【タンタジルの死/ロング・グッドバイ(鈴木勝秀 演出)】の
リーディング公演を、
北九州芸術劇場で。

【篠井英介】という俳優の凄さを、
目の当たりにする時間だった。

読まれるト書きは、場面の設定だけで、
後は、
役者の声と、
関係性を示す簡単な動作のみ。

戯曲自体が複雑な構成なため、
台詞の意味が上手く耳に入っては来なかったのだが、

言葉を発する時の役者の雰囲気で、
1話1時間が、短く感じるほど
集中して、観る。

特に、
【タンタジルの死】での篠井氏は、
目が離せなかった。

少しの音の変調で、
見ているこっちは、
餌に釣られる魚のように、
役を追いかけていく。

ルアー捌きが見事で、
それに糸が付いているなんて、
忘れるほどにね。

同じようなことは、
【ロング・グッドバイ】も言える。

時間軸が前後する話ではあったが、
鈴木浩介氏と山下容莉枝さんの掛け合いは、
面白かった。

いや、面白かったじゃ言葉足らずなほどだ。
鈴木浩介さんのパワーは、並々ではなかった。
彼の発するパワーに、山下容莉枝さんの演技も熱くなったようにさえ思える。

どちらの作品も、ダークな要素が満載なのだが、
絶望に堕ちてゆく過程は、
目を、
逸らせるどころが、
ますます惹き付ける。

もうすっかり、驚いた。

…感嘆の言葉を並べるのは簡単だが、
そればかりじゃ芸もないので、
このへんで終わりにしましょう。

終演後のアフタートークでもそうだったのだが、
とても雰囲気の良いカンパニーみたいで、

観てとてもおもしろかったが、
それ以上に

【私も出たかったわ】

と思うのでありました。
スズカツさん、声で選んだんだって。
そうか、いずれの役にも、
私の声は合わなかったもんなぁ。
そりゃ、オーディションも落ちるわ。


以上、
リーディングシアターの感想を終わります。
次回は、【篠井英介さんの尊敬すべき点】について、
お話しまっす。


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