『贅沢な骨』という映画をちらり。もち、地上波で。

行定監督作品なだけに、夏の夕暮れ時な印象。

話は、うなぎの骨が喉に刺さった売春婦と、同居人と、売春婦の客の3人で進む。口をプカプカさせて骨を気にする女、お祭りでおまけしてもらった3匹の金魚、水槽の代わりのミキサー。一つ一つがとても印象的なだけに、オープニングシーンのカソウ場(漢字にしたくなかった)での骨が一体誰を意味するのか、ものすごい集中力で観た、あっという間の2時間だった。

永瀬正敏演じるシンタニという偽名の男は、結局ところ、ただの通りすがりでしかないのだけれど、残るねぇ。あと、麻生久美子の突っぱねた言い回しがいいのか、先がちょい見えそうになるわりには楽しめる。

ラストの骨に「あの骨は?」と思わなくもないけれど、要するに骨は骨じゃなかったのね。うなぎの贅沢な骨じゃなく、「彼女自身の骨なんだよ、贅沢なのは」ってか。

納得。