○2024年1月3日(水) マチネ(13:00-) 劇団四季「ウィキッド」 於:四季劇場「秋」
四季の演目の中で再演の要望がもっとも高かったという「ウィキッド」、首都圏では10年ぶりだそうですが、 個人的にも2014年の7月以来、ウェストエンド、ブロードウェイでの観劇も含めれば、自身5回目となる観劇です
そもそも一家揃ってミュージカルにハマることになったきっかけが、13年前にウェストエンドで見たこの演目だっただけに、とても思い入れのある作品となっています
新たにグリンダに抜擢された真瀬はるかさん、エルファバの三井莉穂さんとも評判が良いようですし、今回四季劇場「秋」では1月27日までの期間限定公演ということもあってか、プラチナチケットに近い?状況の中、何とかチケットをゲットし、相方、こじゃるまるとともに、久しぶりに家族3人で観劇に行ってまいりました。
新年から大きな地震や事故が発生し、心も重くなりがちでしたが、気持ちを切り替えての観劇です
○キャスト等:
グリンダ 真瀬はるか エルファバ 三井莉穂
ネッサローズ 若奈まりえ マダム・モリブル 八重沢真美
フィエロ カイサー・タティク ボック 緒方隆成
ディラモンド教授 平良交一 オズの魔法使い 飯野おさみ
ほか
○感想:
いやーやっぱり良かったです
いつも言っていることですが、楽曲良し、ストーリー(脚本)良し、美術よし、の三拍子揃った作品ですので、普通にやってくれれば十分楽しめる訳ですが、そこは四季、いつもどおり高いレベルで安定したパフォーマンスを見せてくれました
この作品に関してはまずハズレはありませんね
簡単にキャストの感想を。
まず評判の真瀬グリンダ、とても良かったですいわゆるクリスタルボイス系で、柔らかさと落ち着きがあり、聞いていて心地よい歌声
しかも声量があります
前半やや重たい感じがしましたが、徐々に調子を上げていったように思います。
育ちの良いお嬢様っぽい感じも良く出ていましたし、Thank Goodness での満たされぬ想いを切々と歌いあげる部分など、演技面も素晴らしかったと思います
そしてエルファバの三井さん、こちらも良かったですキリッとした端正なエルファバで、癖のない素直な声に力強さも備え、声量にも余裕を感じさせます
演技面ではフィエロとの絡みなど、もう少し濃厚?でも良かったかもしれませんが、あれが三井さんの持ち味とも言えますので、あれはあれでありかなと思います
フィエロのカイサー・タティクさん、割に高めの、よく伸びるテノール系の綺麗な声をお持ちで、外見も長身イケメンですのでフィエロのイメージにもピッタリでしたただ、根が真面目なのか Dancing Through Lifeの場面でのダンスにチャラさが少し足りないというか、ちょっとぶきっちょな感じに見えましたが、それもご愛嬌
なかなかのフィエロだったと思います。
このほか若奈さんのネッサの歌が素晴らしかったこととか、飯野さんのオズの魔法使いが若々しくて驚いたこととか、八重沢さんのマダム・モリブルが格好良かったこととか、いろいろありますが省略😅
それにしてもこの演目、2003年のブロードウェイ初演から20年以上経過していますが、友情、真実の愛、自分らしさを貫くとは、といったテーマに加えて、今でいう多様性と社会的包摂やLGBTQの問題、SNS時代における「事実」と真実の問題などを思い起こさせる点で、非常に現代的というか、今でも通用する普遍性を持ったミュージカルであることを再認識しました
まあ、そうでなければ現在でもブロードウェイで連続上演(ロングラン記録第4位とか)され続けることはないでしょう。
ということで非常に満足した今日の公演(満席のお客さんもカーテンコール多数、スタンディングオベーションを送っていました)ですが、一つだけ気になったのは演奏がテープであること。今までその点に不満を感じたことはないのですが、最近オペラを良く聴くので、歌手とオケのアンサンブルが気になるようになったのかもしれません。やっぱりテープだと歌い手がどうしても演奏に合わせる感じになって、歌い手の息遣いというか、個性や良さが活かしにくい気がします。音響的にもどうしても平板になりますし
そうでなくても諸事情からチケ代が高騰する傾向のある昨今、全ての演目で生オケを採用するのは困難だとは思いますが、何かいい方法はないものでしょうかね💦
○評価:☆☆☆☆