小川糸さんの「ツバキ文具店」「キラキラ共和国」のシリーズ3作目を読みました。
椿ノ恋文
内容や登場人物がうる覚えだったので、思い出しながら読みました。
お話の舞台は鎌倉
海の見える 鎌倉高校前駅のホーム、若宮大路の段葛などの名所に思わず行きたくなりました。
時が経ち、主人公の鳩子(通称ポッポちゃん)は3児の母となりました。
旦那さんの連れ子(QPちゃん)の反抗期に悩みながらも、家事に育児に奮闘する毎日です。
余談ですが、鳩子という名前は、鎌倉の豊島屋さんの鳩サブレーが由来?(今ごろ気づく..😅)
代書屋(手紙を代筆する仕事)を再開するところから物語は始まります。
早速、ポッポちゃんのところに、様々な手紙の依頼が舞い込みます。
依頼人の要望に合わせて、
便箋を選び、
その人のような字体で、
相手の心に届くような手紙をしたためます。
過去の自分から、未来の自分への手紙
病気の母から、結婚する娘への手紙
息子から両親へ、カミングアウトの手紙
さまざまな想いを込めた手紙に、涙がポロリ
ポッポちゃん自身も反抗期の娘から複雑な胸のうちを書いた手紙をもらいます。
またポロリです
また、代書屋の先代、亡き祖母の秘密も、ある男性と交わしたハガキや手紙からわかっていきます。
亡くなってからわかる家族のことってありますね...
今はラインもメールも便利だけど、
心の奥深くにある想いは、やはり手書きの手紙が一番伝わるのかな。
そして、こういう手紙は、人生で何度も何度も読み返されるのだろうなと思えます。
毎朝、朝ドラ「ブギウギ」を見てますが、
主人公(スズ子)も、余命わずかな恋人(愛助)が必死で書いた手紙を読み返しては、力をもらうのでしょうね。
今回の続編は、前の二冊とはどこか違う深みを感じました。
小川糸さん、長年の確執があったお母さんが癌になり、永遠の別れがあったと、エッセイにありました。
そんなお母さんとの想いも込められているように感じました。
私が今ここにいて、息を吸いながら、吐きながら、無事に生きているということ。
そのことへの感謝の気持ちが、満ち潮のように溢れてくる。
幸せは、日々もがく泥の中にあるのかもしれない。
はたから見たら、その姿がどんなに無様で滑稽でも、私はそんな自分や、大切な人達が愛おしくなる。
いろんな愛が詰まった一冊でした
今日も、イマイチ本の良さが伝わらない拙い感想文をお読み頂き、ありがとうございました。
m(_ _)m