小林賢太郎(ラーメンズ)氏に飽き出し、
今は小林高鹿(たかしか)氏の文章に凝り固まろうとしてる、
体たらくを

『カラダタラク』

でシクジったあちしですが、
ご機嫌いかに?

さて、突撃レポート『ヴィレッジ』は観たか!
あちしは見たので、多少ネタバレしながら感想を書いていきます。まだ観てないあなたで、以下をもし読んだとしても、この文なんて流し読みで内容は適当把握なんでしょ?だったら、ついでに斜め読みでもしなさいな。痛みなんて痒い程度のことだわさ。

『ヴィレッジ』
監督:M.ナイト・シャマラン
キャスト:ブライス・ダラス・ハワード、ホアキン・フェニックス、エイドリアン・ブロディ、ウィリアム・ハート、シガーニー・ウィーバー

story:1897年、ペンシルヴェニア州のとある深い森の中に存在する小さな村は周囲から孤立していた。村では皆が家族のような暮らしをしていたが、その暮らしを守るために作られた奇妙な掟を、村人たちは守らねばならなかった。しかし、ある日のこと盲目の少女が、恋人の命を救うためにその掟を破ろうとしていた。(あちらから抜粋)

前情報まったくなしで、勝手に『スリーピー・ホロウ』みたいな展開か?と思い込んでいたのが、最初の1時間を小学生の5時限目の授業的な
『10分に一回時計を見る』
現象を招いた。おかげで、チョン・ジヒョン出演『4人の食卓』並みに、無意識の世界と停止ボタンを押し続ける世界の往復。
巻き戻し機能が大活躍の中、色々と疑いながら観ているせいか、途中まで誰を軸に話を観ていくべきかがわからず、とりあえずは『グラディエーター』で皇帝を演じたホアキン・フェニックスを追って見ていったら、これまた途中でガクッと腰を折られるような感覚に襲われる。
いいよ~、いいよ~、この感じ。1時間我慢すれば、すんなりと話が進んでくれるから、そこまではちょいと我慢ね。あとは、多分あなたの予想通りにいいトコまで進むと思うわ。

以下、随分とネタバレしますので、『知る』というスリルを楽しみたいならどうぞ。
私が一番驚いたのは、森で木を挟んで『語ってはならぬもの』が映るところ…ではなくて、見晴台で赤いものが一瞬通り過ぎるところなのです。あれが村を徘徊するのを観たあとは、小ささゆえにずっと違和感を感じまくり、ついには寂しさまで湧き上がってくるのです。森で道をみつけるまでの過程も、本当は見なくてもいいのです。

必要なのは、人間。

知的障害者の名前が『ノア』ってのも、純粋さゆえの皮肉か?
彼が、このストーリーの一つの鍵人なのだろうけど。
これは結末をはっきりしているだけに、消化不良だという人も多いかもしれない。
『赤はダメ』『黄色は安全』『親兄弟は街に殺された』
つまるところ、このヴィレッジは隔離施設。
全ては全てを守るために仕組まれたものだった。
彼らが自らこの村を作っていることは、国立公園の監視員の車でわかる。
『ウォーカー』と書いてあるから、見てみて。
(本当は最初、どこか心を患った人達の集まった村かと思っていた。主人公アイビーの姉はルシアスに告白する時『thank you』を連発するし、ルシアスはルシアスで西洋人にいないほど寡黙だし、ノアはあれだし、シャツのしわばかり気にする男がいるし。でも、他の人のレビューを読んでいると、そうでもないらしいね。流し観してはダメだわ。でも、もう1度観ようとは思わないので、改心しようとも思わない)


ただ一つだけ良かったのは事をひとつ。

『大切な人だからこそ、触れられない』