劇団☆新感線+東宝ミュージカル「SHIROH」 @帝国劇場 ソワレ(12/8)

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:上川隆也、中川晃教、高橋由美子、杏子、大塚ちひろ、橋本じゅん、植本潤、吉野圭吾、泉見洋平、粟根まこと、秋山奈津子、高田聖子、池田成志、江守徹 ほか

「SHIRO」というタイトルどおり、天草四郎のお話です。
story:東宝のHPをどうぞ

まだ公演中だから、ネタバレになるかと思います。これから予定されている方は、読まないことをお薦めします。

あくまで、単純な感想だけをUPしていきます。馬鹿感想です。読んで呆れてくださると、成功ですから。
さて、憧れの帝劇で初めて観た芝居が「SHIROH」とは、我ながら喜ばしいことです。大好きな新感線と、これまた最近お気にのあっき~の歌を聴け、私はとても幸せでした。これを観に行くきっかけとなったのは、東宝のHPで橋本じゅんさんの殺陣がめためた格好よかったのと、あっき~の歌があったからです。こうして書くと、まるでファンかと見紛うばかりの私です。

違います。私は秋山奈津子姉さんと高田聖子さんが一番好きなのです。今回は憧れの姉さんたちが、じゅんさんの殺陣に負けず劣らず素敵だったので、やっぱりこの2人にも惚れ直しました。植本潤さんも初見だったのですが、この方も花組芝居だけあって達者です。杏子の演技で潰れてしまいそうな場面でも、潤さんがいてくれたことで違和感無く観ることが出来ました。ありがとう、潤さん。同じじゅんさん繋がりで、橋本じゅんさんのことをいうと、「轟天」しか観てないせいか「もっとやって!」と思ってしまいました。弾けたじゅんさんは、他の誰よりも素敵だから。惜しいなぁ。江守徹・池田成志氏の極悪ぶりも健在で、旦那二人は嫌味だけどそれがやっぱり癖になる。あわねっち、もとい、粟根さまは、もっと嫌味な感じが私的に好み。屁理屈をずっとこねていて欲しかった。泉見洋平さんは、「ジャニーズみたいなかわゆい人」などと思っていたら、いいえ、そんな齢ではありませんでした。「かわゆい」なんて思って、ごめんなさい。歌は、期待以上に伸びがあり、ずーんとしました。

個人的にお楽しみコーナーになったのは、右近さんと吉野圭吾氏のペア。吉野氏、お笑い要因ですか?華麗な動きがもっと見たかったのですが、右近さん共々絶妙の歌で、享年50歳はあまりにあっけなかった。しかも、私の誕生日が命日だなんて、偶然に気を失いそうでしたよ。不吉で。
この息抜きタイムは、いつもならじゅんさんが担当するのだろうけど、今回はこの2人だったのな。 

隆也兄さんは、「天保~」で一度観たことがあるのですが、あれよりはグッと良い印象です。悪になりきれない部分がある方のようなので、今回のような「いいひと」はぴったりだったのではないでしょうか?あなたが殉教に反感を抱いていることは、衝撃の事実でした。

そしてあっき~。中川あっき~。あたしゃ、またあなたに泣かされてしまいました。歌で泣いたのは、人生であなたの声だけです。殉教のシーンで「神の元へ行ける喜び」というよりも「今の苦痛から逃避」を感じたのは、私だけでは無いはず。あなたが、苦しみを抱えて十字架に上っていくまでの過程は、あなたの歌声で十分伝わるものがありました。何だかわからないけれど、涙がこぼれてくるんです。感動なのか、共感なのか、自分の抱いている感情に明確な判断は出来ませんでした。それでも、あなたの歌は私にそれを訴えかけてきた。

「宗教の話だから」とか「ミュージカルだから」と、侮ってはいけません。例え新感線のテイストが織り交ぜてあろうと(帝劇だからか、それはかなり抑えてあったと思うが)、台詞が歌になってしまったのであろうと、帝劇でキャパが大きかろうと、ミュージカルお決まりの拍手をさせる間を与えなかろうと、暗転がまったくなかろうと、ストーリーを超えた何かがあなたの心に伝わってくるはずです。結末がわかっていて観る芝居は、この間放送が終了した「新撰組」に通じるところがありますが、中島さんの優しさでしょうか、納得にいくラストでした。
休憩含めて4時間の長丁場を飽きずに魅せてくれるのが、新感線マジック。今回に限っては、もう少し観ていたかった気もする。

ただ、一つだけ文句を言うならば、囚われたキリスト教徒を助けるシーンであっき~が歌うとき、ある教徒(女)が素になって聞いているときがあります。舞台はどんなに遠くても役者の姿はさらけ出される場だと認識して、ずっと芝居をしていて欲しいものです。状況を履き違えている人がいると、いいものも一発でぶち壊しですからね。私も舞台上での居座り方について演出からどれだけ怒られてきたか。心の中で「ここは稽古場じゃないんだぞ」と怒鳴っていました、私。



しかし、この馬鹿感想はどうにかならないのだろうか?我ながら、自分の神経を疑うほどの稚拙な文だ。ネタバレしない程度にシンプルな感想を述べたつもりだが「シンプル」の意味を履き違えているように感じる。頭悪いな、私。

読んでくれた方、申し訳ないです。後日改めて感想を書きますので、今回はこの程度で我慢していて下さい。ストーリーの解釈などを書いてしまうと、あと何十回と残っている公演に針の穴程度の痛いのか痛くないのかわからないほどの極々小さな傷を与えかねませんので。