「起承転結」ではない物語、「結」のない物語は、ありうるのか❓ | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

創作の心得として「起承転結」ということが言われます。

たしかに肝心で、

いつも「起承転結」ではつまらないと思っても、

なかなかこれから外れることは困難です。

とくに「結」

 

しかし、

「いかに多くの物語が結末を必要とされたためにひろがりを失ったか計り知れない。もっともらいし結末をつけなければならないために捉え損なった切実が、どれほどあることだろう」

山田太一

 

物語をもっと面白くふくらませることができるのに、結末をつけるために抑えなければならないことも。

 

でも、結末のない物語はありえない。

 

──いえ、じつは結末のない物語があります!

 

それが落語です!

落語には「落ち」があります。

そのため、「起承転結」の「結」が必要ありません。

極端に言えば、物語のどこでも終わることができます。

 

「結」が必要ないので、いくらでも物語をふくらませることができます!

「起承転」にさえ、こだわる必要がありません。

 

落語は「落ち」によって、そういうとてつもない自由を手に入れました!

そのため、世界にもほとんど類例のない物語構成をとることが可能となりました。

そのため、他の分野(小説や映画やドラマや漫画など)にない面白さを持つことが可能となりました。

そこに落語ならではの素晴らしさがあります!

 

『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』(ちくま文庫)では、そういうことについても、実例をあげながら、ご紹介しています!

 

「物語」というものに興味のある方には、ぜひお読みになってみていただきたいです!

 

 

落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ (ちくま文庫)

 

 

……

 

 

YouTubeで『三国志』『カラマーゾフの兄弟』など、

超弩級の作品の全文朗読をしておられる、日根さんが、

新刊『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』(ちくま文庫)

一部を朗読してくださって、ご紹介くださいました‼️

とても素晴らしい内容なので、ぜひ!

 

 

朗読っていいなあと、ほんと思います✨

 

しかし、私が昔、日根さんにしたリクエストの話が出てくるんですが、ほんとひどいリクエストしてるなあと、我ながら、あきれました……。

 

最後に、『ミステリー・カット版 カラマーゾフの兄弟』(春秋社)の朗読の予告もあります!

 

 

 

落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ (ちくま文庫)

Amazon

 

https://hanmoto.com/bd/isbn/9784480436887

 

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480436887/

 

 

この本についてのお知らせを、このページでまとめてあります。

(今後も追記していきます)

https://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=12610296527

 

どうかよろしくお願いいたします🙏

 

 

……

 

 

ほぼ同時刊行のもう1冊の新刊です。

こちらもどうぞよろしくお願いいたします。

 

食べることと出すこと (シリーズ ケアをひらく)