予感～夏の終わりに（小幅改訂）

『なんとなく、そんな気はしていたんだ』


夜、久々にプールへ。

公共のスポーツジムだけあって、来る年代層は割と高め。
私ぐらいの年代だと、めったにお目にかかれないほど若い部類に入ってしまう。

しかし、気を抜いてはいけない。

裏を返せば、
その年になってもスポーツをするほど、体力に自信のあるお方が多数いらっしゃるのだ。
私だって、最近やっと力をいれずに泳げるようになってきた位であって、下手すると、隣のレーンで泳いでいる紳士に、ちゃちゃっと抜かれちゃう事だってある。
バタフライとかで。

密かに負けず嫌いな私は、こんな紳士たちを勝手にライバル視して鍛錬を積んでいるのだが、
時に自分と同年代くらいの男子を見つけると、とにかく闘志が燃え上がる。

『負けんけんね』

と、方言丸出しついでに猫パンチさながらの拳を、突き上げるのである。もちろん、心の中で。
案の定、今日もその類の男子が現れた。
こともあろうに、私好みの顔だ。


闘志の火花が激しく散り、恋心に燃え移りそうになる。
あっぶない、危ない。
息継ぎを忘れるところだったよ。

そんなこんなで、泳ぐ事1時間。
彼の泳ぎは思ったほどではなく、勝者気取りでジェットバスへ。
これは、プールサイドに設置してあるもので、
スイマーたちを王様気分で眺められるプール必須アイテム。
泳ぎ終わった後は、これでリラックスしてからプールを後にする。

ジェットバス独り占め状態であったか～いお湯と戯れる、至福のひととき。
紳士淑女の皆様は、歩いたり泳いだりと、各々水を楽しんでいる。
勝手に燃やした闘志と、一方的な想像で満足を得た私は、
敗者の男子に目を遣った。
負けたのがそんなに悔しかったのか、
数往復した後、プールから上がって、
立ち去………ったかどうかは、
柱が邪魔して見えな……

と、思っていたら、
ジェットバスに入ってきたぢゃないのっ！
リラックスが、一転。
緊張状態。
距離が縮まると、ますます私好みの…って違う！

まあ、ドキリとはしたけれど、
平静を装うってのが人だわな。
素知らぬフリをして
「5分したらロッカールームへ直行」
と決め込み、辛抱。
妙なプレッシャーのおかげで、
足位置の変更や視線の移動においては、
ぎこちなさNo.1を自負したい所ではあったが、
そんな事をすれば、逆に焦燥感が募ってしまう。

OH!
どうしようか。
（この説明的文章の先ですら、思いつかない）

というわけで、続きはまた後に。

☆注意☆
登場人物の心中は、想像上の産物ですので、
あしからずご了承願います。


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