○2022年11月5日(土)マチネ 音楽座ミュージカル「ラブ・レター」 於: 草月ホール

9FEB395F-CEEB-4D02-BA7D-E6EBFF86ED42今年7月の初演から、地方公演(名古屋、広島)を経ての東京再演となります。
本作は、2013年の初演、2015年の再演、今回が再再演となりますが、殆ど新作と言っていいぐらい創り変えられているとのことでした。
今回の東京再演では、そこから地方公演を経て、さらにブラッシュアップがなされているとのこと

前回見た時には筋の運びにやや分かりにくさを感じたのと、楽曲の扱いに勿体無いなと思ったりもしたのですが、今回の公演では何が変わったのか、どんな印象を持つのか楽しみに行って参りました。
 

 

 

 

 

 

○キャスト: 
サトシ      小林啓也
ナオミ      森彩香
白蘭       岡崎かのん
吾郎       安中淳也
婆ちゃんほか   井田安寿
クラブのママほか 清田和美
佐竹ほか     新木啓介
竜二ほか     大須賀勇登
正男ほか     上田亮
医師ほか     藤田将範
刑事ほか     五十嵐進

パッセンジャーほか
兼崎ひろみ、木村弥素子、酒井紫音、野田ゆかり、姫本梨央、毎原遥、山西菜音、泉陸、木村匠、林芳弥


○感想: 
前回見た時より感動しました
筋や演出が大きく変わった訳ではないのですが(と思います💦)、全体にメリハリがくっきりついたのと、パワーとエンタメ度が増した気がします
例えば、サトシが佐竹の組?のカチコミに加わって大暴れするダンスシーンとか、前回はあまり印象に残ってませんでしたが😅ショーアップされたのかも知れません。
それと個人的に嬉しかったのは、前回EDM風に処理されていた「はじまりの世界」が、断片的ではありますが、何回か大事な場面で登場し、オリジナルの形で歌われていたこと

依然としてナオミをめぐる副筋については、ちょっと分かりにくいというか、このお芝居の中でどんな役割を担っているか難しいところですが、「死者が生者を励ます」を本作のテーマとして、サトシを励ます位置付けの一人としたことで、キャラクターに重みと背景を与える必要があったということでしょう。

キャストに関しては、岡崎かのんさんは清冽な白蘭を熱演、さらに白蘭を自分のものにしたような気がしましたし、小林啓也君もサトシの抱える悔恨と自責、鬱屈した想いを好演。安中淳也さんの吾郎は、吾郎の大きな心の変化も素直に理解できる自然な演技。しかし、やっぱり今日も存在感が際立っていたのは、迫力と威圧感満点、悪の権化みたいなヤクザの組長ぶりがむしろ痛快にさえ感じる新木啓介さんと、吾郎の感傷を男の偽善だと喝破し、「海の藻屑と消えやがれ、クズだと知りやがれ」と吐き捨てるように歌い、これまた痛快かつ爽快なクラブのママを演じた清田和美さんの両ベテラン まだまだ若いもんには負けません、といったところでしょうか(笑)

今日物販コーナーで販売されていた新しいパンフレットには、名古屋公演、広島公演でのライブ音源が入ったCDが付いていたのですが、残念ながら清田さんの歌う上記「クズはクズ」は含まれずなんとか全曲CDを販売してほしいものです。

カーテンコールでは、ほとんどのお客さんがスタンディング・オベーション音楽座ミュージカルでは初めての体験でした💦今まで、個人的にはすごく良かったと思っても立つ人は少なかったので、ちょっと意外でした😅

今日は本公演の後、配信用の舞台映像を撮影するとのことで、それを見ることも可能でしたが、いずれ配信で見られるだろうということで、本日の感動が損なわれないうちに劇場を後にした次第です


○評価: ☆☆☆☆