通り過ぎるだけの別府湾に温泉の思いをはせ、博多から大分までの特急「ソニック」に乗った私。
在来線を猛スピードで通過する特急の揺れは、常に吐き気との戦いタイムと言っても過言ではなかったのに、この青いソニックはどうしたっ!車内もド綺麗な上に、振動も少ない。しかも私の座った席は一人用で、向かいの席が見えないように背の低い、丸みを帯びたスリガラスが設置してあった。もし機会があれば、1号車の7-Dに乗ってほしい。とても、よく眠れるから。
さて、その帰りでの出来事。
福岡のテーマパーク「SPACE WORLD」に程近い「スペースワールド駅」からひとつ小倉寄りの駅「戸畑」で3人組の若い外国人旅行者が乗ってきた。このうちの1人がこの特急をえらく気に入ったらしく
「It's so cute!」
を連発。おまけに一車両ごとに内部へ施された色が違うらしく、すぐさま全車両を回って来て、得意気に
「Yellow, red, blue…」
と仲間に説明している。その後も頻繁に席を離れては、あちこち観察しまわる始末。
とそこへ、車掌が改札に回ってきた。
車掌「乗車券を拝見します」
外国人旅行者1(女性)「(割と発音の綺麗な日本語で)この電車、かわいいですね」
車掌「…」
(車掌、沈黙。…と、そのまま後ろを向き、別の人の改札を始めた。おぉ、無視か!?とそこに、動き回る例の人物が)
外国人旅行者2(男性)「(ちょい笑いながら)ひどいねぇ、ひどいねぇ」
外国人旅行者1「(便乗して、こそこそと)ひどいねぇ、ひどいねぇ」
どこで憶えてきたのか、この日本語。発音はとてもよかったが、たとえ無視されても、これを大きな声で言い放てるほど、度胸は座ってない。見習いたいような、見習いたくないような。ちょい複雑な思いを胸に、途中で特急を降りた。
実は行きでも「KAMOME」という「白いソニック」に乗ったのだが、ここでは年配夫婦の西洋人旅行者と一緒だった。博多発のこれらソニックは、途中でそれまでの鹿児島本線から大分行きの日豊(にっぽう)本線に変わるため、分岐点である小倉において、座席を反対向きに自分で回転させなければならない。そんなことを知るはずもない老夫婦は、もちろんじっと座ったまま。背もたれも十分倒して、出発をいまかいまかと待っている。これにてんてこ舞いしていたのは、彼らの後部座席に座るはずの日本人老夫婦。座席を回転させたいのに、彼らが邪魔になって動かないのである。
日本人老夫婦「すいません、あの、すいません」
外国人老夫婦「(窓の外をじっと見ているのみ。自分達が話しかけられてるなんて、知らない様子)」
日本人老夫婦「すいません、背もたれを上げてください。すいませんが、あの…」
ようやく話しかけられていることに気付いた外国人老夫婦の妻。
外国人老夫婦のうち、妻「(おもむろに振り向いて)はぁ?」
周りを見渡す彼女。ようやくことを察知したようで、すごすごと背もたれをあげた。
何が印象的かといえば、「はぁ?」って言ったこと。もし私が西洋人になりきってやるんだったら、無言か、もしくは「Umm?」や「Oh!」だと思う。「はぁ?」とはきっと言わないだろう。そういう意味では、もしかすると彼らは相当の日本通かもしれない。
…なんてね。ただの憶測でしかないのさ!
在来線を猛スピードで通過する特急の揺れは、常に吐き気との戦いタイムと言っても過言ではなかったのに、この青いソニックはどうしたっ!車内もド綺麗な上に、振動も少ない。しかも私の座った席は一人用で、向かいの席が見えないように背の低い、丸みを帯びたスリガラスが設置してあった。もし機会があれば、1号車の7-Dに乗ってほしい。とても、よく眠れるから。
さて、その帰りでの出来事。
福岡のテーマパーク「SPACE WORLD」に程近い「スペースワールド駅」からひとつ小倉寄りの駅「戸畑」で3人組の若い外国人旅行者が乗ってきた。このうちの1人がこの特急をえらく気に入ったらしく
「It's so cute!」
を連発。おまけに一車両ごとに内部へ施された色が違うらしく、すぐさま全車両を回って来て、得意気に
「Yellow, red, blue…」
と仲間に説明している。その後も頻繁に席を離れては、あちこち観察しまわる始末。
とそこへ、車掌が改札に回ってきた。
車掌「乗車券を拝見します」
外国人旅行者1(女性)「(割と発音の綺麗な日本語で)この電車、かわいいですね」
車掌「…」
(車掌、沈黙。…と、そのまま後ろを向き、別の人の改札を始めた。おぉ、無視か!?とそこに、動き回る例の人物が)
外国人旅行者2(男性)「(ちょい笑いながら)ひどいねぇ、ひどいねぇ」
外国人旅行者1「(便乗して、こそこそと)ひどいねぇ、ひどいねぇ」
どこで憶えてきたのか、この日本語。発音はとてもよかったが、たとえ無視されても、これを大きな声で言い放てるほど、度胸は座ってない。見習いたいような、見習いたくないような。ちょい複雑な思いを胸に、途中で特急を降りた。
実は行きでも「KAMOME」という「白いソニック」に乗ったのだが、ここでは年配夫婦の西洋人旅行者と一緒だった。博多発のこれらソニックは、途中でそれまでの鹿児島本線から大分行きの日豊(にっぽう)本線に変わるため、分岐点である小倉において、座席を反対向きに自分で回転させなければならない。そんなことを知るはずもない老夫婦は、もちろんじっと座ったまま。背もたれも十分倒して、出発をいまかいまかと待っている。これにてんてこ舞いしていたのは、彼らの後部座席に座るはずの日本人老夫婦。座席を回転させたいのに、彼らが邪魔になって動かないのである。
日本人老夫婦「すいません、あの、すいません」
外国人老夫婦「(窓の外をじっと見ているのみ。自分達が話しかけられてるなんて、知らない様子)」
日本人老夫婦「すいません、背もたれを上げてください。すいませんが、あの…」
ようやく話しかけられていることに気付いた外国人老夫婦の妻。
外国人老夫婦のうち、妻「(おもむろに振り向いて)はぁ?」
周りを見渡す彼女。ようやくことを察知したようで、すごすごと背もたれをあげた。
何が印象的かといえば、「はぁ?」って言ったこと。もし私が西洋人になりきってやるんだったら、無言か、もしくは「Umm?」や「Oh!」だと思う。「はぁ?」とはきっと言わないだろう。そういう意味では、もしかすると彼らは相当の日本通かもしれない。
…なんてね。ただの憶測でしかないのさ!