風邪をひいて3日目。

声はあいかわらずのひどさで、
その日一発目に掛かってきた電話の相手から、
説教される。

【元気がなさ過ぎる。ラだ。ラの音を出せ!】

その相手が、
運悪く会社のお偉いさんだっただけに、
反論する気も起きず、

【は、はい】

とだけ答えてその場を乗りきった。

だが、その数時間後。
ことは、たった4段の階段で起こった。

調子が悪い事はわかっていた。
頭がぼ~っとしている事もわかっているつもりだった。

でも、肝心の手すりがなかった。
だから私は、
くだりの階段で大コケ。

ヒールのかかとが滑り、
ひざまずいて角で膝を強打、
そのまま上半身から倒れ、
滑って着地。

振り合えれば右のヒールがシンデレラ状態。

たった4段の階段で、
蒲田行進曲をやりとげた私は、

膝下血まみれだと気付くのに、
ちょっぴり時間を要したりした。

嫌な事って、
度重なるものですな。