それは、日差しがまぶしい午後の出来事。
交差点で信号待ちをしていると、三人のちびっ子が叫んでいる。
3人:「ひろし!おい、ひろし!そっちから帰ると?お~い、ひろし。ひろしぃ~」
私の目の前から彼を呼ぶ少年少女たちは、私の後ろのほうで歩いているらしいひろし君に向かって互い違いに彼の名を呼ぶ。どうやら遊びから帰る途中、ひろし君は黙って違う方向から帰ろうとしたらしいのだ。
3人:「そっちから道はわかると?一緒に帰ろうや。ひろしぃ~!ひろし~!」
あまりに叫ぶので、思わず振り向いて見た私。
が、ひろし君に当たるような人物は見当たらない。しかし、まだ彼らは叫び続けている。
ひろし君がどこかいる。
細い道に入り込んでしまったのだろうか?いや、この当たりには入る道はない。
もしや、私の目には見えない人物に?まさか…。
自問自答することわずか数秒。たどり着いた結果は、
30メートルくら後方にいる私とほぼ同年代らしい青年。
そう、ひろし君とは3人とはかなり年齢の離れた彼のことだった。
一見、どこもおかしいところは見当たらない。彼らの親戚のお兄さんだろうか?いや、それだったら名前呼び捨てはあまりにもずうずうしい。それに、彼らと違う方向へ黙って歩いていったりはしないだろう。
彼は、彼らの何なのだろうか?
小学校低学年に呼び捨てされる青年、ひろし。
青信号になったので足を進めた私だけれど、謎は解明されないまま。
その数十秒後、やはり気になるのでもう一度だけ振り返って、様子を伺ってみた。
呼び捨てひろし君は、3人の忠告どおり道がわからなくなったらしく、例の交差点まで引き返し、彼らと合流していた。
ひろし、推定20歳。
彼の存在が今後、私の住む地域を誘拐などで困惑させないことを祈りながら、今日のことを記憶から消してしまおうと思う。
何となく、嫌だからさ。
…そういえば今日は期待度大の舞台を紹介するはずだったけれど、また明日にとっておきましょうね。
多分、7月に上演される「東京物語」について、話を書くとは思います。多分ね。
交差点で信号待ちをしていると、三人のちびっ子が叫んでいる。
3人:「ひろし!おい、ひろし!そっちから帰ると?お~い、ひろし。ひろしぃ~」
私の目の前から彼を呼ぶ少年少女たちは、私の後ろのほうで歩いているらしいひろし君に向かって互い違いに彼の名を呼ぶ。どうやら遊びから帰る途中、ひろし君は黙って違う方向から帰ろうとしたらしいのだ。
3人:「そっちから道はわかると?一緒に帰ろうや。ひろしぃ~!ひろし~!」
あまりに叫ぶので、思わず振り向いて見た私。
が、ひろし君に当たるような人物は見当たらない。しかし、まだ彼らは叫び続けている。
ひろし君がどこかいる。
細い道に入り込んでしまったのだろうか?いや、この当たりには入る道はない。
もしや、私の目には見えない人物に?まさか…。
自問自答することわずか数秒。たどり着いた結果は、
30メートルくら後方にいる私とほぼ同年代らしい青年。
そう、ひろし君とは3人とはかなり年齢の離れた彼のことだった。
一見、どこもおかしいところは見当たらない。彼らの親戚のお兄さんだろうか?いや、それだったら名前呼び捨てはあまりにもずうずうしい。それに、彼らと違う方向へ黙って歩いていったりはしないだろう。
彼は、彼らの何なのだろうか?
小学校低学年に呼び捨てされる青年、ひろし。
青信号になったので足を進めた私だけれど、謎は解明されないまま。
その数十秒後、やはり気になるのでもう一度だけ振り返って、様子を伺ってみた。
呼び捨てひろし君は、3人の忠告どおり道がわからなくなったらしく、例の交差点まで引き返し、彼らと合流していた。
ひろし、推定20歳。
彼の存在が今後、私の住む地域を誘拐などで困惑させないことを祈りながら、今日のことを記憶から消してしまおうと思う。
何となく、嫌だからさ。
…そういえば今日は期待度大の舞台を紹介するはずだったけれど、また明日にとっておきましょうね。
多分、7月に上演される「東京物語」について、話を書くとは思います。多分ね。