも残すところあと3演目、本日から初日となるのは鉄板の人気演目「椿姫」、個人的には久しぶりの平日ソワレとなります
ヒロイン、ヴィオレッタを演じるは日本の第一人者、中村恵理さん実演を拝見するのは初めて、前回(2022年)に上演された時もヴィオレッタを演じ、絶賛されたということで、演出ともども楽しみに行ってまいりました

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⚪︎キャスト等:
指揮 フランチェスコ・ランツィロッタ(Francesco Lanzillotta)
演出 ヴァンサン・ブサール(Vincent Boussard)

ヴィオレッタ(S) 中村恵理
アルフレード(T) リッカルド・デッラ・シュッカ(Ricardo Della Sciucca)
ジョルジュ・ジェルモン(Br) グスターボ・カスティーリョ(Gustavo Castillo)
フローラ(Ms) 杉山由紀
ガストン子爵(T) 金山京介
ドッフォール男爵(Br) 成田勝之
ドビニー侯爵(B) 近藤圭
医師グランヴィル(B) 久保田真澄
アンニーナ(S) 谷口睦美
使者(B) 井出壮志朗
フローラの召使(B) 上野裕之

合唱指揮 三澤洋史
合唱 新国立劇場合唱団

管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団

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⚪︎感想:
中々良かったと思います

ヴィオレッタの中村さん、1幕は抑え気味だったのか、やや響が弱いような気もしましたが、3幕は入魂の歌唱と演技さすがでした圧倒的な声量というわけではないのですが、能く声がコントロールされて、全体に安定感があり、ここぞといういところでの歌唱が素晴らしかったと思います

対するアルフレードを演じた新星リッカルド・デッラ・シッラ、テノールには珍しい長身😅でイケメン、荒削りでやや押し気味ながらも、中々良い声で声量も十分。まだまだ伸びシロがありそうで今後が楽しみな歌手です
こちらも若手(たぶん💦)ジェルモンのグスターボ・カスティーリョも、中々の美声で声量十分「プロヴァンスの海と陸」は今日一番の歓声が上がっていました
ただこれはアルフレードにも言えることですが、終幕、瀕死のヴィオレッタの枕元での3重唱?では、もう少し繊細に歌い上げて欲しかったところです

ネタバレになるので詳述しませんが、原作デュマの「椿姫」のモデルとなったマリー・デュプレシことアルフォンシーヌ・プレシへのオマージュ風の演出、3幕の舞台美術、ラストヴィオレッタがこと切れる場面の演出など、通常と異なる演出上の工夫がありました。
また、鏡面風の床が舞台前方に三角形に張り出していたり、舞台中央に吊り下げられた逆さのびく(魚籠)のような形状の巨大なシャンデリアなど、美術面では目を見張るところがあり、視覚的にも楽しめます

ということで、まずまずの内容の公演で、カーテンコールでも盛大な拍手やブラヴォーの声が飛んでいまししたが、平日ソワレということもあってか、お客さんの入りは8割程度でしょうか?1階席はまずまずながらも、2階席から上は空席が結構ありました招聘歌手も若手で知名度が高くなく、仕方のないところでしょうが、休憩時間中のフォワイエも、「椿姫」の初日としては少し華やかさに欠けていたような💦
新国立劇場にも、もう少し公演を盛り上げる工夫が必要かもと思いながら、劇場を後にした次第です。


⚪︎評価:☆☆☆★