⚪︎2024年4月13日(土)マチネ(13:00-) ミュージカル「VIOLET」

於:東京藝術劇場プレイハウス

今年1月の「ウィキッド」以来、久方ぶりのミュージカルです😅

元々は1997年のオフ・ブロードウェイ・ミュージカル、その後ブロードウェイでも上演された作品ですが、気鋭の演出家、藤田俊太郎が2019年ウェスト・エンド版を演出して評判を呼びました。
ただ2020年に日本での凱旋公演が企画されていたものの、コロナ禍で数公演のみの上演となったため、今回が満を持してのフル公演となります

主演のヴァイオレットには、確かな歌唱力で近年のミュージカル界で活躍中の屋比久知奈と映画「ドライブ・マイ・カー」でブレイクした三浦透子のダブルキャスト
今回は三浦さんのターンで拝見しますが、ミュージカル初舞台ではなさそうですが、大きな舞台での主演は多分初めて。楽曲を私が最も好きなミュージカルの一つ、「ファン・ホーム(Fun Home)」の作曲者のジニーン・テソーリ(Jeanine Tesori)が手がけているのですが、サットン・フォスター(Sutton Foster)が主演のブロードウェイ版(2014年?)をApple Musicで聞いた限りでは中々良さげな感じ
果たして三浦さんがどんな歌声を聴かせてくれるか楽しみに行ってまいりました


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⚪︎キャスト等:
ヴァイオレット 三浦透子
フリック 東啓介
モンティ 立石俊樹
ヴォイオレットの父 Spi
伝道師 原田優一
老婦人 樹里咲穂
ミュージックホール・シンガー SARA
ヴァージル 若林星
リロイ 森山大輔
ルーラ 谷口ゆうな
ヤング・ヴァイオレット 生田志守葉
スウィング 木暮真一郎、伊宮理恵

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⚪︎感想:
うーん、微妙なところでした😅
まずキャストですが、まあ三浦さんをサットン・フォスターと比べるのは酷に過ぎますが、歌唱力の点では今回のキャストの中では不安(定)要素でしょうか💦ちょっとearthyな良い声をしていますし、中低音は問題なかったのですが、高音がやや不安定でしたでも演技は良かったですし、全体としては主演として及第点には達していると思います。

他のキャストは皆お上手で、脇はしっかり固められていた感じです
その中でも、今日一番はフリックを演じた東啓介くん拝見するのは、たぶんスカーレット・ピンパーネルダンス・オブ・ヴァンパイアジャージー・ボーイズに続いて4回目ですが、どんどん上手くなってますし、190cmの長身も相まって存在感抜群でした

後の皆さんも良かったですが、怪しい伝道師や車掌を演じた原田優一氏が歌に演技に大活躍、何でもこなせるところを見せつけてくれました

演出としては、舞台中央の周り舞台に椅子が何列か置かれ、バスの車内を表現、バス休憩時には椅子が取り払われて部屋になったり、レストランになったり、また、舞台両脇に客席をそれぞれ20弱設けて、バスの乗客に擬えるという趣向。

主人公のヴァイオレットは子供の頃に負った大きな顔の傷を治してもらうため、奇跡を求めて伝道師に会いに行くのですが、顔の傷のメークは特になし。また、バスの中で知り合う兵士や乗客(の一部)は黒人なのですが、こちらも最近の傾向どおり特に黒人っぽいメークもなし。なので、誰が黒人でそうでないか、ややわかりにくいところがありました

などなど演出面でわかりにくい点がいくつかあったのもさることながら、1番の問題はセリフや歌詞が聞き取りにくかったこと(特に子役)で、訳詞の問題か発音の問題かわかりませんが、結構心理的な要素が大事なドラマなので、ちょっと残念でした

本公演は、2時間10分の上演時間中休憩なし、暗転もなしで次から次へとシーンが繋がれていって一気にラストまで行きます途中で切るのは難しいストーリー構成ですし、登場人物の旅を観客も共に体験させる趣旨だと思いますが、この辺りも見ていてちょっとダレてしまうところでしょうか

ということで今日のお客さんの入りは、7割程度でしょうか?1階席も空席が目立つ感じでした楽曲もキャストも悪くないだけに惜しいなと思いながら劇場を後にした次第です。

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⚪︎評価:☆☆☆★