成長する人

喉は鍛えると育つのだと感じるこの頃。

「KAFKA LIFE」の方で少し触れたが、私は劇場でバイトをしている。客席内の仕事ではないのだが、モニターから聞こえてくる声で毎日芝居の様子が伺える状況だ。ここは劇団専属の小屋でしかもロングラン公演なのでキャストの変更が割と頻繁に行われる（劇団名がわかっても、心の中に留めて置いてくださいね）。私が入った12月初めの頃の主役と今の主役はすでに違う役者がやっており、千秋楽までの数ヶ月の間に、また変更があるかもしれない。とにかくそんな変則的な状況で、いまの主役F氏は凄い。何がって、声が。最近第一声の歌声が厚みを帯びてきたし、伸びがきれいになってきた。本番２時間半前から主要キャストによるバレエ方式のアップと、個人・アンサンブルの歌合わせが行われる（多分全曲）。「ここまでやるんですか」というほど入念な様子に、自分のやってきたことが恥ずかしくなるほどだった。時には本番が終わった後にニューバージョンの歌の稽古があり、翌日がソワレの場合マチネと同じ入り時間に入ってリハ室で稽古している。１日で舞台に乗せられるほど完璧に仕上げてしまうんだから、役者の稽古量は半端でないと推測。

（ちと余談だが、開演１時間前にいつも発声が聞こえてくるので「ロビーでやってるのかしら？」と思ったら、売店のグッズ売りの売り子がトイレで社員と発声していた。確かに売り子も声が必要だが、私の仕事も声がいるぞ！一緒にやらせてほしいと何度思ったか。）

もちろんF氏だけが凄いのではない。女優Hさんだって常に安定した素敵な声をしているし、台詞の言い回しで私のツボをつくMさんもかわいい（本当は笑うところではないのだけど、ダダっ子みたいで好きなんです）。アンサンブルの方々も、いいのですよ。

…あんまり書いていると劇団ばかりか演目や劇場までわかってしまいそうなので、千秋楽を迎えて私のバイトが終了したら観劇感想を書いてみようと思います。もし万が一わかっている方は、ほくそえんでおく程度で抑えて置いてください。（私がみる役者の一面を書いてみたいとも思うのですが、如何せん舞台の濃いメイクのせいでそれを落としたときに誰が何をやっていた人なのかが判断出来ないものでして、今のところ道で出会ってわかったのはF氏のみでした。そろそろ顔と名前が一致するように何らかの資料を見つける努力をします）

これから楽日までそれぞれがどんな人物になっていくのでしょうか？
とても楽しみにしているので、どうか人気俳優A氏が戻ってきませんように。