17:30開演と思い込み、
『30分前到着とは、我ながら早いじゃな~い』
と感心していたらば、

『17:00開演

ち、ち、遅刻じゃ~ん…。

そういえば、
『SHIROH』の時も時間を30分間違えた。
これだからミュージカルってやつは。
開演時間が早すぎるて、困る。

…と、
言い訳かまして観劇日記は始まるわけですが。

しょっぱなの、
ヴォルフ(中川晃教)が『天才』と崇めたてられる所から始まる悲劇を見逃したもので、
コロレド大司教(山口祐一郎)や父(市村正親)との『確執』が
うまく把握できないままに、ストーリーを追う。

何故、
ヴォルフにアマデ(幼い頃のヴォルフ)が憑いてまわっているのか、

何故、
父とヴォルフはすれ違い続けるのか、

何故、
『影からの逃れられるのか』と街の人々はヴォルフに歌いかけるのか。

全てが、
ラストではっきりとする時、
感動が涙に変わる。

彼は、自由になることを求めた。
誰からも束縛を受けず、
自分の書きたい曲を、書き続ける。
それが、自分の望みだと思っていた。

でも、

願望が現実になった時には、
それが間違いだったと気付くのに遅すぎた。

彼に残されていたのは、自由という名の孤独。
誰にも束縛されない代わりに、誰にも愛されず、
書きたい曲を与えられるべき相手は、自分自身。
『天才』という名を欲しいままにするも、
本当の作曲家は、過去のヴォルフ。

今の自分には、誰も、何も、ない。

その事実を突きつけられた時に、
文字通り身を削ってペンを走らせるも、
出てくるのは己の血のみ。

父からも、過去の自分からも、結局は逃れられない悲しさが、
『最後にペンを突き立てるのは、僕の心臓』
という最期に、導く。

父にレクイエムを促され、
過去の自分で命をたつ。

倒れこむ過去と現在の自分を前に、
アマデがヴォルフには決して渡そうとしなかった『禁断の箱』の蓋が開かれる。

あふれ出るのは、数々の彼の名曲たち。

だから
街の人々は歌い続ける。

『…自分の影から逃れられるのか?』
 

『自分の過去から解き放たれたい…』


うまく伝えられない感動なので、
多少仕立ててお送りしましたが。
いかがでしょう?

苦悩の嵐みたいなミュージカルだったけど、
残るものがあったなぁ。

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