父の仕事が
うまくいかなくなって、
家庭内に
影が落ち始めていたとき。

母が外へ仕事に行き、
なかなか帰ってくることは
ありませんでした。

その間隔は、
だんだんと開いていき、
母と顔を合わせることは、
少なくなっていったのです。

「なんで家に帰って来てくれないの?」

私は母を問い詰めます。

「お父さんが嫌いになったの?」
「なんで、家にいられないの?」

母は言います。

「いろんなとこに行っているからね。
 おじいちゃんのところや、
 おじさんのところや。
 いろいろ行かなきゃいけないからね」

「なんでいかなきゃいけないの?なんで?」

何度も問い詰めていくうちに、
私の目に涙があふれてきました。

「なんで?」

たたみかけるように問い詰めていたとき、
ふと、あることに気付きました。


あっ、そうだ。

そうだった…。

お母さん。

死んでたんだ…。


ここで、
目が覚めました。

寝起きに泣いたのは、
本当に久しぶり。


そんな朝だった昨日9月23日は、
ちょうど彼岸の中日でした。