○2023年12月29日(金) マチネ(13:30-)  劇団四季「ひばり」 於: 自由劇場

今年の観劇納めは久しぶりの四季、演目はフランスの現代劇作家ジャン・アヌイの手になる「ひばり」 ということで、これも久しぶりとなるストレート・プレイです。
四季のストレートプレイで見たことがあるのはこれまで「エクウス」、「ブラック・コメディ」、「思い出を売る男」の3作のみ(「思い出を売る男」は音楽劇)ですが,いずれも面白かったという記憶があります。

今回の「ひばり」はジャンヌ・ダルクを描いた作品で,四季の節目となる年には必ず上演されてきたとのこと,キャスティングを見ても四季の力の入りようがわかりますが、公演直前にダブル主演の一人,故浅利慶太氏の妻で,これまでもジャンヌ役を長年演じてきた野村玲子さんが演出に関する見解の相違から降板という“事件“もあっただけに,どんな公演になるか,楽しみに行ってまいりました

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○キャスト:
ジャンヌ  五所真理子
コーション 道口瑞之
大審問官  味方隆司
主任検事  飯村和也
ラヴニュ  鈴本務
ウォーリック伯 阿久津陽一郎
シャルル7世 田邊真也
王妃 小林由紀子
アニエス 宮田愛
ヨランド王太后 中野今日子
ランス大司教 星野元信
ほか

 

 

 



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○感想:
いやー,結構微妙でした😅
ジャンヌ・ダルクが異端審問裁判にかけられている中,彼女のこれまでの行動が再現されるという劇中劇のスタイル。
舞台美術も法廷の一場面のみで,回想シーンでは必要な人物のみが,法廷シーンに戻った際は,全ての登場人物が舞台に現れ,丸くジャンヌを囲むような形で劇が進行していきます。

戦闘シーンなどは皆無で,基本ジャンヌと他の登場人物との対話で話が進むので,“セリフが命“の心理劇といえます。
なのですが,どうも信仰心に欠ける身ゆえか😅最後までセリフが響いて来ず,単調な感じがして,ラストは,あれ,もう終わったの?という感じ💦火刑の場面から一転してシャルルの戴冠式に転換する際も,カタルシスはあまり感じられずに終わってしまいました

五所さんは頑張っていましたし,他の俳優さんたちも,さすが四季というセリフ回しで非常にお上手だったのですが,なぜか心に響いてこないというか...(珍しく,1幕,2幕ともふっと寝落ちしていた瞬間が何回かありました😅)
傑作と言われている戯曲ですし,別に変にいじって改変しているわけでもなさそうなので,どうしてそう感じてしまったか不思議なのですが,やはりジャンヌ・ダルクには強烈な磁力というか,その言葉に強い説得力が必要な気がします。そのあたり,もし野村玲子さんの演じるジャンヌを見たらどう感じていたか,今となっては知る由もありませんが,気になるところです。

しかし,来年1月20日まで公演は続くようですし,これから演技もどんどん深まっていくでしょうから,千秋楽に見ると印象がガラッと変わっているかもしれません(今のところその予定はないのですが😅)。
ということで,公演の成功と,今後(来年)も四季がストレートプレイを上演してくれることを期待しつつ、劇場を後にした次第です。


○評価:☆☆☆