⚪︎2024年5月10日(金) MET LIVE VIEWING グノー「ロメオとジュリエット」(フランス語)
於:新宿ピカデリー  (10:30-13:50)  (*現地時間2024年3月23日13時からの上演を収録)

MET LIVE VIEWINGの第7弾は「ファウスト」と並ぶグノーの傑作とされる「ロメオとジュリエット」
ジュリエットには今やMETのDivaとなったネイディーン・シエラ、お相手のロメオにはフランスのイケメンテノール、ベンジャマン・ベルナイムという美男美女の組み合わせ
ベンジャマンは、2021年9月ハンブルク州立劇場でのケント・ナガノ指揮による「ホフマン物語」でタイトルロールを演じたものをblu-ray版で見ていますが、中々良い声をしているなあ、という印象があります。
また、この演目は実演でも映像でも観劇したことはありませんでしたが、公式サイトのリハーサル映像を見る限り、割ととっつきやすい旋律美に溢れた楽曲が多そうな感じ
物語自体の面白さというか出来の良さは問題ないので、オペラ仕立てとなることで、何がどう違った印象を受けるのか楽しみに行ってまいりました

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⚪︎キャスト:
指揮 ヤニック・ネゼ=セガン(Yannick Nezet-Seguin) 
演出 バートレット・シャー(Bartlett Sher)

ジュリエット(S) ネイディーン・シエラ(Nadine Sierra)
ロメオ(T) ベンジャマン・ベルナイム(Benjamin Bernheim)
マキューシオ(Br) ウィル・リバーマン(Will Liverman)
ティバルト(T) フレデリック・バレンタイン(Frederick Ballentin)
ジェルトリュード(ジュリエットの乳母)(Ms)  イヴ・ジリオッティ(Eve Gigliotti)
ローラン神父(B.Br)  アルフレッド・ウォーカー(Alfred  Walker) 
ステファーノ(Ms) サマンサ・ハンキー(Samantha Hanley)


⚪︎感想:
いやー圧巻でした
この演目でこれ以上のロミジュリのコンビは望めない、みたいなことを評論家の誰がか書いていましたが、納得です

何と言ってもジュリエットのネイディーン・シエラが素晴らしかったですあの独特の温もり、ふくらみと広がりを感じさせる、それでいて軽やかな美声が、夢見るようなジュリエットの造形にピッタリきていますし、モデル並みに容姿端麗とあっては、鬼に金棒😅結構個性的な声と言えばそうなので、好き嫌いはあるかもですが💦
1幕のワルツ「私は夢に生きたい」やロメオとのデュエットも含めて全て聴きごたえがありました
ただし、フランス語の発音に関しては、ちょっと能くわかりません(笑)


対するロメオのベンジャマンも中々の美声ちょっと優男風の見かけに似合ったブリリアントでリリカルな歌声の持ち主。デュエットでは響きで時々シエラに負けているようなところもありましたが、2幕のアリア「ああ、太陽よ昇れ」などは素晴らしかったですし、まあ16歳とはいきませんが💦十分若々しくハンサムなロミオでしたし、さすがフランス人とあって、フランス語による歌い回しが美しく感じました

その他のキャストも実力者揃いで、小姓役に昨シーズン「ばらの騎士」でオクタヴィアンを演じたサマンサ・ハンキーを配するなど、METらしい贅沢なキャスティングでした

演出家のバートレット・シャーに寄れば、時代はルネッサンス期でなく、17-18世紀のヨーロッパにおいて、デカダン風な味を出したかったということ。正直、その辺の違いは私にはわかりませんでしたが、舞台美術、衣装とも豪華ながら、オーソドックスな演出だったように思います。バレエシーンはカットされている模様でそこは少し残念なところ💦

作品自体に関しては、とにかく美しいアリアやデュエットのオンパレードで全編うっとり、うっとりしすぎて、時折意識が飛んだところもあったぐらいですオーケストレーションや合唱を含めて楽曲全体としても素晴らしく、ぜひ日本でも上演機会があったら観劇したいと思った次第です

⚪︎評価:☆☆☆☆★